2014年7月12日 西短大付3-0九産大九産②

観戦レポート/第96回全国高校野球選手権大会 3回戦 (2014年7月12日・土/大牟田延命球場)
チーム名   二 三 四 五 六 七 八 九 十  計 H E
西 短         
九 産       
【西】小野-高岩(本)武富(二)高岩2
【九】福田、大呑、因-佐田(二)伊藤

 西短大付・小野投手の投球を2回戦、3回戦と見ての率直な感想を言うと、まだまだ余裕を持って投げているのではないか、ということだ。150キロを記録した5月の招待試合の日本文理戦を10とすれば、初戦の福岡戦は終始7分程度。そしてこの試合も6回まではせいぜい8分程度だったのではないかと想像している。新聞などではスピードは140キロ後半が出ているようなので単なる筆者の思い込みかもしれないが、日本文理戦はもっと投球フォームに躍動感というか、全身がバネのように弾けていた気がしてならない。だが、この試合は7回になって本気モードになったように思えた。

 7回は先頭の葉山に四球を与え、続く諸藤の時に二盗を許す。初めてスコアリングポジションに走者を背負い、ここでスイッチが入ったように見えた。ここまで、ほとんど投げてこなかったスライダーも使って諸藤、入江と連続三振に仕留める。本気モードになったときの直球にスライダー、カットボールなどを交えらえると、さすがに打つのは厳しいと感じた。続く松隈のときに二塁走者の葉山が三盗を試み、タイミングはアウトだったが野手のグラブからボールがこぼれてセーフ。これで力んだか、松隈には四球を与え、さらに盗塁を許して二死二、三塁と緊迫した場面を迎えたが、最後は中島に直球を詰まらせて遊飛に打ち取った。

 九産大九産も7回までに四球で出た3人の走者はすべて盗塁を決めるなど、足で揺さぶろうとする作戦は面白かった。また下位打線の打者を中心にバスターヒッティングを行い、コンパクトに振って確実に小野の速球を捕えようとするなど、様々な手を打ってきた。投手陣も先発の福田は4回にヒットを集められて2点を許したものの、カーブを有効に使ってよく投げた。投手の打順になると代打を送り、何とか小野を攻略しようとする積極的な攻撃を見せたが、結果的に小野を打てなかった。

 西短大付打線は5安打3得点。2番・上村、3番・中島、5番・川路に2試合でヒットが出ておらず、打線が湿り気味なのが気がかり。この日も9番に入って一度もスイングをしなかった小野を含め、今後の強豪相手にどう攻撃を再構築してくるか。今後は小野といえども2、3点の失点を覚悟しなければならない相手と戦っていかなければならない。その時に打線の援護がないようなら、苦しむことになりそうだ。

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