【観戦記】小倉商2-0田川(選手権大会2回戦)




 右サイドハンド・若林投手が粘りの投球を見せた小倉商が、田川に完封勝ちを納めた。
 初回、小倉商は一死から若林が四球で出ると、河野の三ゴロで二進。続く平田がショートの左をゴロで破るヒットを放ち、二塁から若林が先制のホームを踏んだ。4回は、この回先頭の平田が右中間三塁打を放ち、久保が四球を選んで無死一、三塁。ここで二盗を試みた久保を刺そうとした捕手の二塁送球がセンターに逸れる間に三塁から平田が生還、1点を追加した。

 田川は2回、先頭の4番曽川が左前打で出ると梶原が送って同点のチャンスを迎えたが後続が凡退。4回は二死から曽川、梶原の連打で一、二塁としたが続く吉田が三振。5回、6回も先頭打者がヒットで出塁して犠打で一死二塁としたが無得点に終わった。7回は先頭の吉田が右越え二塁打で出塁し、浦野が送って一死三塁としたが、長原が一ゴロ、小野は右直。8回には1番白滝の投手強襲ヒットと犠打、村上四球、曽川左前打で一死満塁と最後の好機を作ったが、梶原が6-4-3の併殺打に倒れ、9安打を放ち6度得点圏に走者を進めながら決定力不足に泣いた。

▼2回戦(10日・中間仰木彬記念)
田 川 000 000 000=0
小倉商 100 100 00x=2

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 再三のピンチを迎えながらも最後まで得点を与えなかった小倉商・若林投手の粘り強い投球が光った試合となった。
 若林は、ゆったりしたフォームから直球、スライダー、たまにスローカーブを使って内外角に丁寧に投げ分ける投球スタイル。直球のスピードそのものはそれほどないが、右打者の外角に変化球を集めておいて、一転直球で内角低めを突く。この内角攻めが効果的で、コース・高さ・球の切れとも抜群だった。サイドハンド投手に対し、田川打線も右への意識はあったようで、9安打のうち5安打はセンターから右方向に打ち返した。特に4番曽川も3安打を放ちチャンスメイクに貢献したが、緩急に加え内外への揺さぶりを見せた若林の投球術が一枚上だった。

 田川の先発は2年生の吉田。右上手から直球にカーブを交えた投球を見せたが、直球が高めに浮くシーンが目立ち、4回まで毎回の6四死球と制球が乱れた。それでも4回1点を失った後の一死満塁のピンチでは後続を断って、流れを相手に引き渡さなかった。5回から救援に立った2番手・浦野も2年生で、吉田と似たようなタイプ。交代直後の5回はボールが先行したが6回以降は制球も安定。4イニングスを被安打1、与四死球1とテンポよく抑えた。
 2人の投手が打たれたヒットはわずかに4本。このうちの2本に四球と失策が絡んで失った2点が、最後まで遠かった。




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