【観戦記】九産大九産10-0太宰府(春季大会南部2回戦)




【試合経過】
九産10-0太宰府 九産大九産が相手のミスに付け込み、着実に得点を重ねて快勝した。

 九産大九産は1回一死後、川口が左前にあわせて出塁すると盗塁を決めて一死二塁。来嶋は中飛に倒れたが、梅野雄のショート後方へ高々と上がった飛球は、風にも流されて野手の間に落ちる幸運なタイムリーとなり先制した。2回には二ゴロ失で出た大山を篠崎が送った後、李の二ゴロで二死三塁となり、樋口が甘く入ってきた変化球を中前に運んで1点を加えた。
 3回はこの回先頭の只松が投ゴロ失で出ると、続く川口が右前打、スタートを切っていた只松も三塁に進み無死一、三塁。ここで来嶋が左中間二塁打を放ち2者が生還、さらに梅野雄も左前打を放ってこの回3点を追加した。4回も一ゴロ失で出た李を樋口が送った後、只松がセンター左を破る三塁打を放ってまず1点。ここで太宰府は二番手・郡山がマウンドに上がったが、四球で九産・樋口適時打出た川口が盗塁を決め、捕手の送球が逸れる間に三塁から只松が還って2点目。来嶋が変化球を詰まりながらも中前に運んで川口が生還し、梅野雄もセンター後方にフェンス直撃の二塁打を放ち、一走の来嶋が一気に本塁を突いてこの回4点を挙げた。5回は、四球で出た篠原を代打・小柳が送り、牽制悪送球で三進した後、代打・石田が左前タイムリーを放ち、コールドが成立した

 太宰府は2回、4番・三苫が右翼線に落ちる安打で出塁すると、続く住吉は送りバントを試みたが、空振りとなり三振。6番・中川の時に三苫が盗塁を決め、中川も三遊間を破って一死一、三塁と好機を作ったが、続く森の時に試みたスクイズが再び空振りとなり、三苫が三本間で挟殺され得点できなかった。3回以降は四球の走者を2人出すにとどまり、二塁を踏めなかった。
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 九産大九産の先発はエース・梅野雄ではなく、背番号11の李。がっしりとした体格でワインドアップから投じる直球は重そう。2回に唯一のピンチを招いたが、それ以外は危なげなく5回を2安打2四球でまとめた。
 打線は新たに三番に入った左の来嶋が3打数2安打。まだ打席内で多少のぎこちなさは残るが、3番に定着できれば只松が1番に入り、攻撃力は向上しそう。2九産・李番に入った同じく左打者の川口も、2打数2安打1四球2盗塁と打撃・走塁に活躍した。只松は力感あふれる打撃で4回にタイムリー三塁打、梅野雄も第一打席こそ力んだが、第二・第三打席は抜群の打撃センスを見せて2本の長短打を放ち、1~4番で8安打を記録した。只松ー川口ー来嶋ー梅野雄と続く打線は今後も注目してみたい。

 太宰府の先発・村田投手も、決して悪い投手ではない。細身で球速もそこまで感じないが、直球とスピ太宰府・村田ードを殺したカーブををコーナーに決める。初回は完全に打ち取った梅野雄の打球がヒットになる不運、2回も失策からピンチを招くなど守りの乱れに足を引っ張られた面は否めない。3回以降は変化球がやや甘く入るようになり、九産大九産の各打者に十分引き付けられて痛打を浴びた。変化球が中心の投球ではやがて見極められることはこの日の試合でも明らかなだけに、直球に磨きをかけたい。

 打線では、2回の二つのバントの失敗が目についた。長打はなかなか期待しにくいだけに、どのような形であれ塁に出た走者を確実に次の塁へ進めることは、得点・勝利のためには不可欠であろう。


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