【観戦記】西日本短大附9-2香椎(春季大会4回戦)




※本記録は公式記録ではありません

 香椎先発・松岡の立ち上がりの乱れを突いた西日本短大附が序盤に大量リードを奪い、コールド勝ちした。
 西日本短大附は初回、近藤四球のあと、鍛冶の三ゴロ失で無死一、二塁。今村、神宮の連続死球で先制すると高浪のニゴロ(二塁封殺)の間に鍛冶が生還し2点目。なおも一死一、三塁から吉永の遊ゴロが一塁悪送球を誘い1点を加えると、7番宇郷が右中間三塁打を放って2者を迎え入れ、この回5点を挙げた。
 2回にも近藤が四球で出塁。ここで登板した松尾から鍛冶も四球を選び、今村のレフト左への安打で近藤が生還。神宮死球で満塁とすると、高浪の右犠飛でさらに1点を加えた。その後は、松尾の前に得点できなかったが6回、左越え二塁打で出た9番春山を近藤が送り、鍛冶の中前打で1点を追加。7回は宇郷が四球。江崎のショート左へのゴロが失策を誘い、春山の投前バントが一塁悪送球となって宇郷が生還。コールド勝ちとした。
 香椎は3回一死後、9番松尾四球のあと竹浦が右前打で続き、江口のニゴロで二死二、三塁。続く3番林が左前打を放って松尾が生還。さらに4番関戸も右前に落としてこの回2点を返した。しかし得点はこの2点のみ。5回は先頭の松尾が四球を選んだが竹浦が投ゴロ併殺打。6回も林、関戸の連続四球で無死一、二塁としたが、森の送りバントが三塁封殺され、吉村は左飛。続く中村の時に二走が牽制で刺され無得点。7回も中村が四球で出たが、西日本短大附の先発・江崎に要所を締められ、反撃できなかった。

————————————————–

 香椎にとっては初回の失点が痛く、重い5点となってしまった。
 初回、先発の左腕・松岡が先頭打者を四球で出した後、強攻に出た鍛冶の一打はサード正面の強いゴロとなり併殺打かと思われたが、送球を焦ったかボールが手につかずオールセーフ。これで落胆したか、松岡が連続死球を与えてノーヒットで先制を許す。それでも高浪をニゴロに仕留め(二塁で封殺、三塁走者は生還)、さらに一死一、三塁から吉永は遊ゴロ。今度こそ併殺と思われたがまたしてもボールが手に付かず三塁走者の生還を許し、3四死球と2失策で3点を献上する形となった。コールド成立となった7回裏の守りも、この回からマウンドに立った牟田が先頭打者に四球を出すと、続く江崎の高いバウンドのゴロをショートがはじき(記録は失策)、最後は送りバントを処理しようとした投手の一塁悪送球と、ノーヒットで9点目を献上。この試合を象徴するシーンとなった。

 西日本短大附の先発は背番号10の右腕・江崎。直球で内角を厳しく突きながら、スライダーを低めに集めて2回まで無安打。3回は3安打を許して2点を失ったが、タイムリーは詰まった左前打と、右前に落とされたポテンヒットと打ち取った当たりだった。4回以降に許したのはバントヒットの1本のみ。5つの四球を与えるなど細かな制球に苦しんだが、大量点に守られて危なげなく完投した。
 攻撃では初回、労せずして3点が転がり込んでくる形となったが、その直後に出た宇郷の右中間三塁打で2点を追加したのが大きかった。2回も二つの四球で走者をため、今村のレフト線に落ちるタイムリーと高浪の犠飛で効率よく得点を重ねた。3~5回までは香椎の2番手・松尾の変化球に手を焼いたが、ようやく6回に4本のクリーンヒットを集めて追加点を挙げ、大勢を決めた。

 香椎は2回途中から登板した2番手の右腕・松尾が好投した。登板した2回こそ失点したが、3回から5回までは西日本短大附打線をポテンヒット1本に抑えた。直球に力があり、縦に鋭く落ちてくる変化球が効果的だった。
 先発の左腕・松岡は立ち上がり制球に苦しんだが、5・6番に対しては大きなカーブを使いながら内野ゴロを打たせる投球はできた。味方の失策がなければ、もう少しやれたはず。
 打線は4安打に抑え込まれ、うち2本は打ち取られた当たりが外野の前に落ちたもの。江崎を攻略するだけの力を欠いた。


Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*