友情応援




第一試合前にバックネット前に整列、場内アナウンスで紹介を受ける飯塚投手(左から3人目)ら日本文理の選手
第一試合前にバックネット前に整列、場内アナウンスで紹介を受ける飯塚投手(左から3人目)ら日本文理の選手

 5月25日の招待試合、久留米商ー日本文理戦から、こぼれ話を一つご紹介します。

 この試合、聞くともなしに聞こえていた久留米商の控え選手を中心とした一塁側スタンドの応援に何か違和感を覚えていましたが、それが何かに気づいたのは3回表のことでした。日本文理の攻撃の時も彼らは応援を続けていたのです。

 最初は、守っている時まで自分たちのチームを応援するのはどんなものかな、相手に失礼にはならないのかな…と思っていたのですが、よく聞くと相手チーム=日本文理の応援をしているのです。しかも選手の名前も入れて。この日はスコアボードに選手名も掲示されていたので、それが可能だったのでしょうが、これには驚きました。日本文理は新潟からの遠征ですから三塁側スタンドには控え選手以外、応援する人はいません。それに配慮しての「友情応援」だったのでしょう。

 招待試合は、県外の強豪校を招くことで福岡県の高校野球のレベルアップを目指すのがその主な目的ですが、県外校との親善ももちろん兼ねているわけです。第一試合前には招待されたチームの選手がバックネット側に向かって整列し、一人ずつ場内アナウンスで紹介されます。そしてスタンドからは一人一人に拍手を送る。「よく福岡まで来てくれた」と。その光景もすがすがしものがありましたが、この久留米商の友情応援も素晴らしいと思いました。そして日本文理の選手たちも試合終了後、一塁側スタンドの前まで駆け寄って応援へのお礼をきちんと述べる。こうしたやりとりができる高校生を本当に見習わなければならないと思いました。

 心温まるこうした交歓を通して、新潟と福岡の交流が今後も続けばいいなと思いました。そして願わくば、彼らには今日のこのやりとりを忘れることなく、高校野球を離れてもその潔さ、清々しさを一人の大人として持ち続けてほしいと感じました。

 

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