来年、期待の選手たち③(打者編~右打者)




 「来年、期待の選手たち」の打者編です。まずは右打者からですが、なるべく客観的に評価できるように今回はある程度、公式戦の打撃成績も示しながら見てきたいと思います(もちろん、すべての試合の数字が反映されているわけではありませんので、あくまで一つの目安としてお考えください)。寸評はいつものことながら、独断と偏見です。

※「長」は遠くに飛ばす力と技術を持つスラッガータイプ、「中」は外野の間を抜く打撃ができ、一発も期待できる中距離打者、「短」は内野の間を確実に抜く打撃をする打者、のイメージです。カッコ内は打撃成績。今年の大会で公式記録が残っているもの(春秋の九州大会、夏の選手権福岡大会)および筆者が観戦した試合の記録をもとに抽出。丸囲み数字(③など)は試合数。打数ー安打、打率の順。白抜き数字(➌など)は前条件による本塁打数。

◆古賀悠斗(福岡大大濠・捕手・2年):中(⑮55-25 .461❸)
 春季福岡大会の準決勝・東筑戦で2打席連続本塁打。秋の明治神宮大会の明徳義塾戦でも一発。いずれも左腕投手からレフトスタンド中段に打ち込みました。競り合いの試合で、勝負に大きく貢献する一発だったことも評価できます。ただ、生粋のホームランバッターというよりは外野の間を抜いていく打撃が基本で、ツボにくるとオーバーフェンスの力を持っている感じです。夏まではショートでしたが、秋からは強肩を生かして捕手へ。インサイドワークも試合を重ねるごとに、磨かれている印象を受けます。主将でもあり文字通りチームの要となっています。

◆久保田有哉(福岡大大濠・遊撃手・2年):中(➉39-17.444)
 積極果敢な打撃が魅力のトップバッター。甘い球がくれば初球からでも迷いなく振っていき、左右にコンパクトに打ち分けます。外野の間を抜く長打力もあり、秋季福岡大会では打線をけん引しました。身体は決して大きな方ではありませんが、ショートでも安定した守備力が光り、走攻守と3拍子揃った好選手です。

◆宮崎勇斗(福島・外野手・2年):中(⑤21-9.429➊)
 夏の大会は2年生ながら4番打者として出場。3回戦の九産大九産戦では本塁打を放って勝利に貢献、県大会(5回戦)の星琳戦でも北九州市民球場の中堅フェンス上段に当てる大きな二塁打を放つなど、長打力を見せつけました。秋季大会では観戦した県大会(準々決勝)では2番に入っていましたが、打順に関係なくチームの得点源であることは間違いありません。

◆有安晟真(東海大福岡・外野手・2年):中(➉39-14 .358)
 夏の大会では唯一の2年生のレギュラーとして出場、新チームでも不動の1番打者です。好球必打の積極的な打撃を見せ、右方向にも鋭い打球を飛ばしてきます。秋季九州大会準決勝の熊本工戦では、4回にチーム初安打となるセーフティバントを決めて出塁、同点のホームを踏むなど小技にも優れます。秋季大会はほとんどの試合で得点に絡んでおり、彼の出塁がチームの得点力を左右することになりそうです。

◆藤原悠太郎(筑陽学園・捕手・2年):中(⑥24-8 .333)
 前チームから4番捕手を務め、中心的存在として活躍してきました。昨秋初戦の九産大九産戦では梅野投手に2安打に抑えられたチームにあって、唯一クリーンヒットを放ちました。今秋も準決勝で福岡大大濠に敗れましたが、三浦投手から3安打2打点。好投手になればなるほど燃えるタイプのようで、ガッツあふれるプレーでチームを引っ張ります。

◆東 怜央(福岡大大濠・一塁手・2年):長(⑮50-17 .294➊)
 古賀選手とともに、1年夏からレギュラーとして出場。今春から4番に座ります。180センチの恵まれた体格を生かしたスケールの大きな打撃が魅力で、今夏の福岡第一戦では左腕・比嘉投手から左中間に大きな一発。力のあるところを見せました。力んで内野フライというシーンも散見されますが、少しでも甘く入ると遠くまで運ぶ力はあります。また、引っ張るだけでなくセンターから右への巧打もできる選手です。

◆渡邊大海(西日本短大付・一塁手・2年):長(➉35-10 .286❸)
 182センチのスラッガーで、橋本選手との2年生コンビで中軸を組み、春の九州大会では2試合連続本塁打を放って準優勝の原動力となりました。福岡大大濠・東選手と並び、県を代表する右の長距離砲といえます。夏は変化球に苦しんだ印象で不完全燃焼に終わりましたが、引き続き橋本、横尾らの大型選手とともに構成する西短打線の破壊力は、県内屈指といえます。

◆柴田直旺(福岡西陵・三塁手・1年):中(②7-4 .571)
 観戦したのはわずか2試合ですが、この打者もファーストストライクからどんどん打ってくるタイプの1番打者です。秋季大会パート決勝では、福岡大大濠・三浦投手からセンターオーバーと左中間を破る二打席連続の三塁打を放ちました。小柄ながらしっかりと腰の入ったシェアな打撃を見せ、チームの上位進出のカギを握る選手といえそうです。




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