福大大濠が創志学園を破り、春の甲子園初勝利~センバツ




 第89回選抜高校野球大会第3日、九州地区代表の福岡大大濠が初戦で創志学園(岡山)を6-3で破り、センバツ初勝利を挙げました。福岡県勢としてのセンバツ勝利は、2011年の九州国際大付以来、6大会ぶりとなりました。福岡大大濠は2回戦、26日(日)に滋賀学園(滋賀)と対戦します。

<試合経過>
 8番樺嶋の2打席連続本塁打などで序盤に効果的に得点を加えた福岡大大濠が、投げてはエース・三浦が9安打を許しながらも要所を締めて、創志学園の追撃を振り切った。
 1回一死二、三塁の好機を4番東の遊直~併殺で逃した福岡大大濠は2回、先頭の5番稲本が左前打で出ると、斎藤が送って一死二塁。西は中飛に倒れたが、樺嶋が左翼席に本塁打を放って2点を先制した。3回には右前打で出た久保田を平野が送り一死二塁とし、古賀四球、東左飛のあと、稲本の右越え三塁打で2点を追加した。4回にもこの回からマウンドに上った創志学園の2番手・難波から、樺嶋が2打席連続となる本塁打を再び左翼席に放ち、5-0とリードを広げた。
 5回まで散発3安打に抑えられていた創志学園は6回、3番難波が右中間を破る二塁打で出ると、続く小林の当たりは、深めに守っていたセンターの前に落ちる安打となって、無死二、三塁。宮崎投ゴロ、西林三振のあと、7番金山の中堅後方への大きな当たりをセンター・西がグラブに当てながらも捕球できず(記録は二塁打)2点を返した。8回は、難波の三塁飛球がサードの失策を誘い出塁。小林右前打、宮崎が投手のグラブをはじく内野安打で無死満塁とし、西林三振のあと、金山のセカンド後方の飛球で三塁走者が判断よくタッチアップを敢行し生還したが、三塁を狙った二塁走者は刺され1点止まり。その裏、二死から難波が三者連続四球を出し、三浦に押し出しとなる死球を与えて1点を許し、力尽きた。
 福岡大大濠の先発・三浦は140キロを超える伸びのある直球にカーブ、スライダーを絡めて好投。中盤以降、味方の失策なども絡み創志学園の追撃を受けたが、要所を抑えて完投した。

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 福岡大大濠・三浦投手の数少ない課題の一つが立ち上がり。大舞台での投球ということもあり、初回はやや球が高く、四球と安打を許して、二死一、二塁のピンチを背負った。しかし落ち着いて後続を切ると、2回以降は見事な投球を見せた。146キロを計測した直球に、今日はカーブを多めに使いながら緩急をつけて的を絞らせなかった。9安打を許したものの、芯で捕らえられたのはその半数程度。野手の間に落ちる当たりや、詰まった当たりがコースよく野手の間を抜けていったものも多く、被安打9・自責点2の数字以上の内容だった。また、走者を出してから一段ギアを上げ、得点を許さないのも三浦投手の持ち味で、それも十分に生かされた。1、4、5回は得点圏に走者を背負いながら無失点。6回は無死二、三塁から投ゴロ、三振で得点を許さない。金山の中越え二塁打で2点を失ったが、これもセンター・西が背走して追いつきそうだった当たり(最後は強い風でひと伸びしたか)。球数は150に近づいていたが、最終回も140キロ超えを連発するなど、余力を感じさせた。

 打線は8安打だったが、しっかりと捕らえた当たりが多かった。逆方向への打撃がこの日も徹底され、走者を貯めて樺嶋の一発、稲本のタイムリーを呼び込んだ。送りバントも確実に4つ決めてリズムのよい攻撃ができた。樺嶋は思い切りのよい打撃で二連発。8番ということもあり、昨秋は特に目を引く打者ではなかったが、ひと冬越して「覚醒」したか。3番古賀、4番東はこの日ヒットがなかったが、樺嶋を意識して少しでもマークが甘くなるようだと、今度はこの二人が爆発しそうだ。ただ、好投手の揃う全国の舞台でそう多くの得点は望めないだけに、反対方向への打撃に徹して泥臭く点を重ねていきたいところ。

 守備では捕手の古賀が見せた。8回一死満塁でセカンド後方への飛球、無理な体勢で捕球したセカンドを見て三塁走者が判断よく、本塁を突く。セカンド斎藤は慌てて本塁送球するが、本塁は間に合わないと見た古賀が前に出て捕球すると、素早く三塁へ送球。本塁送球を見てスタートした二塁走者を刺し、1失点で切り抜けた。野手は強風による飛球への対応に苦しむ場面もあったが、落ち着いて守れているようだ。
 初戦で難敵を下し、2回戦は滋賀学園と対戦。延長14回の競り合いを制し勢いに乗る相手だが、この日のようなプレーができれば、ベスト8進出への期待も膨らむ。






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