6年連続して北部勢に優勝をさらわれている南部ですが、7年ぶりに代表の座を目指して有力校がひしめきます。
シード校は、センバツ出場校の福岡大大濠、春の福岡大会優勝の九産大九州、同準優勝の西日本短大付、昨秋福岡大会ベスト4の筑陽学園、4月の筑後地区大会優勝の福島、春の福岡大会ベスト8の福工大城東、昨秋福岡大会ベスト8の久留米商、筑後地区大会準優勝の祐誠になると思われます(正式決定の情報ではありません)。有力私立校が順当にシード入りしそうです。
センバツ8強の福岡大大濠は、優勝候補の大本命と言ってよいでしょう。何といってもエース三浦投手の安定感が際立っています。140キロ超の
春季大会を制した九産大九州は、左の吉田、右の村上と完投能力のある2人の投手を中心に堅い守りを見せます。吉田は
春準優勝の西日本短大付は、横尾、橋本、渡邊と大型打者が並ぶ中軸は迫力十分です。いずれも昨年から主力として活躍しており試合経験も豊富。バントや盗塁も絡めた攻撃も見せるなど、機動力もあります。ただ、圧倒的なスピードとパワーを兼ね備えていた昨年の打線に比べると、やや物足りなさが残る印象はぬぐえません。投手陣は藤松、西の両右腕。藤松はスライダー、西は縦に落ちる変化球を低めに集めて打たせて取ります。
昨夏準優勝の福工大城東は昨秋は3回戦で敗れたものの、今年は春ベスト8、福岡地区大会準優勝と調子を上げてきました。直球に力のある右腕・赤木のほか、右サイドハンドの鶴澤、戸次など複数の投手を抱え、守りからリズムを作っていきます。打線は伊藤、小園ら俊足巧打の選手が多く、足を絡めた攻撃で得点を重ねていきます。昨夏ベスト16のメンバーである宮崎、後藤、中島ら中心打者が残る福島は秋もベスト8に進出。春は初戦で不覚を取りましたが筑後地区大会を制し上り調子です。送りバントは使わず強打で畳みかける攻撃的な野球が持ち味です。投手陣は井上、秋山のほか普段は内野手の後藤が抑えの切り札として
梅野(ヤクルト)ら昨夏の主力が抜けた九産大九産ですが、春はパート決勝まで進出。最後は筑陽学園に敗れたものの、右腕・高橋投手が途中まで好投を見せました。打線の援護が上位進出のカギとなってきそうです。例年のようにシード争いに顔を出す東福岡ですが、今年は元気がありません。昨秋こそパート決勝まで進んだものの春は3回戦で大牟田に打ち負け、福岡地区大会は準々決勝で筑陽学園に大敗。複数の投手を抱えますが大量失点が目立ちます。打線は左の小串が中心ですが全体的に力強さを欠く印象です。夏までに投打ともどこまでレベルアップしてくるか注目です。大牟田も秋は筑陽学園、春は九産大九産に敗退。筑後地区大会も初戦で敗れるなど、今年は厳しい戦いが予想されます。秋春とも早々と姿を消した柳川は筑後地区大会で久留米商を破ってベスト4入り、こちらは2年ぶりの県大会に向けて弾みをつけました。
公立校では糸島、福岡西陵、博多工、修猷館、筑前、朝倉、三潴、春日などが上位を狙います。
糸島は春季大会で福島を破りパート決勝に進出。右腕・吉村は直球に力があり、打線も中軸を中心に一発を放つ力があります。福岡西陵は昨秋パート決勝で福岡大大濠に3-6と善戦。小柄ながら長打力のある柴田がけん引する打線は、好機での集中打があります。博多工は右サイドハンドの大川、秋2勝、春3勝の修猷館は右腕・左座と、制球力のあるエースの踏ん張りに期待が集まります。昨夏ベスト16で春季大会3勝の筑前、春季大会で福工大城東と延長にもつれる接戦を演じた朝倉、同じく春季大会で九産大九州に延長の末に敗れた三潴、1年秋からマウンドに立つ右腕山本を擁する春日なども、ダークホースとして注目されます。