2本塁打を含む15安打を放った福岡大大濠が、投打にわたって大牟田を圧倒した。
 福岡大大濠は2回、5番星子が左翼フェンス直撃の二塁打で出ると、溝田が送って一死三塁。続く西の弱い当たりのニゴロで星子が生還(記録はセカンドのフィルダースチョイス)して先制した。
 3回の二死一、二塁は逃したが、4回は先頭の7番西が右翼線二塁打で出塁すると深浦が送って一死三塁。9番阿具根のスクイズが内野安打となり、西が生還してまず1点。樺嶋の中前打、山城の左前に落ちるヒットで満塁とし、佐藤のセンター左へのヒットで2点を追加した。なおも一、三塁から4番稲本の中犠飛で4点目。さらに二死一塁から星子がセンター右への本塁打で2点を加えると、続く溝田もバックスクリーンやや左に本塁打を放ち、この回一気に7点を奪った。
 5回まで福岡大大濠の先発・深浦の前に2安打に抑えられてきた大牟田は6回、この回から登板した2番手星野から代打・荒木大が四球を選び出塁。一死後、4番江崎の左前打のあと今村も四球で一死満塁とし、6番村上の押し出し四球で1点を返した。しかし、なおも続く一死満塁で救援した濵地に林山に後続が断たれ、追撃できなかった。

▼準々決勝(17日・久留米)
福岡大大濠 010 700 0=8
大 牟 田 000 001 0=1(7回コールド)

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 今大会ここまで3試合、20回3分の1で無失点を続けてきた大牟田・金栗を、福岡大大濠打線が集中打で攻略した。
 火付け役は5番星子。上背のある選手ではないがパンチ力を秘めた好打者だ。最初の打席では左翼フェンスの最上部を直撃、あわや本塁打という二塁打。4回は中堅122mと広い久留米市野球場のセンター右に打ち込んだ。6回にもレフト前へのクリーンヒットで猛打賞。5月の福岡地区大会決勝でも決勝打を放つなど頼りになる5番打者で、福岡大大濠打線のキーマンになっている。
 昨年センバツで2本塁打を放った樺嶋は、1番打者として定着。センバツの印象が強烈で長距離打者のイメージがあるが、この日は投手の足元を抜く中前打2本。自分の役割を理解し、センター中心に打ち返す打撃を徹底しているように見えた。俊足巧打の3番佐藤は4安打とよく振れており、4番稲本もヒットこそなかったが、犠牲フライを含め外野に鋭い当たりを飛ばした。6番溝田もバックスクリーン左へ特大の一発。6回にもレフト右を破る二塁打を放つなど、スキのない打線になっている。

 先発は今大会3度目となる左腕の深浦。1年生ながらどっしりとした体格で、130キロ超の直球に110キロ台のチェンジアップを交えながら好投した。4回まで死球の走者を一人許しただけの完璧な投球を見せ、5回は2安打1四球で満塁のピンチを背負ったが、無失点で切り抜けた。同じような腕の振りから直球とチェンジアップが放たれるため、打者はかなり打ちづらそうだ。力感はさほど感じないが、ほとんど表情を変えず淡々と投げるマウンドさばきは、1年生とは思えない落ち着きぶりだ。
 6回からは2年生右腕の星野が登板。柔らかなフォームから130キロ台後半の直球を投げる本格派だが、制球に苦しみ3つの四死球を与えて降板した。1点を失い、なおも一死満塁の場面で救援したのは右スリークォーターの濵地。今大会初登板だが、5月の福岡地区大会決勝では沖学園相手に5回を投げて無失点に抑えるなど実績のある投手。ここも外角にスライダーを2つ決めて追い込むと、最後は内野ゴロ併殺打に打ち取ってピンチを脱した。直球は130キロ前後だが、スライダーを含めた制球力が抜群。今後は星野に代わって、3番手投手としての登板機会が増えるかもしれない。

 大牟田の先発・金栗も決して調子が悪いわけではなかった。130キロ台中盤の直球で強気に内角を攻めて樺嶋から2三振を奪うなど、3回までは星子の一発だけで抑えてきた。ただ、4回はやや球を揃えすぎた印象で、この回打たれた7本のヒットのうち、2本の本塁打を含む4本が初球を狙われたもの。樺嶋にも0-2、山城にも0-1と有利なカウントを築きながら、勝負を急いで打たれた感がある。ファーストストライクを積極的に振ってくる福岡大大濠打線に対して、もう少し慎重さが求められた。
 3試合連続でコールド勝ちの打線も、この日はいいところがなかった。深浦の緩急をつけた投球、濵地の低めを突く丁寧な投球の前に4安打に抑えられ、押し出し四球で1点を返すにとどまった。