【観戦記】福岡大大濠10-2福翔(秋季大会3回戦)




 好機に畳みかけ大量点を奪った福岡大大濠が、福翔に快勝した。
 福岡大大濠は初回、木村が初球を叩き中前打。山城が送り溝田は三振に倒れたが、星子が左翼線に二塁打を放って先制した。2回は6番新井が右前打で出塁、渡辺の補前バントは一塁悪送球を誘い、杉村四球で無死満塁。続く大平は押し出しの四球を選んでまず1点。木村三振の後、山城の一ゴロの間に渡辺が生還。なおも二死二、三塁から3番溝田の左前打で2者が還ると、溝田も二盗を決め、星子の中前打で生還した。さらに深浦の左越え二塁打でこの回6点を挙げて主導権を握った。
 3回は7番渡辺がセンター左への二塁打で出塁し杉村が送った後、大平の投前スクイズがフィルダースチョイスとなり1点を追加した。4回も先頭の山城が左前打。溝田四球の後、星子が送り、深浦死球で一死満塁から新井の左犠飛でさらに1点。6回は二死から深浦が右越え本塁打を放ってダメ押しした。

 福翔は2回、中前打で出た4番竹中を大前が送り一死二塁。宮原の時に暴投で一死三塁となり、宮原は投ゴロに倒れたが、7番原田が左前打を放ち1点を返した。3回も一死から田中が四球で出ると、続く蒲池の時にヒットエンド・ランが決まり(中前打)一、三塁とし、3番大橋がライト線に落とす二塁打で田中が生還した。
 4回も二死一、二塁、5回も二死二塁と得点のチャンスを迎えたが後続が倒れ、しり上がりに調子を上げた福岡大大濠の先発・深浦を崩せなかった。

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 福岡大大濠が初回から果敢な攻撃で主導権を握った。先頭の木村がいきなり初球をセンター前にはじき返すと、二死二塁から4番星子は内角直球を鋭く振りぬき左翼線への先制打。2回は敵失や四球を絡めて2点を追加すると、中軸の溝田、星子、深浦が3連続タイムリーを放ちビッグイニングに。3回は二塁打で出た渡辺を杉村が送って大平のスクイズ(記録はフィルダースチョイス)で手堅く1点を加え、4回も一死満塁から新井がきっちり犠飛を打ち上げた。そして6回、深浦がライナーで右翼芝生席に突き刺して勝負を決めた。
 毎回の12安打を放ち、全ての回で得点圏に走者を進めて得点のチャンスをうかがった。無死一塁や無死一、二塁の場面では確実に送って得点圏に進めてくる。4回無死一、二塁では強打者の4番星子も送りバントを決めた。二塁からワンヒットで本塁を突く意識も高く、12安打で10得点と効率よく得点を重ねた。

 先発は今夏も主戦として活躍した1年生左腕の深浦だったが、調子はいまひとつ。直球が高めに浮いてボールが先行し、カウントを整えにいった球を打たれる場面が目立った。5回までに5安打に3四球を許し2・3回に1点ずつ失ったが、チェンジアップを低めに集め、最少失点でしのいだ。ようやく6回あたりから球筋が安定するようになり、大量点にも守られて完投した。

 福翔の先発・宮原も、随所で伸びのある直球とスライダーを低めに決め、5つの三振を奪うなど、素材の高さを感じさせる投手。特に直球は低めに決まると捉えるのは容易ではなさそうだ。ただ、少しでも高低が甘くなると福岡大大濠の打者は逃さなかった。2回には味方の失策もからむ不運もあったが、2四球を与えてピンチを広げ、中軸に浴びた3連打はいずれもファーストストライクを狙われた。
 2回に一塁悪送球した捕手の原田は、3回には二盗を試みた大平を楽々と刺す強肩を披露。打線も深浦によく食らいついていき2点を挙げたものの、全体的に迫力不足は否めなかった。上位を目指すには底上げが必要となってきそうだ。


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