※本記録は公式記録ではありません

 九州国際大付・下村、西日本短大附・山下の両先発による本格投手戦が展開されたが、数少ないチャンスをものにした九州国際大付が競り勝った。
 九州国際大付は初回二死後、3番中川壱が右前打で出塁すると、続く葛城の右中間を破る二塁打で一気に本塁を突いて先制した。2~7回までは2安打に抑えられていたが、8回に8番下村が右前打で出ると石田渉が送り、1番大前の中前打で一死一、三塁。2番井上の時に暴投で下村が生還して、貴重な2点目を挙げた。
 西日本短大附は3回一死から中前打で出た8番山下を送って二死二塁としたが、1番近藤が三振。7回は二死一、二塁、8回も二死二、三塁と迫ったが得点できなかった。ようやく9回無死から4番神宮が右越え本塁打を放って1点を返したが、反撃もここまで。力投を続ける山下を援護できなかった。

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 見応えのある投手戦だった。
 九州国際大付の下村は常時130キロ台後半、最速142キロを計測した直球とスライダーの低めへの制球力が素晴らしかった。時折思い出したように投げてくる大きなカーブも効果的で、7回までは西日本短大附に二塁を踏ませない投球。終盤にピンチを迎えたが7回はスライダーで泳がせ、8回は渾身の直球で3番鶴田を空振り三振に仕留めた。9回は先頭の神宮に一発を浴びたがその後は3人で締め、付け入るスキを与えなかった。

 一方の西日本短大附・山下はスライダーを軸に好投。切れ味鋭く低めに落ち、8つの三振はほぼこの球で奪った。直球も130キロ台中盤で、最速140キロも計測した。初回に2安打で1点を失ったが、2~7回に許した走者は2人だけ。四球もゼロで中盤の安定感では下村を上回っていた。8回は2安打に自らの暴投で追加点を許し、結果的にこれが決勝点となったが、ここで姿を消すのが惜しまれる素晴らしい出来だった。

 両投手の好投で、両校ともなかなか得点のきっかけを掴めなかっただけに、初回の九州国際大付の先制点が大きかった。二死から中川壱が低めのスライダーをうまく拾ってライト前に落とすと、続く葛城が3-1からやや高く入ってきた外角直球を見逃さなかった。一塁から一気に本塁を陥れた中川壱の俊足も光った。8回は下位打線でチャンスを作り、4回戦でライナー性の本塁打を放っている1番太治が中前打。二塁走者が投手の下村だったことで三塁で自重したが、走者が野手であればタイムリーになっていた一打だった。
 西日本短大附打線も8回までに3度、得点圏に走者を進めたが、チャンスを作ってからあと一本が出ず、最後まで下村を攻略できなかった。一矢を報いた神宮の本塁打は、高々と舞い上がる一発。西日本短大附としては走者を置いた場面で神宮に回したかったが、その機会はなかった。

 両校とも無失策で四死球も下村に3つあっただけ。約1時間40分のスピーディでハイレベルな一戦は九州国際大付が競り勝ち、九州大会に大きく一歩を踏み出した。