春季大会展望⑤南部Cパート~優勝候補・東福岡に筑陽学園が挑む




南C 南部Cパートは昨秋の準優勝校・東福岡がシードされました。
 昨秋の南部大会で初戦以外の4試合は6点差以上つける圧倒的な強さで県大会へ進むと、初戦で久留米商に競り勝って九州大会出場を決めました。九州大会では創成館(長崎)相手に9回に試合をひっくり返す逆転劇を見せ、センバツのかかった準々決勝では神村学園相手に9回まで5-2とリードしていましたが、同点に追いつかれて延長戦の末にサヨナラ負け。手中にしていたセンバツ出場が手元からすり抜けていきました(観戦記)。投手陣は安定感抜群のヒンブル、制球力の高い笹川、140キロの直球が魅力の福島と揃っており県内屈指。打線は好打者・日高をはじめいずれも確実にバントを決める技術を持ち、機動力を駆使した攻撃が特徴です。大きな当たりは多くはないものの、強烈な打球をセンター中心に打ち返してきます。「負けない野球」とでも言うべき試合運びも抜群で、九産大九州がセンバツ出場で不在の中にあっては本大会の優勝候補筆頭といってよいでしょう。
 同校の存在を脅かすのは、昨年秋の雪辱に燃える筑陽学園です。秋季大会は4回戦で優勝した九産大九州と対戦。0-1で涙をのみました。九産大九州の岩田投手から10安打を放ちながら、あと一本が出ずに敗れただけに、チームとして今大会にかける気持ちは特別なものがあるでしょう。エースの斎藤銀次郎投手は重い直球と切れのある変化球をコーナーに決め、大崩れがありません。主力のほとんどが前チームでもレギュラーとして活躍し経験も豊富ですが、秋は送りバントや走塁での細かなミスも目立ちました。ソツのない東福岡相手にミスが出るようだと苦しくなりそうです。

 両校に挑むのは春日福工大城東でしょう。前チームからのレギュラーが多く残る春日は、秋季大会で福工大城東や福岡第一という強豪を破ってパート決勝まで進出しました。競り合いに強く先制されても粘り強く戦ってきます。順当にいけば3回戦で筑陽学園と対戦します。福工大城東は8月の新人大会で東福岡に0-4と敗れ、秋季大会も初戦で春日にサヨナラ負け。新チームになって勝ち星がなく、夏のシード権獲得に向けても後がありません。前チームから主力が抜けたあとチーム構築途上といった印象ですが、ひと冬越してどこまで戦力が整ってきたか注目です。

 このほかでは秋季大会で2勝し大牟田と競り合いを演じた福島や、ここ数年力をつけている香椎などが伏兵的存在です。東福岡とは実力差がありそうですが、序盤から中盤にかけて競り合う展開に持ち込み東福岡の焦りを誘えば、一発の可能性は秘めています。

 

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