高松商、東邦を迎えた県高野連主催の招待試合が終わり、いよいよ夏の大会開幕(7月9日)まで、約1カ月となりました。各校とも練習試合で実戦感を養いながら、最後の仕上げに入っていきます。
5月の招待試合は観戦できませんでしたが、この2週間ほどは某雑誌からの依頼を受けて福岡の有力校を回り、監督や選手に取材をする機会に恵まれました。雑誌では注目選手の紹介、各校の戦力分析などを行っています。詳細は改めてお知らせしたいと思いますので、ご期待ください。
福岡大会の抽選は6月24日(金)です。組み合わせが決まった後、パートごとに詳しく見ていきたいと思いますが、現時点で大まかに今年の有力校、選手などを見ておきたいと思います。まずは北部の有力校から。
北部地区のシード見込みは、小倉・東筑・自由ケ丘・希望が丘・東海大福岡・常磐・門司学園・九州国際大付の8校。有力校では飯塚、星琳などがノーシードとなりそうです。このうち、やや力が抜けているのは、秋春ともに県大会出場を果たした小倉、東筑、自由ケ丘の3校でしょう。
小倉は、昨年から4番に座る主砲・土田、俊足巧打の1番・山崎などを中心に打線が活発です。昨秋は準決勝で九産大九州の好投手・岩田から8点
東筑は左腕・梅田を中心に守りの堅いチーム。秋春とも北部大会ではいずれも3点以内に抑え、競り勝って県大会に出場しました。梅田投
底を見せていないという点で、伸びしろがありそうなのが自由ケ丘。秋春とも県大会に出場しましたが、秋は右の本格派・岩田投手が中心だったのに対して、春は岩田投手抜きで勝ち上がりました。代わってマウンドにあがったのが湯浅、岡本、柳原などで、いずれも右投手。長身の湯浅は重い直球に大きなカーブがあり、岡本は130キロ超の直球にチェンジアップなどで緩急をつけ、テンポよく投げ込んできます。柳原は140キロ超の直球とスライダーを武器に三振のとれる投手。これに岩田投手が加わる投手陣の厚さは、県内でも屈指といえそうです。打線も4番・天野が軸ですが、新戦力がここにきて台頭しており、春からメンバーの入れ替えも予想されます。失策がやや目立つ守備が課題と言えそうです。
これに続くのは、希望が丘、東海大福岡、九州国際大付、常磐、門司学園、飯塚などでしょう。昨夏ベスト8の希望が丘は、昨秋も県大会に出場し準々決勝では九産大九産と延長戦にもつれる接戦を演じました。春もパート決勝まで進むなど安定した成績を残しています。昨夏活躍した右アンダーハンド・山村投手の安定感が強みです。昨夏準優勝の東海大福岡は大庭、大平の両投手をはじめ、奥田、柴田ら昨夏決勝を経験した野手
常磐は昨夏も主戦として活躍した橘投手が健在で、秋はパート決勝まで進出、北九州地区大会でも準優勝を飾りました。門司学園も右腕・桃坂投手を中心に守りのよいチームで、春は希望が丘をパート決勝で破って県大会に出場しています。両校とも小倉や自由ケ丘など「Aクラス」のチームにはいま一歩及ばない印象ですが、シードされたことで県大会出場に近づきました。4年前の優勝校・飯塚は秋春とも県大会出場を逃し、福岡中央地区大会でも東海大福岡に敗れ、シード権を逃すことになりました。投手陣は直球に勢いのある角崎、大きなカーブが武器の大山、両左腕が中心となります。打線は前チームでの実績のある武上、揚村らが中軸を担いますが、投打とも昨夏ベスト8と比べると物足りなさが残ります。ただ、こちらも夏に照準を合わせてくるチームだけに、ノーシードとはいえ目が離せません。
ノーシードから県大会を狙うのは飯塚のほか星琳、育徳館、北九州市立、鞍手、嘉穂、真颯館、八幡、豊国学園、光陵、八幡南などの名が挙がってき