この春に見た気になる選手②(投手編~左投手)




 続いて数は少ないですが、左投手を見ていきたいと思います。前回同様、昨秋の秋季大会が終わってから書いた「秋季大会で見た気になる選手②(投手編~左投手)」に記述した投手は今回は掲載しませんので、当時の記事とあわせてご覧いただければと思います。

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渡辺健史(飯塚)
飯塚・渡辺健史 昨年秋、今年春と飯塚の左腕エースとして活躍、県大会進出に貢献しました。ノーワインドアップから足を胸元に引き上げた時の安定感が目を引きます。胸の張り、腕の振りも十分で威力ある直球が決まります。スピードは130キロ半ばですが、見た目以上に速く感じます。大きなカーブ、ブレーキの利いたスライダーもあり、九産大九州・岩田投手と並んで県内屈指の左腕と言えるでしょう。春季福岡大会準決勝以降、公式戦の登板がないのが気になるところですが、夏の大会に戻ってくれば右の渡辺健太投手と並んで強力な二枚看板の誕生となりそうです。

中村光汰(九州国際大付)
九国・中村 春の九州大会準々決勝で、佐世保実を3安打完封して注目を集めました。エースの富山投手と同じ左腕で、身長(178cm)・体重(78kg)もほぼ同じ。投球フォームもよく似ています。右打者の膝元を突く大きなカーブが武器で、直球も内外角の低めに決まります。このカーブが効果的で、直球が急速以上に速く感じます。富山、藤本、そしてこの中村投手と、今年の九州国際大付も計算できる投手を揃えてきた感じがします。

坂元翔太(福工大城東)
 第一印象で凄みを感じる投手ではありません。それでも九州大会のかかった春季大会準決勝・九州国際大付戦で先城東・坂元発すると、6回途中まで九州国際大付の強力打線を2安打に抑える好投を見せました。さらに、九州大会初戦の興南戦では3回からリリーフに立ち、10イニングスを無得点に抑えた実績を見ると、やはりただ者ではないようです。直球のスピードはそれほど感じませんが、左打者の外に逃げていく変化球に各打者は手を焼いていたようです。福工大城東には右サイドハンドの岡野、右上手の姫野の両投手もいますが、いずれも軟投派。ほとんどの試合を継投で乗り切っており、任されたイニングをいかに最少失点で抑えることができるかがポイントになりそうです。

岡野新二(小倉)
小倉・岡野 昨年から主戦を務める細身の左腕です。制球力にすぐれ、よくまとまった投手という印象です。直球は120キロ台ですが、大きなカーブを武器に打たせて取る投球を見せます。マウンド経験は豊富で粘り強さも兼ね備えていますが、球威で押すタイプではないだけに、コーナーをどれだけ球を集めることができるかが生命線となりそう。昨年夏は3回戦で東筑に打ち込まれ涙をのんでいるだけに、雪辱を期して最後の夏のマウンドに上がります。

平塚貴伎(福岡第一)
福岡一・平塚 昨夏の南部大会ではエースナンバーを付けてマウンドに上がりましたが(2―4で祐誠に敗退)、この春は右腕・下川投手にその座を明け渡しています。当初から大型左腕として期待の高かった平塚投手も、いよいよ最後の夏を迎えました。球威はあり、大きなカーブも有効ですが、あとはどれだけ思ったところに制球できるかにかかってきそうです。

 

 

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