中盤以降、じかじわと得点を重ねた福岡大大濠が、好投手・濱田を擁する朝倉を8回コールドで破った。
 福岡大大濠は初回、先頭の久保田がセカンド左への内野安打で出塁。平野が送った後、3番東がレフト右を破る二塁打を放って先制した。2~4回も毎回のように得点圏に走者を進めながら追加点を奪えなかったが、5回先頭の平野が四球で出ると、東が送って一死二塁。古賀四球、稲本中飛で二死一、三塁とし、6番樺嶋の左翼線二塁打で1点を加えた。
 6回は8番三浦が左前打の後、斎藤の投前送りバントで一塁送球が乱れ無死一、二塁。久保田の一前バントは三塁封殺されたが、平野が再度犠打を決めて二死二、三塁とし、東四球のあと、古賀の捕飛が落球を誘い二者が生還した。7回は右中間二塁打で出た樺嶋を仲田が送った後、三浦が右中間三塁打でまず1点。続く斎藤がスクイズを決めて6-0とした。8回は平野が四球で出ると東左飛、古賀右飛で二死となったが、稲本が左前打、樺嶋が三ゴロ失で満塁とし、仲田が右前打を放って勝負を決めた。

 朝倉は、福岡大大濠・三浦の伸びのある直球、鋭いスライダーなどに対応できず、3回まで6三振を奪われて走者を出せなかった。4回に先頭の幾竹がライト前に初安打を放ったが、続く草場が一ゴロ(二塁封殺)に倒れ、後続も凡退。7回には草場がニゴロ失、江上も四球を選んで無死一、二塁と初めて得点圏に走者を進めたが、大熊が二飛、濱田が中飛、柳が三振に倒れて得点できなかった。

▼3回戦(13日・久留米)
朝  倉 000 000 00=0
福大大濠 100 012 21=7(8回コールド)

————————————————————————————

 朝倉としては、130キロ後半の直球を武器にする濱田を中心に守りを固め、最低でも同点のまま、あわよくば1点でもリードをして終盤まで粘りこみ、福岡大大濠の焦りを誘いたかった。2年前の準々決勝で、九州国際大付を相手に6回までゼロ行進を続け、7回に2点、9回に1点を勝ち越したように…。だが、その目論見はもろくも初回に崩れた。
 福岡大大濠は先頭の久保田が初球を叩きつけ、セカンド左へのゴロ。幾竹が追いついて踏ん張り送球したが、内野安打に。平野が送り3番の東を迎える。濱田は打ち気をそらすカーブから入りストライク。2球目もカーブ、これを東は待ちきれないように強振するが空振り。濱田の落ち着きが一枚上かと思われた。ボールが三つ続きフルカウントとなって再びカーブを選択するが、今度は東はこれを読んでいたか、十分に引き付けて捕らえると、レフト左を破るタイムリーに。濱田としては0-2と追い込んでいただけに、フルカウントになる前に打ち取りたかった。

 2回以降も濱田は苦しい投球が続く。直球は130キロ台後半、最速141キロと走っていたが、高めに浮く球も多く、細かな制球にも苦しんだ。2回から4回までは毎回走者を出しながら何とか凌いできたが、5回は先頭の平野を歩かせ、樺嶋に痛打を浴びた。5回を終えた段階で球数が100球を超え、6回以降は疲労との戦いでもあった。
 6回は8番三浦に左前に運ばれ、斎藤の送りバントでの一塁送球が乱れるなど自らのミスも絡み二死満塁。古賀は本塁と一塁の線上付近に高々と上がるフライで打ち取ったと思われた。捕手が落下点に入るが、風に流されてマウンド方向に移動しながら補球を試みたがミットに当てながら落球、二死ということでスタートを切っていた走者が二人生還。番狂わせに必須だった堅守が崩れ、4-0となったこの時点で大勢が決した。

 打線は福岡大大濠の三浦に手も足も出なかった。140キロ前後、最速145キロの切れある直球が、右打者の外角低め、左打者の内角低めギリギリに決まり、これに120キロ台のスライダーが同じコースから鋭く落ちてくる。さらにスピードを殺したカーブでタイミングを外されるなど、変幻自在の投球で翻弄された。
 0-1の4回、先頭の幾竹が右前にはじき返し反撃の期待が膨らんだが、続く草場がバントを試みたがファール、空振りで追い込まれ、強攻に出て一ゴロ。チャンスを広げられなかった。7回も敵失と四球で無死一、二塁としたが、この時点ですでに4点差。次打者が4番だったこともあり強攻に出るよりなく、結果3人が凡退してチャンスらしいチャンスを得られないまま、試合を終えた。

 「いい球を投げていた」と福岡大大濠・八木監督をうならせた濱田の粘りの投球で、4回までは勝負に持ち込めた朝倉だったが、横綱の足元をすくうには、この緊迫した展開のまま終盤まで持ち込むだけのスタミナが不足していた。