【観戦記】福岡大大濠2-0明徳義塾(明治神宮大会2回戦)




 福岡大大濠が、明徳義塾の先発・北本の失投を逃さず長打攻勢であげた2点を、三浦投手の力投とバックの堅守で守り切った。%e5%a4%a7%e6%bf%a02-0%e6%98%8e%e5%be%b3
 福岡大大濠は4回、この回先頭の3番古賀が、真ん中高めに入ってきたスライダーを左翼スタンドに運んで先制。6回は二死から稲本が左前打で出たあと、6番西が左中間を破る二塁打を放ち1点を加えた。
 明徳義塾は1回一死から中坪が死球で出たが、続く今井が遊ゴロ併殺。2回も先頭の西浦が左前打を放ったものの、後続が3者連続三振に倒れて無得点。4回にも中坪四球のあと今井の送りバントがサードの悪送球を誘い無死一、二塁としたが、後続が凡退し好機を逃した。2点を追う7回は6番久後の左前打と犠打、死球、犠打で二死二、三塁とし、1番田中がライト頭上を襲う一打を放ったが、平野がフェンスに激突しながら好捕。結局、三浦投手の前に4安打に抑えられ、完封を喫した。

▼準々決勝(13日・神宮)
明徳義塾 000 000 000=0
福大大濠 000 101 00x=2

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 福岡大大濠・三浦投手対明徳義塾打線の対決が注目されたが、三浦投手に軍配が上がり、全国でもその投球が通用することを証明した。
 初回一死一塁の場面では3番今井を内角直球で詰まらせて遊ゴロ併殺。2回も無死から西浦に左前打を浴びるが、続く谷合を力のある高めの直球で空振り三振に打ち取りると、久後、近本は外角いっぱいの直球で見送り三振。5回の二死一、二塁も中坪を高めの直球で押し込んで中飛。走者を許しながらも、要所での力投が目を引いた。この日は最速141キロを計測。7つの三振を奪ったが、中でも6回に3番今井から三振を奪った内角低めギリギリの直球は、圧巻の一球だった。
%e5%8f%a4%e8%b3%80%e6%9c%ac%e5%a1%81%e6%89%93 8回は一死から今井に内野安打を許し、4番西浦には3-1と苦しいカウントとなったが、ここで簡単に歩かせないのが三浦投手の真骨頂。128キロの少し抜いた直球でフルカウントに持ち込むと、最後はスライダーで泳がせて二ゴロ。タイミングを外しつつカウントを稼ぐカーブも中盤以降よく決まり、直球の伸び、制球力、スライダーの切れも含めてほぼ、満点に近い内容だった。
 バックもよく守った。7回二死二、三塁で田中のライト頭上を襲うライナー性の当たりを、ライト平野がフェンスいっぱいまで背走すると、最後はジャンプしてフェンスに背中をぶつけながら好捕。抜けていれば同点、さらに逆転のピンチを背負っていただけに大きなプレーだった。内野陣も二遊間を中心によく守った。三浦投手を中心にした堅い守りが、今日の大きな勝因だった。

 打線は古賀、稲本が各2安打。九州大会はやや鳴りを潜めていた中軸に当たりが戻ってきた。4番・東は無安打だったが、1回一死一、三塁からのサード右への当たりは、明徳義塾のサード田中が飛びついて抑え5-4-3の併殺となったが、強烈な一打だった。古賀の本塁打を目の当たりにして2、3打席目はやや力が入ったか、凡飛となったが、調子自体は悪くなさそうだ。
 古賀の本塁打は左腕・北本の、外から真ん中に高めに入ってきた甘い変化球を、左翼スタンド中段まで運んだもの。西のタイムリーも、高めの直球を逆らわずに左中間に運んだ一打。いずれも失投を見逃さずに、コンパクトに仕留めた。ただ、この2点は無死走者なし、二死一塁からのもの。得点圏に走者を進めた四度の好機は、得点に結びつけることができなかったが、全国大会ともなれば得点の機会も少なくなるのは、やむを得ないところか。それだけに三浦を中心に失点を抑え、競り勝つ野球に磨きをかけていくことが、全国大会でも上位に勝ち上がるポイントとなりそうだ。




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