【観戦記】福岡大大濠10-5筑陽学園(秋季大会準決勝)




%e5%a4%a7%e6%bf%a011-5%e7%ad%91%e9%99%bd2 試合途中から時折雨が激しく降る中、両校合わせて27安打が飛び交う打撃戦となったが、序盤から主導権を握った福岡大大濠が筑陽学園を押し切った。
 福岡大大濠は初回、久保田が初球を右前に運び、平野が送って一死二塁
。続く古賀がセカンド左を破る中前打で先制した。2回にも先頭の斎藤が死球で出ると樺嶋が送り、三浦は一邪飛に倒れたが、久保田が三塁線を破って斎藤が生還した。1点差となった3回は一死後、東の三塁への当たりはイレギュラーして左翼線に抜ける二塁打となり、稲本四球、西の犠打で二死二、三塁とし、続く斎藤のショートへの当たりが再びイレギュラーして外野に達する2点タイムリーとなり、リードを広げた。
 さらに4回、左前打で出た久保田を平野が送り、古賀中前打で一死一、三塁とし、東の中前打で5点目を挙げた。再び1点差となった5回には、斎藤が遊ゴロ失で出ると樺嶋の投前送りバントが一塁悪送%e5%a4%a7%e6%bf%a0%e3%83%bb%e6%9d%b1%e9%81%a9%e6%99%82%e6%89%932球を誘い、三浦が送って一死二、三塁。久保田がこの日4安打目となる右前打でまず2点。さらに平野がセーフティバントで一、二塁とし、古賀の右中間二塁打でさらに2点。ここで筑陽学園は投手が大畑に代わったが、二死後、稲本が左前にタイムリーを放ってこの回5点を奪った。
 筑陽学園は3回、伊藤が左前打。米井はスリーバント失敗に倒れたが、村野が併殺を焦った二ゴロ失で生き、星山の遊ゴロで二死二、三塁。川上四球のあと、藤原が押し出しとなる死球を受けて1点を返した。5回には米井が右前打、村野投ゴロ(二塁封殺)、星山中飛のあと、川上の遊内野安打で一死一、二塁とし、藤原の中越え三塁打でまず2点。続く古川の時に捕逸で藤原も生還して、1点差に詰め寄った。6回にも一死から大畑中前打、村野左前打で一死一、二塁とすると星山左飛のあと、川上が投手足元を破る中前打で1点を返した。しかし、7回無死一塁の好機を逃すと8・9回は三者凡退に抑えられ、11安打を放っての反撃も届かなかった。

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 九州大会の切符をかけた一戦は、活発な両校の打線に加え、四死球や失策なども失点にからむ大味な試合となったが、総合力で勝る福岡大大%e7%ad%91%e9%99%bd%e3%83%bb%e8%97%a4%e5%8e%9f%e7%94%9f%e9%82%84濠が押し切った。
 福岡大大濠打線は、積極果敢な打撃が目立った。初回、先頭の久保田が初球のスライダーをライト右に運ぶと、平野が送り、古賀もワンボールからの2球目を中前にはじき返し、わずか5球で先制。続く二死一、二塁から西も初球を右前へ運んだ(二塁走者本塁タッチアウトで得点はならず)。さらに2回の久保田のタイムリー、3回の斎藤の2点打、4回の東の5点目もすべて初球を叩いたもの。筑陽学園バッテリーとしては、初球の入り方にもう少し慎重になってもよかったかもしれない。
 走塁にも積極性が出た。二塁に走者がいる場面で内野を抜くヒットが出ると、ほとんどのケースで三塁コーチャーが腕を回す。この日はあわせて六回、こうした場面があったが本塁憤死は一度だけ。際どい%e5%a4%a7%e6%bf%a0%e3%83%bb%e4%b8%89%e6%b5%a63プレーも含めて五人の二塁走者がワンヒットで生還した。犠打も7つ決め、一塁に走者が出ると手堅く送ってワンヒットで得点するシーンが目立った。
 筑陽学園の各打者も、福岡大大濠・三浦の威力ある直球に差し込まれながらも振りまけなかった。スライダーにもよくついていき外野の前にしぶとく落とした。3回と6回は1点を取った後の二死満塁、5回は3点を返した後の二死一、二塁と一気に大量得点を狙える場面で、一本出ていれば、試合の展開はまだわからなかった。このあたりは、好機に一本が出た福岡大大濠と明暗を分ける形となった。4回一死二塁で、レフトへのライナー性の当たりに走者が飛び出して併殺となったのも痛かった。

 投手陣では福岡大大濠・三浦は最速142キロを計測した直球とスライダーが、全体的に内外角によく制球されていた。ただ、やや高く入ると痛打さ%e7%ad%91%e9%99%bd%e3%83%bb%e7%b1%b3%e4%ba%952れ、コースが甘いと詰まらせながらも外野の前に落とされた。7回から大きなカーブを使うようになり、この球でストライクがポンポンと取れるようになってリズムが出てきた。失点されても最少失点で切り抜けるなど、粘り切ることができたことが勝利へつながった。
 筑陽学園の米井は、全体的に球が甘かったか。右打者の内角直球やひざ元へのスライダーが決まった東福岡戦のような投球ができなかった。3回は野手正面の当たりがイレギュラーする不運なヒットが2本あり、5回は失策からピンチを招いたが、それを%e7%ad%91%e9%99%bd%e3%83%bb%e5%a4%a7%e7%95%91差し引いても5回途中までに被安打14では降板も仕方ない。先ほど触れたようにファーストストライクから積極的に振ってくる大濠打線に対し、もう少し慎重に入ってもよかった。

 2番手の大畑はやや線は細いが長身の左腕。130キロ台中盤から後半の直球にカーブがある。5回途中でリリーフに立ち、稲本にタイムリーを浴びたが、6~8回は1安打2四死球とまずまずの投球を見せた。結果論ではあるが、米井が初回から毎回のように安打を浴びていただけに、もう少し早い回での継投があってもよかったかもしれない。2人とも1年生、今後の成長に注目したい。




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