今年のプロ野球志望届が１０月６日（木）に締め切られ、福岡からは梅野雄吾（九産大九産）、中山竜秀（九州国際大付）、浅川朝陽（福岡第一）、濱地真澄（福岡大大濠）、岩田諒大（自由ケ丘）の各選手が提出しました。新人選手選択会議（ドラフト）は１０月２０日（木）に実施される予定ですが、５人の実績や特徴を簡単に振り返っておきたいと思います。
| 選手名 | 所属 | ポジション | 短評 |
| 梅野雄吾 | 九産大九産 | 投手（右） | 最速150キロの直球と130キロ台スライダーで強気な投球 |
| 中山竜秀 | 九州国際大付 | 外野手（右） | 今夏福岡大会で２本塁打。走攻守三拍子揃った好選手 |
| 浅川朝陽 | 福岡第一 | 捕手（右） | 勝負強い打撃で今夏４強に貢献した大型捕手 |
| 濱地真澄 | 福岡大大濠 | 投手（右） | 最速145キロのキレある直球と絶妙の制球力。冷静沈着。 |
| 岩田諒大 | 自由ケ丘 | 投手（右） | 大きなフォームから140キロ超の直球を投げ込む剛腕投手 |
投手は３人、野手が２人となった今年の県内のドラフト候補。まず先陣を切って９月１２日に志望届を提出したのは、九産大九産の梅野投手。昨春
の春季大会で１４０キロ超えを記録すると、秋の大会ではチームを優勝に導きました。特に準決勝の福岡大大濠戦でノーヒット・ノーラン、翌日に行われた決勝の小倉戦でも８回までノーヒットに抑える快投。九州大会では準々決勝で敗れてセンバツは逃し、夏も３回戦で敗れましたが、その評価は揺るぎません。最速１５０キロの直球に１３０キロ台のスライダーがコーナーに決まると、高校生レベルで打つのは至難の業といえます。細かな制球を気にするより、力ある球を投げ込んでくるタイプで粗削りな印象はありますが、そこが魅力ともいえ、強気な性格もプロ向きでしょう。
九州国際大付の中山選手は、２年生からレギュラーとして出場し、昨年・今年と夏の甲子園を経験。今夏は１番打者として活躍、逆方向にも打てる柔らかな打撃に加え、福岡大会で２本塁打放つなど長打力もあります。盗塁できる足もあり、強肩の持ち主。走攻守とバランスの取れた選手といえます。身長１７５センチと高校生としては特別大きくありませんが、ユニフォームがはちきれんばかりの鍛えられた身体がスピードとパワーを生み出す源となっています。九州国際大付からは昨年は山本（DeNA）、一昨年は古澤（ソフトバンク）、清水（日本ハム）と２年連続でプロ野球選手が誕生していますが、今年はどうでしょうか。
福岡第一の浅川選手は勝負強い打撃で、今夏ベスト４に貢献しました。打順は９番でしたが打率は５割を超え、本塁打を
放つなど中軸並みの活躍を見せました。春季大会では九産大九産・梅野投手からも本塁打を打っており、身長１８２センチと恵まれた体格からの長打力もあります。夏初戦では福岡大大濠・濱地投手からダメ押しの２点タイムリー、夏準決勝の福工大城東戦では１点を追う９回に同点打を放つなど、ここぞという場面での勝負強さも光りました。
梅野投手と並び早くから注目されていた福岡大大濠・濱地投手は２年夏から頭角を現し、３回戦でその年のセンバツ出場校・九産大九州を３安打完封、一躍注目を集めました。ワインドアップから始動する柔らかなフォームから、最速１４５キロの切れのある直球をコーナー低めいっぱいにビシビシと決めてきます。昨秋は福岡大会ベスト４、今春は福岡大会準優勝・九州大会優勝など、躍進の原動力となりました。公式戦でもたびたび本塁打を放つなど打力もありますが、その裏には相手投手の配球を読み切る力があり、クレバーな選手という印象です。寡黙でピンチにも冷静に投げ、自分をコントロールできるのも強みでしょう。締切まで１週間を切った時期の志望届提出は、大学進学との選択に時間をかけた結果だと聞いていますが、どの方面に進もうとも強い探求心を持つ選手ですので、大きな成長が期待されます
。
自由ケ丘の岩田投手も、２年時から注目されていた右腕です。大きなフォームから投げ下ろす１４０キロ超の直球と落差のある変化球を武器に、昨秋はベスト８進出を果たしました。がっしりとした体格から放たれる直球は、重そうな印象を受けます。春は登板せず、夏一本にかけて臨みましたが、準々決勝で九州国際大付に敗れました。夏はやや制球が甘くなったところを打たれましたが、この選手もまだ粗削りな印象を受けるだけに、まだまだこれからの成長の余地を残していると思います。
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