【観戦記】福岡9-2伝習館(春季大会2回戦)




 初回に5安打を集めて逆転した福岡が、先発全員の13安打を放って中盤以降も加点、7回コールドで快勝した
 2点を先制された福岡はその裏、生島がファーストのグラブをはじく二塁打で出塁すると、西田の右中間三塁打でまず1点。続く磯部の遊ゴロの間に西田が還り同点に追いついた。さらに古賀四球の後、兼子の投ゴロが二塁への悪送球を誘い一死一、二塁。湯浅も左前打で満塁とし、山下右前打、柳原左前打で2点を加え、大宅の遊ゴロ(二塁封殺)の間に三走が生還、この回5点を奪った。2回、3回の得点機は逸したが5回一死後、兼子の右越え二塁打、湯浅の左越え三塁打で1点を追加。山下の当たりは前進守備のセカンド後方に落ちるタイムリーでもう1点。さらに山下が二盗を決め、二死後には三盗を試み、捕手の送球が逸れる間にホームを踏んでこの回3点を追加した。6回も一死から磯部の左中間二塁打、古賀の中越え三塁打で9点目を挙げ、試合を決めた。

 伝習館は初回、森田が遊ゴロ失で出ると、古賀智の投手フィルダースチョイスで無死一、二塁。野中の三ゴロで二、三塁とし、高椋が右中間を破る二塁打を放って2点を先制した。3回には一死から野田が一塁線を破る二塁打を放ったが、後続が凡退。4回も二つの四球を選んで一死一、二塁と好機を迎えたが、得点できなかった。7回は代打・武下が無死から左前打で出たが、続く森田が併殺に倒れ、2回以降は追加点が奪えなかった。

————————————————–
 福岡が立ち上がり、見事が集中打を見せて試合の主導権を握った。伝習館の先発・森田の甘く入る直球を逃さず、カーブはよく引き付けて打ち返した。13安打のうち6本が長打。特に体が大きな選手がいるわけではないが、外野手の頭や間を抜けていく鋭い打球が目立った。
 先発の湯浅は、スライダーに大きなカーブと変化球をうまく使って緩急をつけ、7奪三振。直球は随所でコーナーいっぱいに決まる球もあったが、制球はやや不安定で球数も多かった。直球のスピードはまずまずだが、やや上腕だけで投げている印象で、もう少し体全体が使えてくるとさらに球に力が乗ってきそう。
 守備ではサード・大宅の好守が目を引いた。3回は一死二塁から三遊間の当たりを横っ飛びで抑えると、すばやく二塁に投げて二塁走者を刺し、6回も同じように三遊間の当たりに飛びついて好捕。投手を盛り立てた。

 伝習館の先発・森田は直球にカーブを交えながらの投球だったが、甘く入ったところを痛打された。ただ、三振を4つ奪ったように、カーブが低めに決まれば三振もとれる。直球のスピードがついてくると、緩急が生きそう。打線は福岡・湯浅のスライダーに苦しみ7三振を奪われたが、野中、高椋の中軸が3安打と気を吐いた。




Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*