八幡南は21世紀枠九州地区推薦校に選ばれるか?




 来年3月開幕の第87回選抜高校野球大会の21世紀枠の選考に関して、福岡県の推薦校は八幡南に決まってます(11月10日、県高野連発表)。また九州各県の推薦校8校もすでに決まっています。この8校から12月12日に九州地区推薦校として1校が選ばれ、来年1月23日には全国9地区の候補校から3校が「21世紀枠」として選出されます。そのため八幡南はまず九州地区推薦校に選ばれなければなりませんが、今日はその可能性を探ってみたいと思います。
 2001年の選抜大会から導入された「21世紀枠」ですが、過去14年間で福岡県からの選出はありません。九州地区推薦校に選ばれたのも2002年の直方と2012年の門司学園だけ。もっとも佐賀や大分は1校、熊本に至っては1校も選ばれたことがありませんので、福岡が特別少ないわけではありません(ちなみに長崎と宮崎が3校、鹿児島と沖縄が2校)。

 さて本題ですが、過去7年の九州地区推薦校に共通することは、①公立校である、②九州大会で決勝進出したチームの所属する県以外から選出、が挙げられます。昨年まではこれに「③九州大会に出場している」というものがあったのですが、鹿児島県大会準々決勝敗退(県8強)の大島が選ばれたため、この項目は割引が必要になりました。
 改めてこの視点から今年の各県推薦校を見ると、まず私立校の九州文化学園(長崎) と日本文理大付(大分)は厳しいでしょう。九州大会優勝・九州学院の熊本県から推薦された宇土も該当せず、高千穂(宮崎)も県大会ベスト16止まりで難しそうです。
 残ったのは八幡南、鳥栖工、加治木(鹿児島)、首里(沖縄)。首里も本来なら九州大会準優勝の糸満が所属する県ということで消えるところですが、沖縄勢として初めて甲子園の土を踏んだあの首里ですからね。出場当時の沖縄はアメリカ統治下だったため、ナインが持ち帰った甲子園の土が検疫の問題で海に捨てられた話もよく知られています。こうした話題性のあるチームはやはり21世紀枠の選考に際してかなり有利だと思います。
 首里以外では、八幡南と鳥栖工の争いになりそうです。2004年以来、佐賀県から九州地区推薦校に選ばれたことがない「地域性」を考えると鳥栖工、「実力」では九産大九州を追い詰めた八幡南の方に分がありそうです。ただ、両校とも「話題性」では首里を上回ることは難しそうです。

 通常であれば八幡南は九州地区推薦の有力校になるのですが(21世紀枠3校に選ばれるかどうかはともかく)、今年は強力な話題性を誇る首里がいることで微妙な情勢です。「話題性」「実力」「地域性」…。どの部分にスポットが当たるかによって選出校は左右されることになりそうです。

福岡 佐賀 長崎 大分 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄 九州大会
決勝進出
2014 八幡南
九州①
鳥栖工
九州②
九州文
化学園
8強
日本文
理大付
8強
宇 土
4強
高千穂
16強
加治木
4強
首 里
4強
九州学院
糸 満
2013 小 倉
4強
早稲田佐賀
辞退
島原農
8強
大分雄城台
8強
多良木
九州②
宮崎南
4強
大 島
8強
知 念
8強
沖縄尚学
美里工
2012 門司学園
九州②
有田工
8強
諫 早
九州②
大分西
4強
熊本北
4強
小 林
8強
加治木工
8強
美里工
8強
沖縄尚学
済々黌
2011 育徳館
4強
鹿島実
8強
小 浜
8強
大分豊府
8強
球磨工
4強
宮崎西
九州8強
松 陽
4強
知 念
九州②
神村学園
九州学院
2010 嘉穂東
8強
唐津商
九州②
佐世保工
8強
大 分
九州②

熊本西
辞退
西都商
九州②
志布志
8強
首里東
4強
鹿児島実
九国大付
2009 折 尾
辞退
唐津南
4強
長崎商
九州8強
大 分
九州①
宇 土
8強
宮崎大宮
8強
薩摩中央
4強
糸 満
4強
嘉手納
宮崎工
2008 九産大九産
4強
杵島商
辞退
諫 早
8強
大分上野丘
九州②
東 陵
8強
宮崎農
8強
川 内
九州②
浦添工
4強
清 峰
神村学園
2007 修猷館
8強
鹿島実
4強
長崎商
九州②
大分商
九州②
球磨工
8強
宮崎工
8強
鹿屋工
4強
名護商工
4強
明 豊
沖縄尚学

校名は21世紀枠でセンバツ出場、校名は21世紀九州地区推薦、校名は21世紀九州地区代表に選出され一般枠でセンバツ出場
校名文字の灰色は私立校、校名下は秋季大会成績(例:九州②=九州大会2回戦敗退/4強=県大会4強)

 

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