1点を巡る息詰まる攻防が繰り広げられたが、終盤に東福岡・金光を捕らえた沖学園がきわどく逃げ切った。
 沖学園は2回二死から7番沖島の左越え本塁打で先制。逆転された直後の7回は一死から5番吉田が右前打で出ると、6番森島も中前打で続き、沖島は打撃妨害で一死満塁。斉藤は浅い中飛に倒れたが、9番平川が一・二塁間を破って2者が生還して逆転(二走の生還はライト失策)。9回は一死後、斉藤の中前打、平川の右前打で一、二塁とし、1番阿部が右前打を放って斉藤が生還し貴重な追加点を加えた。
 5回まで3安打に抑えられてきた東福岡は6回二死後、6番金光が中前打。続く中島大も中前打で一、二塁とし、寺岡がセンター左を破る二塁打を放って逆転した。2点を追う9回も先頭の中島大が右前打、寺岡は四球を選び無死一、二塁。田中志の捕手前に転がったバントは三塁で中島大が封殺されたが、村上も四球で一死満塁。ここで代打・立花が右犠飛を放って1点を返し、なおも一、三塁と同点の好機を迎えたが、3番木村のセカンド左を襲う強い当たりが沖学園・森島の好守に阻まれ、あと一歩及ばなかった。

▼準々決勝(17日・久留米)
沖学園 010 000 201=4
東福岡 000 002 001=3 

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 沖学園・斉藤、東福岡・金光、両投手の好投によって中盤まで緊迫した投手戦が続いた。
 背番号10の斉藤は4試合連続の先発。3回戦の西日本短大附は10四死球、4回戦の九産大九産は完投したものの5失点と、いま一つの内容だったが、この日は素晴らしい投球を見せた。120キロ後半の直球に100キロ台のカーブ、そして110キロ台の変化球は手元で揺れるように落ちるチェンジアップか。3回までに3つの四死球を与えるなど序盤こそ制球に苦しんだが、しり上がりに調子を上げてきた。
 バックも斉藤を盛り立てた。4回二死一塁で寺岡の打球は右翼線にフラフラと上がった飛球。右中間を詰めていたライト沖島が懸命に追い、右翼線上でダイビングキャッチ。二死で走者がスタートを切っていただけに、大きなプレーだった。

 東福岡の先発・金光も130キロ台後半の直球にスライダーを交えた投球で、特にスライダーに切れがあった。2回に沖島に一発は許したものの、6回まで被安打3、与四死球はゼロ。3,4,6回と三者凡退で片付けるなどテンポよく投げ続けた。守備で目立ったのはショート野濱の軽快なプレー。三遊間の深い当たりを何度も追い付き、素早く正確な送球で刺して金光を助けた。

 試合が動き始めたのは6回裏。東福岡は二死からの連打で作ったチャンスに8番寺岡が内角球をセンター左に運び、懸命に腕を伸ばすセンター三浦のグラブのわずか先を抜けていく逆転二塁打となった。しかし沖学園もその直後の7回表、連打と打撃妨害で満塁とし、9番の平川が一二塁間を破るタイムリーで二者が還って再逆転した。なお公式記録では3点目は、打球をはじいたライトの失策によるものとなっているが、捕って本塁送球したとしても微妙なタイミング。二塁走者は打球をはじく前に三塁ベースを蹴っており、平川の2打点でも良いような気がした。
 9回にも沖学園は一死から8~1番の三連打で貴重な追加点を奪う。6回まで3安打だった沖学園は7~9回で7安打を集め、終盤一気に金光を捕らえた。
 斉藤の緩急をつけた投球、特に手元で微妙に変化するチェンジアップに苦しめられた東福岡も2点を追う9回に最後の反撃に出る。先頭の中島大が右前打で出ると寺岡が四球。田中志の送りバントは三塁封殺されたが、村上もよく粘って四球を選び一死満塁。ここで東福岡は好守の2番野濱に代えて左の立花を代打に起用。1-0からの一打はライナー性の当たりだったがライトの正面。それでもこれが犠牲フライとなって寺岡が生還、1点差に迫ってなおも一、三塁。3番木村の打球はセカンド左への痛烈な当たり。これをセカンド森島が膝をつきながらショートバウンドで抑え、そのまま二塁ベースにトスして激闘に幕が下りた。東福岡はようやく9回に斉藤を捕らえ始めたが、反撃が遅かった。

 沖学園は同じ右腕のエース石橋がいるが、今大会はここまで4試合すべて斉藤が先発して2完投。石橋の登板機会は2回戦の2イニングス、3回戦の3分の1イニングスのみ。調子を落としているのかもしれないが、次の対戦相手・福岡大大濠に対しては福岡地区大会決勝で2点に抑える好投を見せているだけに、次戦の投手起用も注目される。