【観戦記】福工大城東18-1筑前(秋季大会2回戦)




 福工大城東が4回に8安打に7四死球と3つの敵失を絡めて大量16点を奪い、5回コールドで筑前を下した。
 福工大城東は初回一死後、伊藤が四球で出ると盗塁を決め一死二塁とし、竹之内の中越え三塁打で生還。4番森もレフト右への二塁打を放って、2点を先制した。
 4回は一死から7番梅根がセンター右への二塁打で出塁すると(代走・永山)、中村も四球。ここで登板した2番手・木下から上村も左前打で続き無死満塁とし、1番阿部の左前打でまず1点。伊藤の押し出し四球で2点目を挙げると、竹之内の遊ゴロ併殺崩れの間に上村が生還、さらに一塁送球が低く後逸する間に二塁走者の阿部も還って4点目。なおも二死一塁から、森の左翼線二塁打で竹之内が生還し5点目。坂田死球で二死一、二塁から小園の遊ゴロが一塁悪送球となり、二者が還って9-1とリードを広げた。
 その後も二死二塁から永山死球のあと、中村の右翼線二塁打で2人が生還して11-1。上村も四球で二死一、二塁となったところで筑前は3番手・小金丸が登板したが、阿部の中前に落ちる二塁打で1点を追加(12-1)。二死二、三塁から伊藤は投手付近のフライとなったが風に押し戻されて捕球できず(記録は失策)2者が生還(14-1)。竹之内四球、森死球で二死満塁とし、坂田が右中間を破る走者一掃の三塁打で3点を加え(17-1)、この回3打席目となった小園の左前打で1点を追加。打者20人を送る猛攻で、16点を奪って勝負を決めた。

 筑前は3回二死後、2番森井の左前打で出ると、3番藤田の一二塁間へのゴロをセカンドが飛びついて抑えたが内野安打となり一、三塁。ここで4番近藤が右前打を放って1点差に詰め寄った。しかし、これから追撃というところで4回に大量点を失い、無念の5回コールド負けとなった。

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 3回までは福工大城東が押し気味ながらも競り合いの様相を呈していたが、4回裏に福工大城東へ傾いた流れはやがて濁流となり、一気に筑前を飲み込んでしまった。
 筑前の先発は背番号10の満行。右上手からの大きなカーブを武器に緩急をつけた投球が持ち味。制球もまずまずで、カーブが右打者への外角低めのいいコースに度々決まった。初回に死球と2本の長打を浴びて2点を奪われたが、2・3回は安打を許しながらも無失点。しかし4回一死から梅根に二塁打を浴び、続く中村に四球を与えたところで降板。確かに毎回のように安打を許し芯で捕らえられる打球も多かったが、粘り強く投げていただけに少し意外な気がした。
 満行に代わって筑前は木下がマウンドに。右サイドハンドから直球とカーブでコーナーを突く軟投派だが、上村に詰まった左前打を打たれたのを皮切りに、打者10人に投げて4安打4四死球。味方に2失策が出る不運もあったが、一死しか取れずに降板し、3番手・小金丸にスイッチ。
 この時点で11-1となり勝負の行方は見えたが、福工大城東の攻撃はなおも続く。阿部のセカンド後方のフライは強い風に流されてポテンヒットに。続く伊藤のマウンド付近のフライも、風に流されて捕球できず二者が生還。初回の森のタイムリー二塁打も風に乗った感じだったが、筑前にとってはことごとく「逆風」となった。この日の雁の巣球場も、バックスクリーン後方の旗がはち切れんばかりに激しくはためき、フライが上がるたびに気を揉む状況。もちろん福工大城東にとっても同じ条件であるが、これだけ風の影響を受けると、野球をやる環境としては少し厳しい感じがした。

 福工大城東はエースナンバーをつけた中村総が先発。球筋よくキレある直球にスライダーを交える右の本格派タイプ。右打者への外角直球がよく決まった。直球が高めに浮く場面もあったが、筑前打線を力で封じた。
 その中村に対して筑前はしぶとい打撃で食らいつき、3回には3連打で1点差に迫った。最終的に点差は大きく開いたが、風の影響や失策が絡んだことを考慮すると、点差ほど実力の差はないように感じた。

 

 




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