第89回選抜高校野球大会は26日、第7日が行われ、2回戦に登場した九州地区代表の福岡大大濠は滋賀学園(滋賀)と対戦しました。試合は滋賀学園が初回に1点を先制、福岡大大濠は8回に同点に追いつき、試合はそのまま延長戦に入りました。延長に入ってからは両校走者を出しながら決定打が出ず、15回引き分け再試合に終わりました。再試合は1日挟んだ28日(火)11時から行われます。なお、続いて行われた第三試合(高崎健康福祉大高崎―福井工大福井)も延長15回引き分け再試合となり、春夏通じて初めての2試合連続引き分け再試合となりました。

<試合経過>
 福岡大大濠・三浦、滋賀学園・宮城、棚原と、両校投手陣が持ち味を存分に発揮、走者を許しながらも決定打を与えず延長15回で引き分けた。
 先制したのは滋賀学園。初回、真藤の中前打、小浜の左前打で出ると、後藤の投ゴロで一死二、三塁とし、武井が甘く入ったスライダーを中前に運んで真藤が先制のホームを踏んだ。2~4回は立ち直った三浦の前に三者凡退。5回は一死一、三塁の好機を作ったが、後続が倒れて得点を奪えなかった。
 福岡大大濠は初回一死二塁、2回二死一、二塁、そして3回無死満塁の得点機を逃すと、4~7回は敵失の走者を一人出したのみに抑えられていたが、8回に反撃。この回先頭の久保田が左前打で出ると平野犠打、古賀四球で一死一、二塁。ここで4番東が投手足元を抜く中前打で同点に追いついた。だが延長に入ってからは12回、13回と先頭打者を安打で出しながら後続が続かず、力投する三浦を援護できなかった。
 三浦は9回二死一、二塁、10回一死二塁、13回二死一、二塁、14回二死満塁、そして15回も一死二塁と、再三サヨナラ負けのピンチを背負ったが、後続を断って得点を与えず、196球を投げて完投した。

———————————————–

 しびれるような展開の中で、福岡大大濠・三浦投手が集中力を切らさず力投。バックもよく守り、再試合に持ち込んだ。

 この試合も三浦投手は立ち上がり球が高く、3本の安打を浴びてあっさりと1点を先制された。しかし2回以降は、内外角の低めいっぱいに決まる直球を軸に立ち直り、2~4回は三者凡退。5回は一死一、三塁のピンチを背負ったが、ここをギアを上げて後続を打ち取ると、6~8回も3人ずつで片づけた。9回を投げて被安打7、与四死球1。初回を除けば、この日もほぼ満点に近い内容だったのではないか。
 ただ、この日は打線がなかなか三浦を援護できなかった。惜しまれるのは、公式戦初登板となった滋賀学園・宮城から、序盤に再三のチャンスを掴みながら得点が奪えなかったこと。特に3回は久保田、平野の内野安打2本のあと、古賀もセンター前に落として無死満塁。ここで4番、5番を迎えるという絶好の場面が訪れたが、東が投ゴロ、稲本も投ゴロで1-2-3の併殺。ここで得点を奪えなかったことで、宮城を8回まで持たせてしまった。それでも8回、東がこれまでの嫌な流れを断ち切る同点中前打は、4番の仕事というにふさわしい一打だった。

 延長に入ってからは完全に滋賀学園のペース。疲れの見え始めた三浦は10~15回だけで5つの四死球を与えるなど、再三サヨナラのピンチを背負った。だが、ここぞという時の精神力はさすが。延長に入ってからも144キロを計測するなど、スタミナのあるところも示した。そして守備陣、特に内野は集中力を切らさず、打球を確実に処理した。打線は東の同点打の直後、マウンドにあがった2番手・棚原を打ちあぐみ、7回3分の2イニングスを4安打に抑えられた。高めの球に手を出しての飛球が目立ち、このあたりは修正して次に臨みたいところ。

 さて再試合。当初は翌日の第4試合に組まれていたが、この後に行われた高崎健康福祉大高崎―福井工大福井も再試合となったため、日程が一日伸びて2日後の第一試合となった。一人で投げぬいた三浦投手にとっては、疲労回復につながる大きな一日が手に入ることになった。連投も利き、スタミナもある三浦投手だが、神経をもすり減らしながらの延長戦の投球だっただけに、どこまで疲労が抜け切れるか。この日のように140キロ前後の直球が内外角低めいっぱいに決まるようだと、大きく失点することはないだろう。分かっていてもなかなか打てない球だけに、この制球力と球の切れが戻るまで疲労が回復すれば、再び好投も可能だろう。
 一方の打線は、最後まで棚原をとらえ切れないまま、試合が終わった感が残る。次の試合も今日のように宮城、棚原の継投は十分考えられるだけに、棚原が出てくるまでに早く得点を奪いたいところ。1番久保田はこの日も3安打と当たっているだけに、中軸の復調が待たれる。