【観戦記】小倉14-1慶成(秋季大会2回戦)




 12安打を放った小倉が、慶成投手陣の制球難や守備の乱れに乗じて大量得点をあげ、6回コールドで圧勝した。%e5%b0%8f%e5%80%89%e3%83%bb%e7%9f%b3%e6%a9%8b%e9%81%a9%e6%99%82%e6%89%93
 小倉は初回、先頭の樵田が左前打で出ると白川が送って一死二塁とし、石橋が左前に落として先制。さらに石橋が盗塁と悪送球で一気に三進し、河野一ゴロのあと、中野のショート右への内野安打で、この回2点を先制した。2回は先頭の河浦が四球で出ると、佐藤が送って一死二塁。続く樵田の中前打でまず1点。樵田の盗塁と捕逸で一死三塁とし、白川の中犠飛でさらに1点を加え、4-0とリードを広げた。
 4回は慶成の2番手・榎本を攻め、佐藤四球のあと、樵田の三塁前送りバントは二塁封殺されたが、白川が右中間二塁打を放って一死二、三塁。石橋も右中間を破る二塁打で%e5%b0%8f%e5%80%8914-1%e6%85%b6%e6%88%902点を追加。続く河野の右前打を、ライトが後逸する間に石橋が還り1点。さらに一死三塁から中野が四球を選ぶと、四戸も一、二塁間を破って1点を加え、山﨑、河浦の連続四球でこの回5点を奪った。6回は一死後、山崎の浅い左中間のフライをレフトが落球。盗塁と河浦の四球で一死一、二塁とし、山﨑の三盗と悪送球でまず1点。続く佐藤のライトーセカンド間にあがった飛球をセカンドが落球し、樵田死球で一死満塁から、白川が左前に落ちる2点タイムリー。石橋四球で再び満塁とすると、河野の遊ゴロ失で2者が生還し、この回5点を奪って勝負を決めた。
 慶成は2回、吉田の右前打と加留部の犠打で一死二塁。樋口も遊内野安打で一死一、三塁とし、野上の二ゴロの間に吉田が生還、1点を返した。しかしその後は、中野の伸びのある外角直球と変化球に翻弄され、反撃のチャンスを作れなかった。

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 慶成の6失策、10与四死球があり大差の試合となったが、小倉は上位打線を中心に好調さが目立った。%e5%b0%8f%e5%80%89%e3%83%bb%e4%b8%ad%e9%87%8e
 前チームの主力が抜けた小倉打線だが、1番・樵田(左)、3番・石橋、6番・四戸は鋭い打球で複数安打を放った。2番・白川もしぶとい打撃で2安打3打点。各打者ともセンターから反対方向へのヒットが目立ち、長打は白川と石橋の右打者で3本を記録したが、いずれも右中間への当たりだった。派手さはないがコンパクトにセンター中心に打ち返す打撃は、前チームを彷彿とさせる。
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 エース・中野は立ち上がりこそ、変化球の制球がやや不安定だったものの、回を追うごとに安定感が増してきた。外角低め際どい所にスピードが乗った直球がビシビシと決まるようになり、4~5回の2イニングスで4奪三振。スライダーに加え、落ちる系統の球を投げていたようにも見えた。昨秋から、制球力にすぐれた投手という印象はあったが、この日は球威、変化球にも力強さが出てきたように感じた。6回は左のサイドハンド・川島が登板。失策の走者を許したが、危なげなく1回を無失点に抑えた。

 慶成は守備の乱れからピンチを広げ、四死球も絡んだことで大量失点につながった。内野ゴロの失策は一つで、これは鋭い当たりであったこと、直前に少しバウンドが変わったことから、やむを得ない部分はあったにしろ、盗塁を刺%e6%85%b6%e6%88%90%e3%83%bb%e9%87%8e%e4%b8%8aそうとした捕手の悪送球2つ、飛球の落球が2つ、ライト前ヒットを処理しようとしての後逸などは、防いでおきたかったプレー。今後の課題になりそうだ。
 先発の右腕・野上は、大きなカーブで空振りを奪うシーンはあったが直球が甘く入ったところを捕らえられ、2回を投げ%e6%85%b6%e6%88%90%e3%83%bb%e6%a6%8e%e6%9c%acて6安打1四球。3回から登板した左腕・榎本は制球に苦しんだ。4回は四球で走者をためた後にタイムリーを浴びて5失点、6回も3四死球に4つの失策もからみ、被安打1ながら5失点と、課題を残す投球となった。ただ6回は、内野陣や捕手が間合いをとる場面もほとんどなく、マウンドで孤立したまま失点を重ねたのは少し気の毒ではあった。

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