九国付が初の8強・福岡勢では15年ぶり、準々決勝は早実~夏の甲子園




 九州国際大付の夏はまだまだ終わりません。第97回全国高校野球選手権大会、福岡代表の九州国際大付は15日、3回戦で作新学院(栃木)と対戦し2-0で勝ち、初のベスト8進出を果たしました。福岡代表としても82回大会(2000年)の柳川以来、15年ぶりの準々決勝進出となりました。準々決勝は17日(月)の第1試合で早稲田実(西東京)と対戦します。

 <試合経過>
 九州国際大付・富山、作新学院・倉井の投手戦となったが、4番・山本の2試合連続となる本塁打などで挙げた2点を富山の力投と堅守で守り切った九州国際大付に軍配が上がった。
 両校無得点で迎えた6回、九州国際大付は二死走者なしから山本が左越え本塁打で先制。7回には右前打で出た8番・中山を富山が送って一死二塁。吉井の左前打でチャンスを広げると、山口は一ゴロに倒れ二死二、三塁となったが、岩崎が中前にはじき返して1点を追加した。
 作新学院は3回、5回、6回と先頭打者が安打で出塁したがいずれも強攻策が裏目に出て走者を進められなかった。3回二死二塁、5回一死一、二塁、6回二死一、二塁と3度の先制機を逃すと、先制された直後の7回にも二死満塁と攻め立てたがあと一本が出なかった。7安打に5つの四死球を得て、押し気味に試合を進めながら富山に完封を許した。

▼3回戦(15日・甲子園)
作新学院 000 000 000=0
九国大付 000 001 10x=2
【作】倉井→有田→入江 【九】富山

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 2回戦に続き苦しい試合となった。この日の主役はエース・富山投手。再三のピンチを粘りの投球で凌いで強打・作新学院を完封した。
 作新学院の強行策にも助けられた。3回、5回、6回と無死で出た走者を送らずに打ってきたが、二塁に走者を背負う方が嫌だった。打線は倉井投手の直球に差し込まれるシーンが目立った。スプリットにも翻弄されて6回まで4安打。1、2点先制されていれば焦りが出ても不思議でない展開だっただけに、先制を許さなかったことは大きかった。
 4回まで1安打と倉井を打ちあぐんだ打線だったが、それでも5回、6回に3安打を集めた。前半打てなくても中盤以降、捕らえてくるのが九州国際大付打線。この日安打を放った1番・吉井、クリーンアップの3人、8番・中山は好調を維持。6番・宇都も無安打だったが芯で捕らえていた。打線は福岡大会から初めて4点以下に抑えられたが、投手が粘り強く抑えていれば、どこかで必ず得点してくる。
 県大会では打線は全体的に低調だったが野木投手が活躍、甲子園に来てからは1、2回戦と打線が爆発。そして3回戦ではエース・富山が奮闘。日替わりでヒーローが出るのは勝ち進んでいくチームの特徴といえる。

早実×九国 準々決勝は早稲田実が相手。清宮、加藤の3、4番を中心に打線は確かに強力だが予選から失点も多い。失策の多さも目立つ。投手は松本が軸だが継投でしのぐ戦い方だ。九州国際大付の打線であればある程度、得点は計算できる。
 勝敗のポイントはやはり投手陣になりそう。この日の投球を見ると中1日であっても富山投手を先発にもってきたいところだが、117球投げた疲労が残るようなら、中村投手の先発も有力。ここまでリリーフでの起用が多いが、春の九州大会では準々決勝で先発、佐世保実を完封しており完投できる力もある。いずれにせよ勝ち進むには、富山ともう一人、投手が必要になってこよう。

 早稲田実は高校野球界を代表する名門校。さらに清宮フィーバーもあって、当日はアウェーの雰囲気を覚悟しなければならいだろう。だが県大会準々決勝の朝倉戦、甲子園2回戦の大阪偕星戦でそうした雰囲気はある程度、経験済み。さらに九州国際大付にはそうした逆境でこそ、燃える選手が多いようにも感じる。次戦も大いに期待したい。

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