序盤リードを許した祐誠が中盤に逆転、粘る朝倉を振り切った。
2点を追う祐誠は6回一死から3番・窪山が四球で出ると、捕逸で二進。4番・松門は三遊間を破って盗塁を決め一死二、三塁とし、続く若松は左直に倒れたが、蛭子谷四球のあと、7番・菰原が三塁線を破る走者一掃の二塁打を放って逆転した。7回には、この回からマウンドに上がった2番手の森田から9番・橋爪が中前打で出塁。続く吉岡の捕前の犠打が失策を誘って無死一、二塁。椛島が送った後、窪山が一、二塁間を破って2者が生還して突き放した。8回にも吉岡、窪山のタイムリーで2点を追加した。
序盤、優位に試合を進めたのは朝倉。初回二死一塁から4番・上野の左中間二塁打で先制。2回は一死後、7番・濱田が四球を選び、続く原田の左前打で一死一、二塁。幾竹は三振に倒れたが1番・井上が右中間にタイムリーを放って1点を加えた。3回にも二死から5番・吉澤の右翼線二塁打のあと、6番・重信が変化球に詰まりながらもショートの後ろに落としてリードを広げた。だが4回からマウンドに上がった2番手・橋爪に対しては、4回二死一、二塁、5回一死二塁、6回二死一、二塁と再三得点圏に走者を進めたが追加点が取れず、6回に逆転を許した。
先発の2年生・濱田は130キロ前後の直球と100キロに満たないカーブを交えて祐誠打線を5回まで味方失策による1点に抑える好投を見せた。逆転された直後の7回からはエース・森田が登板して流れを変えたかったが、逆に祐誠打線につかまり、リードを広げられたのも痛かった。祐誠を上回る13安打を放ち、5点を追う9回も上野、吉澤の連続タイムリーで2点差まで迫るなど最後までよく粘ったが、あと一歩及ばなかった。
▼2回戦(14日・久留米)
朝 倉 111 000 003=6
祐 誠 001 003 22x=8
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昨夏ベスト8と旋風を巻き起こした朝倉。躍進のキーマンとなった左腕・森田のほか、主力の多くが残り期待された新チームだったが、迎えた秋は
初回から祐誠先発の岸川に襲い掛かる。二死一塁から上野が左中間を破る二塁打で打線に火をつけると、2・3回も2安打ずつを集めて1点ずつ奪い、早くも3回で岸川をマウンドから降ろした。岸川も135キロ前後の直球を低めに集めて、決して出来は悪くなかったが、朝倉打線はその直球に狙いを定めてコンパクトに振りぬき、逆方向に打ち返した。4回から右腕・橋爪が登板しても、その姿勢は変わらず、毎回のようにヒットを重ねたが、4~7回はいずれも走者を出しながら、橋爪から決定打を奪えなかった。ただ、9回にも2本のタイムリーで食い下がったように、打線は満点に近い内容だった。
そして7回からは、森田が登板。昨夏甲子園8強の九州国際大付を7回2安打に抑え込んだ外角低めに伸びる直球と、右打者のひざ元に食い込む変化球は、この日は切れがいま一つだった。先頭の投手・橋爪に中前に落とされると、味方の失策と犠打で二、三塁のピンチを招き、窪山に一、二塁間を破られて、あっという間に2失点。祐誠に傾いた流れを呼び戻すことはできなかった。結局、2イニングスを投げて被安打5、与四死球3の4失点。大事な初戦で先発を濱田に譲ったことを考えても、森田の調子もよくなかったのかもしれない。
次も公立・春日の挑戦を受け、パート決勝は筑陽学園との対戦が有力。難敵が続くが、勢いのある朝倉を逆転で下したこの日の勝利で、祐誠にも勢いがつきそうだ。