【観戦記】筑陽学園6-3小倉工(選手権大会準々決勝)




【筑陽学園6-3小倉工(選手権大会準々決勝)】
 筑陽学園が序盤にあげたリードを中山、西舘の継投で守り切った。

3回表筑陽学園一死一、三塁 江原が中犠飛を放ち3点目

 筑陽学園は初回、福島が四球を選ぶと弥富も死球で出塁し、中村が送って一死二、三塁。4番福岡の遊ゴロの間に1点を先制した。3回は中前打で出た福島を弥富が送り、中村の左越え二塁打でまず1点。福岡右前打で一死一、三塁とし、江原の中犠飛で中村が生還。さらに進藤四球で二死一、二塁から、7番野田が中越え三塁打を放って2者を迎え入れ、この回4点を奪ってリードを広げた。6回には四球で出た石川を西舘が送り、暴投で一死三塁。福島四球のあと弥富は浅い右飛に倒れたが、中村の右中間二塁打で石川が生還し6-0とした。

7回裏小倉工一死三塁、常軒の左前打で高橋が生還

 3回途中から登板した筑陽学園の2番手・西舘の前に4~6回と三者凡退に抑えられてきた小倉工は7回一死後、5番高橋が左中間を破る二塁打を放ち、中継が乱れる間に三塁へ。続く常軒が詰まりながら左前に落として1点を返した。
 9回も一死から4番久木田が四球を選ぶと(代走谷崎)、高橋が再び左中間二塁打を放ち谷崎が生還。さらに常軒も中越え二塁打で高橋を迎え入れ3点差としたが後続が凡退。初回無死一塁、2回無死一、二塁の好機を逃したのも痛く、反撃が遅かった。

▼準々決勝(25日・久留米)
筑陽学園 104 001 000 =6
小倉工  0
00 000 102 =3


 筑陽学園の投手陣と小倉工打線の対決が焦点となった一戦だったが、筑陽学園が西舘の力投で小倉工打線を終盤の3点に抑えて逃げ切った。

筑陽学園・中山

 この日の筑陽学園の先発は中山。5回戦(対九産大九州)でも2番手として登板、2イニングスを無得点に抑えている2年生右腕で、130キロ前後(この日最速133キロ)の直球にスライダーを交えてくる。初回いきなり先頭の木村を歩かせたが、三振~二盗失敗の併殺で切り抜け、2回も連打を浴びて無死一、二塁とされたが後続を断ち、「ショート・スターター」としての役割を果たした中山は、3回一死から四球を出したところで西舘に後を託した。

筑陽学園・西舘

 西舘は130キロ台後半(この日最速142キロ)の直球に、縦に落ちてくるスライダーが効果的で、3回途中から7回一死まで7三振を奪って走者を一人も許さない好投。四死球も一つだけと、相変わらず制球力も抜群だった。終盤長打を浴びて3点を許したものの、6点のリードを背に反撃を断った。
 5回戦の九産大九州戦ではチャンスに一本が出なかった打線も、この日はよくつながった。3回は4安打に四球、犠飛をからめて4点を奪うなど、6回までに投手陣に6点を贈った。

小倉工・樋口

 小倉工の先発・樋口は、筑陽学園の投手陣の層の厚さを考えると無駄な失点は避けたかったが、初回は連続四死球の走者を内野ゴロで返されノーヒットで先制を許すと、3回は集中打を浴びて4失点。走者を背負わず速いテンポで投げていくのが樋口の持ち味だが、9イニングスのうち6イニングスで先頭打者を出し、自分のリズムに持ち込めなかった。
 打線は西舘が出てくる前にリードを奪いたかった。初回無死一塁ではカウント1-2からヒットエンド・ランをかけたが、筑陽学園バッテリーに外され三振ゲッツー
。2回は久木田、高橋の中軸が連打を放ったが、常軒はバスターから右方向に合わせたが右直。堀田は送りバントを試みてスリーバント失敗するなど、走者を出しながら中山から得点できなかった。
 3回一死一塁で出てきた西舘に対しては6回まで一巡する間に6三振。140キロ近い直球と縦に落ちてくるスライダー、タイミングを外してくるカーブに翻弄され、三振の山を築いた。ようやく7回に連打で1点を奪うと、9回は連続二塁打で2点を返して強打の片鱗を見せたが、3回途中からの登板で余力のある西舘に対しては3点を返すのが精いっぱい。多少の失点も強打で跳ね返してきた小倉工だったが、大会屈指の右腕を前に、持ち前の攻撃野球は及ばなかった。
 


 

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