【観戦記】直方5-3京都(選手権大会2回戦)




 京都・野本投手の制球難につけこんで得点を重ねた直方が、終盤粘る京都を振り切って接戦を制した直方・古平適時打
 1回二死一、二塁、2回二死満塁の好機を逃した直方は3回二死後、3連続四球で満塁とし8番・古平が一、二塁間を破るタイムリーで1点を先制。続く松本涼も左前打を放って2者が生還し、この回3点を挙げた。2点差で迎えた8回は、1番・吉田が三塁内野安打で出塁し、続く阪口が送って一死二塁。薦野死球のあと、吉田、薦野がそれぞれ盗塁を決めて一死二、三塁とし、4番・尾形が中前に抜ける2点タイムリーを放って貴重な追加点を挙げた。
 先発の古平は京都打線に12安打を浴び、4回を除いて得点圏に走者を背負う投球となったが、要所を抑えて完投した。

 京都も4回を除いて毎回のように得点圏に走者を進めながら得点できなかったが、6回二死から4番・岡田が左中間二塁打で出ると、佐藤四球のあと、6番・竹本の左前安打でようやく1点を返した。4点差となった8回には一死後、佐藤が中前打で出ると、竹本三振のあと盗塁を決めて二死二塁。続く7番・北川が一塁線を破るタイムリーを放って佐藤が生還し3点差に迫った。9回も代打・久保が投手の足元を抜く中前打で出て、一ゴロで二進。2番・上野の中前打で1点を返し、さらに二死一、二塁と迫ったが、最後は直方・古平が粘り切った。5回一死三塁から、スクイズのサインミスで三塁走者が飛び出し、好機を逃したのも痛かった。

▼2回戦(10日・筑豊緑地)
直方 003 000 020=5
京都 000 001 011=3  

————————————————–直方・古平
 安打数は直方が7本、京都が12本。選んだ四死球は直方が11つ、京都が4つ。打線が活発だったのは京都の方であったが、効果的に得点を重ねた直方に軍配が上がった。
 直方の勝因は、左腕・古平投手の粘り強い投球だろう。小柄ながら、肘の使い方が柔らかく、体もよく沈み込み、伸びのある直球と大きなカーブを交えながらの投球を見せた。上から叩きつける打撃を見せる京都打線に12安打を許したが、要所では低めに集めて得点を最小限度にとどめた。終盤は若干、疲れも見えたが何とか抑え切った。
 京都打線は、古平の直球に振り負けず、センター方向を中心に打ち返した。3つの犠打を確実に決め、常に二塁に走者を置いて得点をうかがい、8、9回は疲れの見えた古平に4安打を浴びせて2点差に迫ったが、ここぞという場面で力のある球を低めに集める古平からあと一京都・岡田生還本が奪えなかった。

 京都の左腕・野本は、初回から制球に苦しんだ。1回に2つ、2回に1つ京都・野本の四死球を与えて背負ったピンチは何とかしのいだが、3回は二死から3者連続四球のあと、8番・9番に連続タイムリーを浴びた。8回も内野安打と死球の走者をタイムリーで返され、ホームを踏んだ5人のうち4人までが四死球の走者だった。もっとも、三者凡退は4回のみで、それ以外は毎回のように四死球を出して得点圏に走者を負ったことを考えると、よく5点で凌いだともいえる。
 直方打線は7安打のうち3本がタイムリーと効率のよい攻めを見せた。長打はなかったが、各打者ともコンパクトに振りぬく打撃を見せ、8・9番が2安打ずつと活躍した。ただ、11四死球、3つの敵失をもらい、4回を除いて毎回得点圏に走者を進めながら、2度の牽制死や送りバンドの失敗などのミスもあって大きく突き放すことができなかった。その結果、終盤に京都の粘りを許すことにつながったが、このあたりは次戦に向けた反省点となりそうだ。

 

 

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