優勝投手の筑陽学園・西舘をはじめ、九州国際大付・下村、西日本短大附・江崎など、全国の舞台に立ってもおかしくない好投手が多かった今大会。彼らの活躍を、数字から振り返ってみたいと思います。
投手の成績をはかるデータは本来自責点が望ましいのですが、全投手の自責点を把握できないため、公式記録から確認できる数字として被安打を採用し、これをもとにした「被安打率」(1試合あたりの被安打)を算出しました。あわせて失点率(1試合当たりの失点)を出しましたが、こちらは味方の失策による失点も含まれている可能性があるため自責点ほど明確に投手成績が出るわけではありませんが、参考として併載しました。
ここでは県大会出場校のうち2試合分に相当する18イニングス以上を投げている投手を対象に、被安打率の低い上位20人をピックアップしました(福岡大大濠・深浦投手は例外として17イニングス)。上位には、九州国際大付・下村投手以下、春日・坂元、大牟田・姫野、筑陽学園・西舘など前評判の高い投手の名前が続きます。九州国際大付の2番手ながら福岡舞鶴戦で7回完投した2年生の酒井投手も、堂々たる成績で上位にランクインしました。これらの投手は失点率も2点台前半と安定しています。
一方で、前評判の高かった真颯館の武内投手は4回戦の自由ケ丘戦での大量失点が響き、西日本短大附の江崎投手は準決勝、決勝で被安打・失点が増えたことが影響して、被安打率はそれぞれ7本台、8本台まで落ちました。また、この夏いちばん多く投げたのは、全5試合を完投した小倉工・樋口投手でした。
投手の成績をはかるデータは本来自責点が望ましいのですが、全投手の自責点を把握できないため、公式記録から確認できる数字として被安打を採用し、これをもとにした「被安打率」(1試合あたりの被安打)を算出しました。あわせて失点率(1試合当たりの失点)を出しましたが、こちらは味方の失策による失点も含まれている可能性があるため自責点ほど明確に投手成績が出るわけではありませんが、参考として併載しました。
ここでは県大会出場校のうち2試合分に相当する18イニングス以上を投げている投手を対象に、被安打率の低い上位20人をピックアップしました(福岡大大濠・深浦投手は例外として17イニングス)。上位には、九州国際大付・下村投手以下、春日・坂元、大牟田・姫野、筑陽学園・西舘など前評判の高い投手の名前が続きます。九州国際大付の2番手ながら福岡舞鶴戦で7回完投した2年生の酒井投手も、堂々たる成績で上位にランクインしました。これらの投手は失点率も2点台前半と安定しています。
一方で、前評判の高かった真颯館の武内投手は4回戦の自由ケ丘戦での大量失点が響き、西日本短大附の江崎投手は準決勝、決勝で被安打・失点が増えたことが影響して、被安打率はそれぞれ7本台、8本台まで落ちました。また、この夏いちばん多く投げたのは、全5試合を完投した小倉工・樋口投手でした。
選手名 | 高校名 | 試合 | 回数 | 被安打 | 被安打率 | 失点 | 失点率 |
下村海翔 | 九国大付 | 5 | 30 | 16 | 4.80 | 3 | 0.90 |
坂元 創 | 春日 | 5 | 38 | 24 | 5.68 | 7 | 1.66 |
姫野 翔 | 大牟田 | 4 | 30 | 19 | 5.70 | 8 | 2.40 |
西舘昂汰 | 筑陽学園 | 7 | 43 | 29 | 6.07 | 8 | 1.67 |
酒井教平 | 九国大付 | 4 | 19 | 13 | 6.16 | 4 | 1.89 |
古川由喜 | 星琳 | 4 | 26 | 18 | 6.23 | 7 | 2.42 |
丸林 塁 | 筑紫台 | 4 | 30 | 21 | 6.30 | 7 | 2.10 |
深浦幹也 | 福岡大大濠 | 4 | 17 | 12 | 6.35 | 4 | 2.12 |
岸 大翔 | 福島 | 4 | 32 | 23 | 6.47 | 12 | 3.38 |
前田翔瑠 | 近大福岡 | 3 | 19 | 16 | 7.58 | 9 | 4.26 |
坂本陽輝 | 福工大城東 | 4 | 20 | 17 | 7.65 | 4 | 1.80 |
武内未来 | 真颯館 | 3 | 20 | 17 | 7.65 | 8 | 3.60 |
樋口風音 | 小倉工 | 5 | 47 | 40 | 7.66 | 19 | 3.64 |
野田壮吾 | 九産大九州 | 3 | 18 | 16 | 8.00 | 4 | 2.00 |
川本仁太 | 東筑紫学園 | 3 | 19 | 17 | 8.05 | 5 | 2.37 |
藤原圭一郎 | 東筑 | 5 | 38 | 35 | 8.29 | 20 | 4.74 |
江崎 陸 | 西短大附 | 5 | 42 | 40 | 8.57 | 18 | 3.86 |
前川涼平 | 久留米 | 3 | 22 | 21 | 8.59 | 8 | 3.27 |
石元涼我 | 水産 | 3 | 25 | 25 | 9.00 | 15 | 5.40 |
高橋紀彦 | 八幡工 | 3 | 24 | 25 | 9.38 | 13 | 4.88 |
※失点率=(失点/投球回数)✕9で計算。ただしイニング途中の交代の場合、観戦などによって確認できる場合を除き、その回の失点は途中降板の投手のものとして計算
※投球回数は「3分の1」は切り捨て、「3分の2」は切り上げ
もう一つデータを紹介すると、限られた数にはなりますが、投球イニングにおける与四死球および奪三振の数を確認できた投手について「与四死球率」「奪三振率」(1試合当たりの与四死球、奪三振)をまとめました。ここでも下村、西舘、姫野、酒井、坂元投手らが上位に顔を出します。被安打率は高かった西日本短大附・江崎投手も、与四死球の少なさでは上位に入り「ヒットで走者を出しても、四死球では出さない」ことがよく分かります。
奪三振率では下村、西舘、酒井投手が2桁に乗せました。酒井投手の投球回数は西舘投手の半分以下、下村投手の約3分の2ですから2人とは単純に比較できませんが、2年生投手の中では突出した存在となっています。こうして振り返ると「今夏の県下ナンバーワンの投手」は九州国際大付の下村投手、そして投球回数を加味して筑陽学園の西舘投手の2人が双璧ということになりそうです。
選手名 | 高校名 | 試合 | 回数 | 与四死球 | 与四死球率 | 奪三振 | 奪三振率 |
下村海翔 | 九国大付 | 5 | 30 | 3 | 0.90 | 35 | 10.50 |
西舘昂汰 | 筑陽学園 | 7 | 43 | 11 | 2.30 | 50 | 10.47 |
前川涼平 | 久留米 | 3 | 22 | 6 | 2.45 | 14 | 5.73 |
江崎 陸 | 西短大附 | 5 | 42 | 12 | 2.57 | 39 | 8.36 |
姫野 翔 | 大牟田 | 4 | 30 | 9 | 2.70 | 27 | 8.10 |
酒井教平 | 九国大付 | 4 | 19 | 6 | 2.84 | 27 | 12.79 |
坂元 創 | 春日 | 5 | 38 | 14 | 3.32 | 37 | 8.76 |
高橋紀彦 | 八幡工 | 3 | 24 | 9 | 3.38 | 16 | 6.00 |
工藤芳稀 | 青豊 | 3 | 25 | 11 | 3.96 | 10 | 3.60 |
石元涼我 | 水産 | 3 | 25 | 14 | 5.04 | 12 | 4.32 |
樋口風音 | 小倉工 | 5 | 47 | 27 | 5.17 | 28 | 5.36 |
藤原圭一郎 | 東筑 | 5 | 38 | 25 | 5.92 | 25 | 5.92 |
大磯一斗 | 門司学園 | 3 | 19 | 13 | 6.16 | 17 | 8.05 |
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