【筑陽学園９－２福岡工】
先制を許した筑陽学園だったが、直後に逆転すると終盤にも得点を重ね、８回コールドで初戦を飾った。
２点を追う筑陽学園は１回裏、四球で出た福島を弥富が送り、中村死球で一死一、二塁。福岡は左飛に倒れたが、５番江原が左翼線二塁打を放ってまず１点。なおも二死二、三塁から進藤が三遊間を破って２者が生還して逆転。続く野田の時に捕逸で進藤が二進し、野田の中越え二塁打でこの回４点を奪った。
３回は一死後、４番福岡が右前打。江原三ゴロで二死二塁とし、再び進藤が左前打を放って１点を追加した。４回以降は福岡工の２番手・宮脇の前に得点できなかったが、７回一死後、弥富が右越え本塁打で６点目。８回は江原が遊ゴロ一塁悪送球で出塁すると、進藤が送って一死二塁。続く野田が左越え二塁打を放って、まず１点。ここで福岡工は３番手・槌田が登板したが、石川左飛の後、９番西舘の中前打で野田が生還。福島四球で二死一、二塁から、弥富の右前打で西舘が生還してコールドゲームが成立した。
先制したのは福岡工。初回先頭の村上が左前打で出ると、すかさず盗塁を決めて戸次の右中間二塁打で生還。さらに久保が送って一死三塁とし、加嶋四球のあと、栗原の左犠飛で戸次が還り、２点を先制した。
２点を追う２回も、死球で出た松本を大岡が送って一死二塁とし、赤尾の三ゴロで一塁送球間に松本が三塁を狙ったがタッチアウト。５回から登板した３番手・西舘からも４安打を放って反撃を試みたが、８回無死一塁でのヒットエンド・ランが一直併殺打になるなど、ホームが遠かった。
▼２回戦（９日・小郡）
福岡工 ２００ ０００ ００＝２
筑陽学園 ４０１ ０００ １３＝９
（８回コールド）
今春センバツ８強の筑陽学園が、まずは危なげなく初戦を突破した。
先発は左腕の藤田。報道によると先発予定だった西舘の熱発によって急遽登板したということだが、西でも菅井でもなくまだ１年生の藤田を起用したところに期待の大きさがうかがわれる。ただその藤田は、夏の初戦ということでさすがに堅さが見られた。直球が高く浮き、先頭の村上に三遊間を破られると、続く戸次には右中間を破られあっさりと先制を許す。その後も死球、犠飛で１点を失い、この回で降板した。
幸先よく２点を奪って勢いに乗りたかった福岡工だったが、福岡工先発の大岡も不安定な立ち上がりとなった。四死球の走者を二人出し、江原、進藤、野田と３連打を浴びて４失点。二死一、二塁で江原を抑えて無得点でしのげば、少しは筑陽学園の焦りを誘えたかもしれなかったが、江原の勝負強さが上回った。
こうなると流れは筑陽学園。２回からは２年生の岩室がマウンドに上がり、ヒットを許しながらも縦に落ちる変化球を多投し、３イニングスを無得点に抑える。５回からは西舘が登場。熱発の影響か、昨秋見られたような躍動感にはやや欠ける印象だったが、いきなりスライダーなどで３つの三振を奪う貫録の投球。４安打は許したが慌てる場面もなく、三塁を踏ませなかった。
打線は４回途中から登板した２番手の宮脇を打ちあぐんでいたが、７回裏に弥富がライナーで右翼フェンス越えの一発。８回は野田がこの日２本目のタイムリーを放ち、最後は再び弥富がライトへの快打を放って決着をつけた。この日は６番進藤が３安打２打点、２番弥富と７番野田がいずれも２安打２打点と活躍した。
福岡工の先制攻撃は鮮やかだった。先頭の村上が三遊間を鋭く破ると、すかさず盗塁を決め、続く戸次の右中間を破る二塁打でホームを駆け抜けた。一死一、三塁から左打者の栗原も、外角の難しい球をうまく合わせ、左中間に落ちそうな当たりだったがレフト野田が好捕。犠飛で１点は加えたが、これでやや勢いを削がれ、２回以降はゼロを並べた。
８回も村上が右前打で出塁し一矢を報いる好機を得たが、続く戸次の当たりはファースト正面のライナーとなり併殺。福岡工スタンドの歓声がため息に変わった。ただ、村上、戸次はいずれも２年生。特に村上は西舘からも２本のヒットを放つなど３安打の猛打賞で、秋以降の活躍が期待される。
福岡工は投打ともに健闘したが、初回は四死球から招いたピンチから大量失点につながり、３回も一死一塁から江原の三ゴロは５－４－３の併殺かと思われたが、ボールをこぼして一つしかアウトが取れず直後にタイムリーを浴びた。８回の３失点も遊ゴロ悪送球から始まっており、投手を中心とした守りのほころびを筑陽学園に鋭く突かれ、競り合いに持ち込めなかった。
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