両校投手陣が制球に苦しみ合わせて21四死球が乱れ出る試合を、中盤に再逆転して主導権を握った東筑紫学園が制した。
 東筑紫学園は初回一死後、野瀬、池田が連続四球。打者伊藤の時、暴投で二、三塁とし、伊藤が中前に落として2点を先制した。2回の一死一、二塁、3回の無死二塁、4回の二死二塁は得点できなかったが、逆転された直後の5回一死後、4番伊藤、5番井沢が連続四球を選び、小堤の右前打で同点。さらに一、二塁から三ゴロ併殺崩れの間に勝ち越した。
 6回には、この回から登板した2番手・加倉を攻め、一死から9番富田が左前打。芝も右前に落とし、富田は三進、芝も三塁送球間に二塁を陥れて二、三塁とし、2番野瀬のスクイズで2者が還り、リードを広げた。9回はセンター右への二塁打で出た芝を野瀬が送り一死三塁とし、池田の左前打でまず1点。伊藤の遊ゴロで二死二塁から、井沢のセカンド左への当たりをセカンドが飛びついてはじく間に池田が生還し、ダメ押しの2点を加えた。

 1回の一死一、二塁、2回の無死二塁を逃した北筑は3回、9番酒井から3者連続四球で無死満塁。3番鬼塚の右犠飛で1点を返すと、井上四球で再び満塁とし、本城が押し出しの四球を選んで追いついた。4回にも8番徳山四球、酒井の投前送りバントが一塁悪送球となり、佐藤死球で無死満塁。一死後、鬼塚が押し出し四球を選んで勝ち越した。
 6回は1番加倉の左前打を皮切りに、秋山、鬼塚も左前打で続き無死満塁。井上の中前打で、三走・加倉に続き二走の秋山も本塁を狙ったが憤死。なお一死一、二塁から本城は三ゴロ、ここで登板した2番手・池田に重藤も右飛に打ち取られ、追加点はならなかった。9回も本城四球、重藤左翼線二塁打で無死二、三塁としたが、後続が凡退。14四死球を得ながら、14残塁に泣いた。

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 前チームから主戦として活躍する東筑紫学園・小堤、北筑・鬼塚の両左腕だったが、いずれも制球に苦しんだ末、途中降板する不本意なマウンドとなった。
 左スリークォーターの小堤は初回2つの四球を出したが、外角直球がよく伸び、スライダーで4番井上を空振り三振に取るなど、まずまずの立ち上がり。2回も先頭の本城に二塁打を許したが、最後は徳山をスライダーで三振。尻上がりに調子を上げると思われたが、3回に突如ストライクが入らなくなった。9番酒井から犠飛を挟んで5連続四球。4回も3つの四死球に自らの失策も絡んで失点、3~4回に無安打で3点を許した。5回までに130球近く投げ、6回は疲れが出てきたか4連打を浴び、この回途中で降板。5回3分の2で、5安打11四死球という内容だった。夏の大会3回戦で九州国際大付に敗れた時も連続死球から逆転を許した。直球、スライダーといいものを持っているだけに、制球が課題と言えそうだ。
 昨秋はエースナンバーをつけていた2番手・池田は6回二死一、二塁の場面で救援に。3回3分の1イニングスを勢いある直球で1安打に抑え無失点。制球にやや苦しみ3四球を出したが、今後も小堤から池田につなぐ継投で戦った行くことになりそう。

 対して左の本格派・鬼塚も初回から制球が定まらなかった。二つの四球に暴投も絡んで二、三塁とされたあとに、詰まりながらセンター前に落とされ2失点。2~4回はいずれも得点圏に走者を背負いながらも何とか抑えてきたが、味方が逆転した直後の5回は2つの四球で走者をためて、タイムリーを浴びる1回と同じパターンで逆転を許し、この回でマウンドを降りた。時折、外角に伸びのある直球がズバッと決まり、緩急を生かす大きなカーブもある。ただ、惜しむらくは、いずれも安定感がなかった。
 2番手の加倉は右サイドハンド。4回を投げて四死球はなくコントロールは良さそう。右打者の外角に逃げるスライダーが武器だが、やや甘く入ったところを捕えられ5安打4失点。東筑紫学園の勢いを止められなかった。

 東筑紫学園打線は、夏は4番に座っていた芝を1番に起用。3安打1四球1盗塁とリードオフマンとしての役割を果たした。代わりに4番に入った伊藤は初回、詰まりながらもセンター前に落とすタイムリーで2打点。3回は鬼塚の直球を捕らえ、レフトフェンス直撃の二塁打を放った。5番井沢はセンター返しの打撃で、セカンド左への内野安打2本。2番野瀬は2つの犠打を確実に決め、うち一つは2ランスクイズとなった。夏を経験した選手が並ぶ上位打線が得点源となっている。

 北筑は押し出し四球による2点以外では、3番鬼塚、1年生の4番井上の中軸が打点を挙げた。鬼塚は打者としてのセンスもありそう。ただ14残塁が示すように再三の好機で一本が出ず、決定力の差が出た。伝統の機動力を生かす場面もほとんどなく、投・打・走において、さらなるレベルアップが期待される。