【観戦記】東海大福岡2-1熊本工(秋季九州大会準決勝)




 数少ないチャンスを確実にモノにした東海大福岡が、安田投手の力投で熊本工に競り勝った。%e6%9d%b1%e6%b5%b7%e7%a6%8f%e3%83%bb%e6%9c%89%e5%ae%89%e7%94%9f%e9%82%84
 3回まで三者凡退に抑えられていた東海大福岡は4回、先頭の1番有安が三塁前セーフティバントで出塁すると暴投で二進し、清水が送って一死三塁。ここで3番・北川が三遊間を破るタイムリーを放ち、まず同点。続く遠藤のファーストを襲った強烈なゴロがライト線を転々とする間に、一塁から北川が一気にホームを突いて逆転に成功した。東海大福岡の得点機はこの4回と、5回二死から安田、有安の連打で作った二死一、二塁、さらに8回、安田の右前打に暴投で得た無死二塁の三度だけ。数少ないチャンスを確実に生かした。
 先手を取ったのは熊本工。3回、この回先頭の7番・丸山の安打を足がかりに1番・綾の犠飛で先制した。続く4回も3番・井手尾の中前打から一死後、平野も左前打で続き、打者・小田の時に二塁牽制悪送球で一死二、三塁。さらに小田も四球で一死満塁としたが、丸山投ゴロ、田上三振で突き放すチャンスを逃した。7回にも先頭の丸山がショート内野安打で出ると、田上の犠打で一死二塁と同点機を迎えたが、後続が凡退。力投を続ける山口を援護できなかった。

▼準決勝(27日・別大興産スタジアム)
熊本工  001 000 000=1
東海大福岡000 200 00x=2

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 まず安田投手の方は、熊本工打線に対して被安打6、与四死球1、奪三振10、ヒットのうち3本はポテンヒットや内野安打によるもので、打たれる雰囲気を感じさせなかった。最大のピンチは1点リードされた4回。2安打と自らの牽制悪送球、四球で一死満塁。1本出るとリードを3点に広げられる場面だったが、前の打席でヒットを許している丸山を内角直球で詰まらせ、投ゴロで本塁封殺。続く田上は三振に切って取った。逆転した5回以降は危なげなく、7回に一死二塁のピンチを迎えた以外は二塁を踏ませなかった。マウンドで笑顔も見せるなど、投球を楽しんでいる様子さえうかがえた。捕手の北川もこまめにマウンドに足を運ぶ慎重さを見せ、安田の持ち味を十分に引き出す好リードを見せた。
%e6%9d%b1%e6%b5%b7%e7%a6%8f%e3%83%bb%e5%8c%97%e5%b7%9d%e5%b7%a6%e5%89%8d%e6%89%93 打たせて取るタイプの安田だが、この日は10奪三振。球速表示は120キロ前後(最速124キロ)だったが、手元で伸びているのか直球の空振り三振も多かった。熊本工打線が1年生中心でやや迫力を欠いたところはあったが、九州でも十分通用すると証明するに足る内容だった。
 打線は熊本工・山口から6安打を放ったが、そのうち3本を4回に集中させて逆転した。先頭の有安が無警戒の三塁前にセーフティバントを決めると、暴投と犠打で三塁に進む。この好機に北川が三遊間に快打を放ち同点に。さらに遠藤もファーストほぼ正面への痛烈な一打、これをファーストが止めることが出来ず、逆転の二塁打となった。8回のうち5イニングスを三者凡退に抑えられ8つの三振を喫するなど、山口を完全に攻略したとは言い難いが、%e7%86%8a%e5%b7%a5%e3%83%bb%e5%b1%b1%e5%8f%a3少ない好機を得点に結びつける勝負強さが光った。

 2試合連続2ケタ安打の熊本工だったが、内外角に伸びのある直球とスライダーを投げ分ける安田の前に、思うような打撃をさせてもらえなかった。山口投手は直球を主体に被安打6、無四球と好投を見せたが、4回にわずかなスキを突かれた。直球はこの日最速141キロの表示が出たが、130キロ台中盤でも、打者の手元でシュッと伸びるような質のよい球を投げる。高めに抜けることが多かった変化球で、もう少しストライクが取れるようになると、さらにこの直球が生きてきそうだ。




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