夏の福岡代表校を振り返る⑪(第22回大会・小倉工)~嘉義農林に再び苦杯




1936年(昭和11年) 第22回選手権大会/小倉工(2年ぶり5回目)  優勝=岐阜商(岐阜)初
 

 昭和10年は引き続き玉井を擁してセンバツに出場した小倉工だったが、1回戦で敗退。そして夏の選手権大会も、北九州大会の準決勝で、佐賀商に敗れてしまう。
 明けて昭和11年、この年はマウンドに左腕の竹中重喜を据えてセンバツに出場。1回戦の早稲田実戦は玉井が本塁打を放つなど活躍し快勝。2回戦も玉井の三塁打で先制したが、桐生(群馬)にサヨナラ負けを喫した。

 そして玉井最後の夏がやってくる。北九州大会では決勝で福岡工に2-1と競り勝ち2年ぶりの夏の甲子園を掴む。
 1回戦の相手は5年前の第17回大会準決勝で敗れた台湾代表・嘉義農林。この年の嘉義農林も足を使った攻撃力は健在で、2回に呉が三塁前セーフティバントで出るとすかさず盗塁。動揺した竹中が続く東に死球を与えて、さらに盛がバントを試みる。これは投飛となったが、続く河野の二ゴロを二塁で封殺しようとした送球が走者に当たり、この間に呉が生還。小技を絡めてくる相手に野手も緊張を強いられた結果だろう。
 4回に玉井のタイムリーで同点に追いつくが、5回に四球、フィルダースチョイス、重盗などでかき回された挙句、吉川にタイムリーを浴びて2失点。6回にも二、三塁間の挟殺プレーが失策を招き失点。竹中はカーブを武器に嘉義農林打線を3安打2四球に抑える好投を見せたが、相手走力を警戒しすぎたことが内野陣の失策を招き、接戦を落とした。

▶福岡県の甲子園成績

◇1回戦(2日目・第1試合)
     一二三四五六七八九 計HE
小倉工   0 0 0 1 0 0 0 2 0  3 6 5

嘉義農林  0 1 0 0 2 1 0 0 x  4 3 2
<二>吉川
【小倉工】 打安 【嘉義農林】打安
4 白 土 40 6 吉 川 21
5 松 浦 32 4 脇黒丸 10
8 玉 井 41 9 児 玉 40
2  進  41 8  呉  31
1 竹 中 20 1  東  30
6 宮 崎 40 3  盛  41
9 山 口 40 2 河 野 20
7 千 手 20 5 奥 田 30
⑺ 坂 田 10 7  揚  30
3 瓜 生 32            

振四犠盗残  31 6 振四犠盗残  25 3
22104    56265

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