筑陽学園が甲子園初戦、作新学院と激突~選手権大会




 熱戦が繰り広げられている第101回全国高校野球選手権大会。福岡代表の筑陽学園が11日、大会第6日目の第一試合(2回戦)に登場。作新学院との初戦にのぞみます。

 まず、福岡代表の過去5年の成績は下表の通りとなっています。4年前に九州国際大付にベスト8まで勝ち上がりましたが、6校が出場して4校が初戦敗退。センバツでは今年筑陽学園がベスト8、2年前は福岡大大濠と東海大福岡がベスト8と健闘していますが、夏は少し寂しい結果となっています。

校名 1回戦 2回戦 3回戦 準々決勝
2019 折尾愛真 3-16日大三
沖学園 4-2北照 10-4大阪桐蔭
2018 東筑 4-10済美
2017 九州国際大付 6-8盛岡大付
2016 九州国際大付 8-2鳴門 10-9大阪偕星 2-0作新学院 1-8早稲田実
2015 九州国際大付 1-6東海大四


 対戦相手の作新学院は9年連続の出場。過去8回のうち6回で初戦を突破。記憶に新しい3年前の優勝のほかにも2011年はベスト4、2012年にはベスト8と堂々たる成績を残しています。堅実な守備をベースにソツのない野球をしてくる印象で、筑陽学園にとっては初戦から手強い相手となりました。

 今年のチームは予選5試合のうち、準々決勝までの3試合が2桁得点。チーム打率3割8分と打ちまくりました。本塁打2本と特別長打力があるわけではなさそうですが、昨夏1年生ながら1番打者として甲子園の土を踏んだ横山をはじめ俊足の選手が多く、盗塁数13が示すように機動力をからめた攻撃を仕掛けてきそうです。
 投手陣はエース林が栃木大会準決勝で完投。決勝では林から三宅(3年)へとつないで逃げ切りました。昨夏のマウンドも経験した林は右本格派タイプで、伸びのある直球に切れ味鋭いスライダーが武器。同じ右腕の三宅も、直球と変化球を低めに集めます。筑陽学園戦でもこの二人が登板してきそうです。

 ただ、筑陽学園も今春センバツ8強の実績を誇ります。チーム打率(3割2厘)は作新学院に劣りますが、西舘投手を中心に守りは堅く失点の少ないチームで、接戦を勝ち抜く粘り強さがあります。上位打線だけでなく、5番江原、6番進藤、7番野田と下位にも勝負強い打者が並び、どこからでも得点できる力があります。
 センバツまでは西、菅井、西舘の3投手で勝ち上がってきた筑陽学園ですが、今夏は投球回数を見ても分かるように、ほぼ西舘投手が投げ抜いてきました。甲子園では対戦相手次第では西投手の先発もあったかもしれませんが、作新学院相手となるとやはり西舘投手が先発でしょう。その出来が勝敗の行方を左右しそうですが、作新学院打線を2~3点で抑えていけば勝機は十分ありそうです。

 最後に一つ、筑陽学園にとって心強い(?)データをご紹介したいと思います。9年連続出場とはいえ、作新学院はここ2年は初戦敗退が続いています。その間、関東大会における栃木勢の成績を調べてみました(2017秋~2019春、下表)。関東地区においては神奈川、千葉、東京などが好成績で、栃木や山梨は低迷気味であることが分かります。そして、成績のよい千葉や東京のチームは今大会でも初戦を突破し、逆に負けの込んでいる県のチームは初戦で敗れています。
 ちなみに九州大会における同時期の成績を調べると、福岡勢が断トツの1位(21勝9敗)。ここまで2勝4敗と苦戦している九州勢ですが、「盟主」の登場に期待が膨らみます。

県名 勝-負 今夏出場校 初戦結果
神奈川 17-8 東海大相模 6日目第二試合
千葉 12-10 習志野 5-4沖縄尚学
東京 8-4 国学院久我山 7-5前橋育英
関東一 10-6日本文理
埼玉 10-10 花咲徳栄 7日目第二試合
群馬 6-7 前橋育英 5-7国学院久我山
茨城 6-8 霞ヶ浦 6-11履正社
栃木 2-7 作新学院 6日目第一試合
山梨 2-9 山梨学院大付 2-3熊本工

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