【観戦記】西日本短大付5-0三井(選手権大会4回戦)




 三井先発・甲斐投手の立ち上がりの制球難につけ込んで4点を先制した西日本短大付が、今大会初先発となった福井投手の力投で三井に完封勝ちし西短・横尾適時打2た。
 西日本短大付は1回、三宅四球、中島死球のあと、吉無田の一塁線送りバントをファーストが見送ったが、これがライン上に止まる内野安打となって無死満塁。橋本が押し出し四球を選んでまず1点。渡辺は三振に倒れたが、6番・竹下が走者一掃となる右中間三塁打を放って4点を先制した。2回の一死満塁は内野ゴロ併殺打で逃したが、5回無死から4番・橋本が右中間二塁打で出塁すると、渡辺の右直でタッチアップし、一死三塁。竹下の右飛でタッチアップはできなかったが、続く横尾の左中間二塁打で1点を追加した。その後は再三のチャンスを作りながら、2つの併殺を喫するなど追加点が取れなかったが、先発・福井が安定した投球で三井打線に得点を許さず、序盤のリードを守り切った。
 4回まで無安打の三井は5回一死から7番・吉松がチーム初安打を中前に運び、甲斐の送りバントで好機を迎えたが、八尋が遊ゴロ。6回も1番・日吉がファースト後方へのポテンヒットで出ると、野瀬の犠打で一死二塁としたが後続が凡退。7回も先頭の江副が一、二塁間を破ったが、次打者のヒットエンドランが空振りとなり、二塁で刺されるなどチャンスを生かせなかった。9回も代打・江藤が中前打で最後の反撃を試みたが、後続が倒れ、福井の前に三塁を踏めなかった。

▼4回戦(18日・久留米)
三  井 000 000 000 =0
西短大付 400 010 00x =5  

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西短・福井 1回を終えた段階では早い回でのコールドゲームもありうると思ったが、西日本短大付が予想以上に試合を決めるのに手こずった、という印象を持った試合だった。
 初回、西日本短大付は2つの四死球と吉無田の送りバントが内野安打となり、押し出しで労せず1点。竹下の走者一掃の三塁打で一気に4点を奪うと、2回も一死から三宅が三塁前のセーフティバントを決め、中島の一塁線バントも内野安打となり、吉無田も中前に落として満塁。ここでさらに突き放すかに見えたが、4番・橋本が5-4-3の併殺で無得点。4回も先頭の9番・福井が安打で出るが、1~3番が強攻して得点できず、5回は1点を追加し、さらに二死二塁から西岡中前打、福井四球で満塁と攻め立てたが、追加点はとれなかった。2~5回までに8安打放ちながら追加点は1点だけ。6、7回も四死球の走者を出しながら、いずれも併殺で好機をつぶすなど、西日本短大付側に立てばもどかしい攻めが目三井・甲斐立った。

 こうした嫌な展開にも関わらず、終始、西日本短大付ペースだったのは、福井投手の力投によるところが大きい。小柄な左腕の福井だが、120キロ台後半の直球にカーブを交えて4回まで無安打に抑え込んだ。5、6回は安打で出した走者を犠打で二塁に進められたが、落ち着いて後続を打ち取った。終わってみれば被安打5、与四死球2、奪三振8の好投だった。三井・江副

 三井は先発の右サイドハンド・甲斐が2回以降は粘り強く投げただけに、立ち上がりの乱調が惜しまれる。5回1点を失った後、二死満塁の場面でレフトから救援に立った江副も、カーブを織り交ぜて追加点を許さなかった。奮闘を続ける投手陣の期待に応えたい打線は、5回以降、毎回ヒットを放ったものの単発に終わり、走者を出した後の攻めに決め手を欠いた。2回戦で本塁打を放っている4番・山下には、4打席とも走者を置いた場面で打席が回ってきたが、カーブに翻弄され3三振。9回最後の打席も、一死一塁の場面でセンター右へ大きな当たりを放ったが、あとひと伸びを欠いた。

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