小倉の好投手・河浦に11安打を浴びせた飯塚が、終盤の小倉の猛追を振り切って6年ぶりの決勝進出を決めた。
 飯塚は2回一死後、5番大門が中前打で出ると、続く大坪もレフト左への二塁打で二、三塁とし、7番徳永が右越えに本塁打を放って3点を先制した。さらに古屋もレフトフェンス直撃の二塁打、白木三ゴロのあと、1番高倉がセンター左への二塁打で古屋が生還。続く矢野の強い当たりの一ゴロをファーストがはじく間に、高倉も還ってこの回5点を奪った。
 5回は矢野が左前打で出塁、野崎のセカンド右へのゴロで併殺を狙った二塁送球が逸れ、無死二、三塁とし、4番片渕の左前打でまず1点。さらに無死一、三塁から大門の三ゴロ併殺打の間に野崎も生還した。3点差で迎えた8回は一死から大坪が四球を選び、徳永の投ゴロで二進した後、古屋がショート右を破る中前打でリードを広げた。
 小倉は初回、樵田が四球で出ると渡辺が送って一死二塁。山﨑左前打で一、三塁とチャンスを広げ、4番本田の中犠飛で先制した。6点差となった5回は9番黒田が中前打で出塁すると、樵田の投手右への高いバウンドの当たりが内野安打となり、無死一、二塁。続く渡辺が右中間二塁打を放って1点を返した。なおも無死二、三塁から山崎のニゴロの間に樵田が生還。本田の右犠飛でさらに1点を加えて、4-7と追い上げた。4点差を追う9回も渡辺が四球、山崎右前打で無死一、三塁とし、本田は浅い中飛に倒れたが、石橋が右翼線に落ちる二塁打を放って2者が還って2点差に詰め寄った。しかし反撃もここまで。後続が古屋に抑えられて涙をのんだ。

▼準決勝(21日・北九州)
飯塚 050 020 010=8
小倉 100 030 002=6

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 飯塚打線が序盤から小倉のエース河浦に牙をむき11安打8得点を奪って打ち勝った。
 この日の河浦は直球がコンスタントに140キロを超え、球威自体はあった。ただ直球、変化球とも全体的に高く、そこを飯塚打線に捕らえられた。2回の大門の中前打は143キロ、大坪のレフト左への二塁打は138キロの直球をはじき返されたもの。そして徳永には高めに入ったカットボールをライトスタンドに叩き込まれた。終盤にかけても140キロ超を計測したが、3回以降も6・9回を除いて毎回のようにヒットを許す苦しい投球が続き、流れを引き寄せることができなかった。これまでは少し甘く入っても球威で押し込んできたが、振りの鋭い飯塚打線には通用しなかった。

 飯塚の先発は右の古屋。130キロ超の直球に110キロ台のスライダーを低めに集める投球で小倉打線に挑んだ。8安打に7つの四死球を与えて2・4回を除いて毎回のように走者を出したが、要所ではスライダーを外角低めに落として内野ゴロを打たせ、小倉の追撃をしのいだ。内野陣は動き良く堅実に守り、外野陣は深く守備を敷いて長打を防いだ。
 打線は河浦の直球に振り負けず、甘く入ってきたところを鋭く打ち返した。3番野崎を除いて全員安打。投手の8番古屋もレフトフェンス直撃の二塁打を放って2安打を記録するなど、上位から下位までスキがない。

 小倉も5回表を終わって1-7と大きくリードされたが、あきらめずに粘り強く追い上げた。5回は4安打を集中させて3点。最終回も石橋の二塁打で2点を返してスタンドを沸かせたが、追撃が遅かった。6~8回に少しでも点差を縮めておきたかったが、古屋の前にチャンスを作れなかった。守備面ではサード黒田が飯塚の各打者の痛烈な当たりを何度も反応良く好捕を見せてピンチを救った。ただ、黒田の好プレーが増えるほど、飯塚の打球の鋭さが際立つことにもなった。
 東筑、九州国際大付などが敗れる中、剛腕河浦を擁して62年ぶりの優勝が期待された小倉だが、飯塚の強打の前に今年も悲願は成らなかった。牧村監督も今夏を限りに退任することが報じられており、新チームでは古豪復活に向けた新たな挑戦が始まる。