第100回全国高校野球選手権記念大会2日目の6日(月)、第3試合に登場した南福岡代表の沖学園は4-2で北照(南北海道)を破り2回戦に進出しました。福岡県勢としては2015年の九州国際大付以来、3年ぶりの夏の甲子園での勝利となりました。2回戦は大会9日目となる13日(月)の第一試合で、春夏連覇を狙う優勝候補の大阪桐蔭(北大阪)と激突します。

<試合経過>
 沖学園は3回先頭の8番斉藤が左翼線二塁打で出ると平川死球で無死一、二塁。阿部、市川は連続三振に倒れたが、三浦死球で二死満塁とし、4番吉村が三遊間を破って先制した。5回は先頭の平川が三塁手の頭上を高いバウンドで越える二塁打で出塁。阿部は三ゴロに倒れたが、市川がセンター左を破る三塁打を放って平川が生還。続く三浦も前進守備のセカンド右を破るタイムリーでこの回2点を追加した。1点差で迎えた7回は阿部が中前打で出ると市川三振の間に二盗を決め、三浦の一塁強襲安打で一死一、三塁。吉村三ゴロのあと、吉田の三塁線の高いバウンドのゴロをサードがはじく間に(記録は失策)阿部が生還、貴重な追加点を挙げた。
 北照は5回、8番原田が左前打で出ると、源の送りバントは捕邪飛となったが、飛び出した一塁走者を刺そうとした送球が逸れ一死二塁。続く中谷が左翼フェンスを直撃する二塁打でまず1点。三浦左飛のあと、掛谷が中前に落として1点差とした。2点を追う8回にも四球と岡崎の左前打などで二死一、三塁と迫ったが、田村の鋭いピッチャー返しを斉藤に反応良く捕られて無得点。10安打を放ちながらも決定打を欠いた。


 良くも悪くも、沖学園らしさが存分に出た試合だった。
 打線は4回を除く毎回の15安打。伸び伸びと振り切る自分たちの打撃を見せた。無死一塁、無死二塁の場面では強攻やヒットエンド・ランで強気に攻めるスタイルを甲子園でも崩さなかった。2回は無死一塁でエンドランが併殺打となり、3回も無死一、二塁で強攻に出て阿部、市川が連続三振に倒れるなど結果が出なかったが、二死満塁から吉村が三遊間を破って先制。これで完全に硬さが取れ、自分たちのスイングができるようになった。
 4回一死二塁では、斉藤の三ゴロで一塁送球の間に二走・森島が三塁を狙ってタッチアウト。5回は2点を奪ってなお一死一塁の場面で、吉村のセンター右への二塁打で一走・三浦が思い切って本塁を突いたものの余裕を持って刺されるなど、思い切りのよすぎる走塁も目についたが、こうした奔放さも沖学園の魅力。6回一死一、三塁で投ゴロ併殺打、8回は3安打と四球を得ながら無得点、9回も無死二塁を逃すなど、丁寧に攻めればまだ得点が出来たとも思えるが、目の前の1点より一気に複数得点を狙う攻撃を貫いた。
 背番号を県大会の「10」からエースナンバーに変えて先発のマウンドに立った斉藤は、4回まで毎回のように安打を浴びながらも得点を与えなかった。県大会と同様、走者を背負いながらも要所は締める持ち味を発揮。5回に2点を許し、その後もピンチを背負ったが粘り強く投げ切った。10安打は許したが与えた四死球は1つ。死球からピンチを広げて先制打を浴びた原田との差が際立った。好機を逃しながらも打線が強攻を貫けていられるの
も、斉藤の安定感に支えられてのこと。一方で斉藤の自在な投球も、少々の失点も打線が跳ね返してくれるという打線への信頼感が根底にあるように感じる。

 粗さを見せながらも思い切りのよい打撃を見せる打線。ヒットを浴びながらも多彩な変化球で連打は許さない斉藤。緻密さはないが、枠にはまらない伸び伸びとしたプレーが、さらなる伸びしろを期待させる。
 次の対戦相手は全国のチームが目標とする大阪桐蔭。春夏連覇の重圧を背負う王者にとって、失うものはないとばかりにどんどん振ってくる沖学園は決して与しやすい相手ではないはず。南福岡大会準決勝の福岡大大濠戦のような打ち合いになるのか。決勝の九産大九州戦のような投手戦となるのか。その試合展開すら予想がつかない沖学園の自在な戦いぶりを、期待を持って見守りたい。