【観戦記】春日9-8博多(福岡地区大会準々決勝)

※本記録は公式記録ではありません

 両校合わせて26安打17四死球の大味な試合となったが、春日が最後の最後に試合をひっくり返した。
 1点を追う春日は10回裏、4番坂口がこの日5本目となる安打を右前に放つと、続く鎰廣の投前バントが二塁悪送球を誘い無死一、二塁。さらに6番加藤の投手左へのバントを投手と三塁手が譲り合う形となり、打球が無人の内野を転がる間に二走が一挙に本塁を突いて同点。なおも梅原が送って一死二、三塁とし、8番菅が右越えにサヨナラ打を放った。
 序盤から先手を取り続けたのは博多。初回先頭の大西が左中間二塁打で出ると、金井が送ったあと、恵良のショート正面の強い当たりが失策を呼び大西が生還。さらに恵良が暴投で二塁に進み、緒方遊ゴロ、白田四球で二死一、二塁から6番上簗がライト右への二塁打を放ってこの回2点を先制した。3回には振り逃げで出た3番恵良が、けん制で飛び出したがファーストの二塁悪送球で生き、緒方四球、白田の犠打で一死二、三塁とし、上簗の右犠飛と落石の右前打でリードを広げた。追いつかれた直後の4回は、一死から大西の三塁内野安打と金井の中前打、さらに暴投で一死二、三塁。恵良三振、緒方四球で二死満塁となった後、5番白田のショート強襲安打で2者が還って勝ち越した。
 1点差となった7回には一死後、右前打で出た7番落石を有川が送り、樺島の中前打で再び2点差に。延長10回も有川が中前打が出ると樺島、大西の連続四球で無死満塁とし金井の左犠飛で勝ち越すなど、常にリードを奪い続けた。

 春日は2回一死後、6番加藤の一塁線を破る三塁打と梅原の右犠飛で1点を返すと、3回には2番平野四球、田口中前打で一死一、三塁とし、坂口の右前へのポテンヒットで平野が生還。鎰廣も左前に落とし一死満塁から加藤は遊飛に倒れたが、梅原が右前に落として2者を迎え入れて追いついた。2点を追う6回は一死から1番友永がレフト左への二塁打。平野も左前に落とし一、三塁から田口の右前打で1点差とした。
 再び2点差となった7回は、6番加藤の遊内野安打と盗塁で無死二塁。梅原三振、菅四球、内田遊飛で二死一、二塁とし、3者連続四球で2人が還って追いつくなど、リードされても粘り強く食らいつく姿勢を見せて勝利につなげた。


 三者凡退が両校通じて2イニングスしかなく毎回のように走者が出たことで、試合時間2時間55分という長い試合となった。
 春日は、昨夏投打に活躍した大黒柱・坂元の名前が先発メンバーになく、右腕の内田が先発
。柔らかなフォームから直球にスライダー、カーブを投げ込んでくる。直球で厳しく内角を突くなど攻めの投球を見せたが、立ち上がりは細かな制球に苦しみストライクを取りに行った球を痛打された。ただ、徐々にスライダーが低めに決まるようになり、5回から9回までは3安打1四球1失点で踏ん張った。8、9回は低めにスライダーがテンポよく決まり三者凡退。これが本来の投球だろう。
 10回途中まで8失点の内田だったが失点ほど打たれた印象はなく、バッテリーミスも含む守備の乱れが失点につながった。初回は一死三塁からショートが失策。この走者が暴投で二塁へ進み、タイムリーを浴びた。3回も恵良を変化球で三振に取ったが、振り逃げで出塁を許し、けん制で誘い出したもののファーストが二塁悪送球。直後に四球、犠打、犠飛と無安打で失点した。4回一死からのサード右へのハーフライナーもサードが飛びついてグラブに納めながら落球。満塁からの白田のショート強襲安打も、強い当たりではあったが守備範囲内の打球。夏に向けて上位を目指す上では、こうした強い打球も確実に処理したいところ。
 16安打の打線は活発で、投手の内田を除く全員安打。4番の坂口は5安打と攻撃の軸となった。外野の前に落ちるポテンヒットや外野手が目測を誤る幸運なヒットもあったが、思い切りのよい打撃を見せた。

 博多の先発は右腕の平島。直球はよく走っており3イニングスで4つの三振を奪った。3回に打たれた2本のタイムリーはいずれも完全に打ち取った当たりが、右前に落ちたもの。ただ時折投じるスローカーブも含めて、制球がもう一つ。ポテンヒットも力のある球で詰まらせたが、高かった分ヒットになった。
 4回からはショートから金井がマウンドへ。右サイドハンドからスライダーを軸に低めに集めたが、スライダーに頼る投球がやや単調だったか。毎回のように安打を許し、2巡目となった6回に4連打を浴びて降板した。
 1点差となってなおも二死一、二塁の場面で恵良が登板。春季大会はエースナンバーを背負っていたが今大会は背番号7での出場。力のある直球が持ち味だが、この日はその直球が思うように制御できなかった。7回は4つの四球(2つの押し出し)を与えて追いつかれ、8回も2つの四球、9回も死球を与えるなど苦しいマウンドとなった。前日も投げていたのであれば、その疲れがあったのかもしれないが、春季大会4回戦の大牟田戦でも7イニングスで6つの与四死球。四死球の多さがやや気になるところ。

 打線は春季大会から一部打順を組み替えてきた。春日の守備の乱れに乗じて得点はできたものの、内田を打ち崩したという印象まではなかった中で、春季大会は4番に座り、この日は6番に下がった左の上簗に存在感があった。どっしりした体格から放たれる当たりは鋭く、初回は内角直球に詰まりながらもライト右に運ぶ二塁打。3回は0-2から釣り球の高め直球を叩いて左犠飛とパワーを感じさせる。
 他校が多くの選手を試しながら戦っているこの大会だが、博多の先発メンバーは春季大会と同じだっただけに、チームの底上げも夏に向けて必要となりそうだ。


Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*