【観戦記】福工大城東2-1福岡第一(選手権大会準決勝)




 福工大城東・坂元、福岡第一・比嘉、両左腕の本格投手戦となったが、延長10回に福工大城東が中園のサヨナラ打で勝利した。城東・中園適時打

 1-1で迎えた10回裏、福工大城東はこの回先頭の9番・西田が中前打で出塁
。伊藤が送って一死二塁とし、2番・中園が左中間を破って西田がサヨナラのホームを踏んだ。
 先制したのも福工大城東。2回一死後、7番・山口が中前打で出ると、坂元は三振に倒れたものの、西田が右前打を放って二死一、二塁とし、1番・伊藤の投手足元を抜く中前タイムリーで先制した。その後、3~6回は無安打に抑えられ、7回一死一、二塁、8回二死二塁では追加点を奪えず9回に追いつかれたが、坂元が好投し中園のサヨナラ打を呼んだ。
 5回二死一、二塁、6回二福岡一・後藤生還死二塁、8回一死一、三塁など再三得点圏に走者を進めながら得点できなかった福岡第一は9回、5番・川越が中前打で出ると、続く三宅は送りバントがファールになり追い込まれた後、強打に転じ、ライトフェンス上段に当たる大きな二塁打を放ち無死二、三塁。後藤の三ゴロで三走が飛び出して挟まれ、帰塁したが、二走が三塁ベース上でタッチアウトとなり一死二、三塁。さらに比嘉の遊ゴロで再び三走が本塁へ突っ込み、タッチアウトとなったが、二死一、三塁から9番・浅川が左中間二塁打を放って同点に追いついた。しかし続く二死二、三塁の勝ち越し機を逃し、延長10回、力投を続けていた比嘉が力尽きた。

▼準決勝(29日・北九州市民)※延長10回
福岡第一 000 000 001 0=1
福工大城東010 000 000 1=2

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 打撃戦が目立っていた今年の県大会で、最初で最後の本格投手戦となった。城東・坂元3
 坂元は130キロ前後の直球を軸に、変化球を低めに集めて打たせて取る投球が冴えた。3回一死一塁、4回無死一塁では、いずれも内野ゴロ併殺に打ち取った。5回、6回も得点圏に走者を背負うなど、9回までに11安打を浴びたが、勝負処では集中して徹底してコーナーを突いた。特に8回は一死一、三塁の大ピンチだったが、桃原にいい当たりの左直、藤本にもレフトポール際への大きな当たりを打たれたながら、何とかしのいだ。与四死球ゼロで無駄な走者を出さなかったことも大きかった。福岡一・比嘉2

 比嘉は2回、西田、伊藤にいずれも高めに浮いた直球を捕らえられ1点を許したが、3回以降は立ち直りテンポもよくなってきた。130キロ半ばの直球も徐々に伸びが見られ、カーブもよく決まり、3~6回は無安打に抑えた。0-1の7回はポテンヒット2本で一死一、二塁とピンチを背負い、2回に連打を浴びた西田、伊藤を迎えたが、伸びのある直球を低めに決めて決定打を許さなかった。8回の二死二塁では5番・船越を外角直球で見逃し三振に仕留めるなど、10回を投げて7奪三振、与四死球1の好投を見せた。
 強打のイメージのある福岡第一だが、守備でも見せた。7回一死一、二塁から右飛で二走がタッチアップ、ライトからの送球が大きくそれたが、比嘉がよくバックアップ。続く二死一、三塁では三遊間深いゴロをシ城東・伊藤適時打ョート・藤本がよく追いついて一塁送球、難しいバウンドとなったがファースト・三宅がうまくさばき、追加点を許さなかった。

 福岡第一打線は11安打を放ちながら好機にあと1本出なかったが、これはピンチでコーナーを徹底して突いた坂元をほめるべきだろう。惜しまれるのは、9回無死二、三塁の場面。内野ゴロで二度、三塁走者が飛び出したことで、「二、三塁」が「一、三塁」となり、浅川の二塁打で1点しか入らなかった。結果論ではあるが、内野ゴロを自重し、二、三塁であれば逆転していたことになるが、内野ゴロでは本塁突入の難しいところ。いずれにしても、わずかな判断が勝負を左右する紙一重の試合であった。

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