いよいよ決勝! 九州国際大付-北筑を展望する




2014夏決勝  7月5日、北九州市民球場で福岡大会が開幕してから3週間以上が過ぎました。残すところあと1試合。いよいよ135校の頂点が決まります。九州国際大付は3年ぶり、北筑は春夏通じて初の甲子園出場を目指します。

 チーム打率は九州国際大付が.323、北筑が.355。とも攻撃力のあるチームですが、毛色は少し違うように思えます。九州国際大付は相手投手を長打で一気に打ち崩していく正真正銘の「打撃力のチーム」と言えるのに対して、北筑は長打力も秘めつつ盗塁、犠打など足を絡めた「かき回す野球」という印象です。

 九州国際大付は中尾、河口が出て中軸以降で還すのが得点パターン。中でも2本塁打を放ち打率が5割を超える3番・古沢が得点の原動力になってます。4番・清水から7番・岩崎までが本塁打を放っておりどこからでも長打が飛び出します。清水、山本がこの2試合で1安打ずつとややバットが湿り気味なのが気になるところですが、それを補って余りある打線の厚みがあります。投手陣は県大会に入ってから滝、アドゥワが先発して安藤がロングリリーフする継投。強力な打線の陰に隠れがちですが、ここまでの6試合で失点は7。1試合で2点以上を許していません。安藤投手は球速は130キロをやや上回る程度ですが、球の出どころが見にくいフォームからのカーブが有効。滝投手もここまで出番は少ないものの左の本格派で制球力があります。

 北筑も打率5割台で3番・稲毛がキーマンとなりそうです。準決勝で3盗塁を決めるなどここまで10盗塁。積極的な走塁はチームの攻撃を加速させています。先頭の日永、宮原以下の中軸も好調を維持しており勢いがあります。またこれまでの試合ではすべて2回までに得点を挙げています。速攻で試合の主導権を握ってリズムを作り、中盤から終盤にかけて失点しても終盤に再度突き放せる「攻撃の粘り」もあります。投手陣は平川、桜井の継投ですが準決勝は桜井が完投。決勝は平川の右腕に託すことになりそうです。初球からでも振っていく思い切りのよい打撃、失敗を恐れない走塁など、伸び伸びとしたプレーがここまで結果につながっています。決勝の舞台でもこれまでと同じような動きがでるかがポイントになりそうです。

<主力打者の打撃成績>
【九国大付】 打-安-点  【北筑】    打-安-点
中尾 .304 23-07-04  日永 .428 21-09-02
河口 .315 19-06-03  上野 .153 13-02-04
古沢 .545 22-12-12  稲毛 .523 25-14-04
清水 .315 19-06-03  宮原 .347 23-08-08
疋田 .238 21-05-06  田中練.428 21-09-05
山本 .250 20-05-10  田中祐.300 20-06-05
岩崎 .307 13-04-02  吉田 .333 21-07-07
安藤 .384 13-05-02  白石 .250 16-04-02
小林 .100 10-01-01  平川 .181 11-02-02
手塚 .400 05-02-02  桜井 .285 07-02-01

 試合は序盤の北筑の攻撃に注目したいところです。3回までに3点以上得点できれば、たとえ失点があったとしても北筑ペースとみてよいでしょう。逆に序盤で得点できず中盤以降の勝負となると、地力に勝る九州国際大付に分があると見ます。
 九州国際大付打線は福工大城東・貞許、西短大付・小野、自由ヶ丘・久保という本格派投手を打ち崩してきましたが、準決勝では軟投派の自由ヶ丘・安武投手に苦しみました。北筑投手陣も強力打線を意識せず、いつものような緩急をつけた投球で打線の援護を待ちたいところです。



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