【観戦記】自由ケ丘6-1希望が丘(選手権北福岡大会3回戦)




 自由ケ丘が一発攻勢で主導権を握り、先発大庭の力投で希望が丘を押し切った。
 自由ケ丘は2回、5番大上が四球で出ると井上が送って一死二塁。立石死球、花井一邪飛で二死一、二塁となったあと、9番大庭の右中間本塁打で3点を先制した。4回は、この回先頭の大上が右越え本塁打を放って1点を追加。6回は6番井上が右越え二塁打、立花の右前打で無死一、三塁。ここで登板した3番手吉田から花井も四球を選び満塁とし、大庭は三ゴロ(本塁封殺)に倒れたが、久保の三ゴロ失でまず1点。さらに代打・海辺の中犠飛でこの回2点を加えた。
 2回二死満塁、3回一死二塁、7回二死一、二塁と好機を逃してきた希望が丘は、8回一死から4番白石が死球で出ると、峰三振のあと、代打藤田の遊ゴロが悪送球を誘い、二死一、三塁。ここで7番松下が中前打を放って1点を返した。しかし得点はこの1点のみ。序盤の好機にあと一本が出ず、流れを掴めなかった。

▼3回戦(14日・筑豊緑地)
自由ケ丘 030 102 000=6
希望が丘 000 000 010=1

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 自由ケ丘の先発・大庭が、投打にわたる活躍を見せて勝利に貢献した。
 まず打撃では、2回二死一、二塁の好機で右中間席に打ち込む先制本塁打。パワーを見せつける一発で自らのマウンドを楽にした。
 投げては、高い位置からリリースする直球にスピードが乗り、タイミングを外すカーブの制球も良かった。2回は2つの四球を与えたが、いずれもコーナーを突いて際どく外れたもの。このピンチをしのぐとリズムに乗り、4・5回は三者凡退。味方打線の援護も受けてテンポよく投げ続けた。8回まで投げて被安打8・与四死球3。完璧に抑えたわけではなかったが要所を締めて先発の役割を十分に果たし、9回は左腕の麻生にマウンドを譲った。
 打線は8安打で6点。11個の四死球も生かして効率よく得点を重ねた。4回は5番大上が、打った瞬間それと分かる大きな一発。6回は連打のあと、四球で塁を埋めると敵失、犠飛でそつなく加点。三者凡退は3回のみで、常に得点圏に走者を置いて攻め続けた。

 希望が丘の先発は右アンダーハンドの古野。変化球を低めに集めて初回は2つの三振を奪ったが、2回は四死球で出した2人の走者を置いて大庭に一発を浴びた。3回からは長身のエース井手が登板。3回こそ三人で片付けたが、球の走りはいま一つで、4回は左の大上に外角直球を引っ張られて右翼席に運ばれた。6回も井上、立花の左打者に右方面に長短打を浴びたところで降板。レフトからマウンドに上がった左の吉田は味方の失策と犠飛で2点を許したが、7回以降は走者を出しながらも制球の良いカーブをうまく使って失点は許さなかった。ただ、3人の投手で11四死球を与え、合計の投球数も200球近くにのぼった。そのため守備の時間が長くなり攻撃に意識を集中できなかったか、3・5・6回と9球ずつで終わる淡白な攻めとなった。 

 それでも打線は、大庭の直球を上から叩きつけ、あるいはセンター方向にはじき返し単打8本を放った。打ち取られた打球の中にも芯で捕らえたものも多く、序盤の好機に一本出ていれば、また展開も変わっていたかもしれない。


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