【観戦記】北九州3-2常磐(選手権大会3回戦)




 北九州が大見投手の粘り強い投球で、延長戦の末、シード・常磐を破った北九州サヨナラ
 延長10回裏、北九州はこの回先頭の3番・桑野が右前に落ちる安打で出塁。続く福森の三塁前への送りバントは二塁で封殺されたが、5番・渡辺の右前打で一死一、三塁とすると、6番・木村がたたきつけた打球が前進守備のセカンドの頭を超えるサヨナラ安打となり、接戦にケリをつけた。
 4回まで常磐先発の左腕・黒田に無安打に抑えらえていた北九州は5回裏、7番・瀬崎が左中間二塁打を放って出塁すると、続く吉良が送って一死三塁とし、大見三振のあと、1番・木場の三塁前の弱いゴロが内野安打となって同点に追いついた。7回には6番・木村が右前打を放つと続く瀬崎は中飛に倒れ常磐・橘適時打たが、8番・吉良の左中間二塁打で木村が一塁から一気に生還して勝ち越した。先発の大見は6回までに8個の四死球を出し、毎回のように走者を背負ったが、決定打を与えず4安打で完投した。
 先制したのは常磐。3回表、1番・中田が三ゴロ失で出ると、石村が送って一死二塁。中野は左飛に倒れたが、4番・橘が三遊間を破り、中田が生還した。だがその後は7回まで大見の前に打線が沈黙。8回に橘の左翼本塁打で同点に追いついたが、10個の四死球を得ながらも初回の一死満塁などの好機を生かせず、4安打に抑えられた。

▼2回戦(15日・北九州市民)※延長10回
常 磐 001 000 010 0=2
北九州 000 010 100 1=3  

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 北九州・大見は右のアンダーハンド。右打者には外に逃げる変化球、左打者には外から入ってくる変化球を使って打たせて取る投球を見せた。だが北九州・大見初回から細かな制球に苦しんだ。1回は2四球と安打で一死満塁、5回も2つの四死球と安打で二死満塁のピンチを迎えたが、いずれも無失点で切り抜けたのが大きかった。5回に2安打で同点に追いついてからは、完全に北九州ペース。中盤以降、やや疲常磐・黒田れの見えた常磐・黒田をとらえて、7回に勝ち越した。ただ6回、9回、10回といずれも先頭打者を出しながら、送りバントがことごとく失敗するなど課題も残った。

 常磐の先発・黒田は小柄な左腕だが、力のある直球を低めに集めて序盤は好投した。だが5回以降、北九州打線に捕らえられ5~7回に5安打を許し、7回に逆転打を浴びたところで降板。ここからは防戦一方となった。7回一死二塁で救援に立った右サイドハンドの作本は、この回は後続を抑えて追加点を与えずに踏ん張ったが、8回先頭打者に二塁打を打たれたところで3番手・末広へ。末広が四球を出すと、すかさずエース・橘を投入した。無死一、二塁から登板した橘は、4番・福森の三塁前送りバントが内野安打となり無死満塁の絶体絶命のピンチを背負うが、後続を三ゴロ、左飛、三振に抑えた。ただ、この日の橘は直球に勢いはあったものの、やや高めに浮く球が目立ち、9回の無死一塁こそ大きなカーブを使って後続を断ったが、10回に3常磐・橘安打を浴びて力尽きた。

 常磐としては、7つの四死球を得た5回までに突き放したかったが、併殺などで好機を逃したのが痛かった。6回から9回までは立ち直った大見の前に出した走者は、橘の本塁打と四死球の走者1人のみ。10回には2つの四球で一死一、二塁の勝ち越し機を得たが、ここも内野ゴロ併殺で得点できず、6回以降は流れをつかめなかった。

 

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