【観戦記】真颯館4-2小倉(選手権大会4回戦)




 12安打を放って序盤から得点を重ねて主導権を握った真颯館が、先発・岡投手が8安打を浴びながら完投し、シード・小倉を破った真颯館・和知適時打
 真颯館は1回、先頭の和知がセンター右を破る二塁打で出塁すると、続く桜田はスリーバント失敗となったが、合屋がセンター左に痛烈にはじき返して先制した。2回も、この回先頭の7番・堀口が左前打で出塁し、下川が送って一死二塁。後藤三ゴロのあと、和知が投手強襲ヒットを放って1点を追加した。4回は6番・岡が中前打で出塁し、犠打と下川の三ゴロで二死三塁。ここで9番・後藤が一、二塁間を破ってリードを広げた。1点差に迫られた7回には、一死から4番・高木が四球、続く橋本のライト右へのヒットで一死一、三塁とすると、岡が左犠飛を放って突き放した。

 3点を追う小倉は4回、二死から5番・堀の左前打、6番・河浦の中前打、7番・軸丸の四球で満塁とし、中野が押し出し四球を選んで1点を返した。小倉・河浦適時打6回には4番・土田が右中間二塁打、堀は投ゴロに倒れたが、打者・河浦の時に牽制悪送球で三進した土田が、河浦の左中間二塁打で生還して1点差に迫った。
 しかし反撃もここまで。7回には無死から代打・石橋が左前打で出たが、続く1番・山崎の三前送りバントが二塁で封殺され、河野、吉永が連続三振。9回も先頭の軸丸が右前打、一死後、石橋の右前打と山崎の四球で一死満塁と一打同点のチャンスを作ったが、代打・四戸が二ゴロ併殺打に倒れて、最後まで真颯館先発の岡を捕らえられなかった。

▼2回戦(17日・北九州市民)
真颯館 110 100 100 =4
小 倉 000 101 000 =2  

————————————————–
 先発メンバーのうち5人が1、2年生の真颯館が快勝した。先発全員が1,2年だった昨夏(初戦で2-9で星琳に敗退)のメンバーのうち、この試合にも出真颯館・岡場したのは合屋、高木、岡だけ。新戦力が台頭してチーム力があがった。もともと打力があることは、11安打2本塁打の3回戦(7-6光陵)や初戦で敗れた春季大会(10-11星琳)などからも見てとれたが、その打力をこの日も如何なく発揮した。12安打のうち長打は2本だが、ほとんどが芯で捕らえた鋭い当たり。快音を響かせたヒットが初回に3本、2回にも2本飛び出し、完全に流れをつかんだ。ヒットがなかったのは4番の高木と、8番の下川だけだが、高木は3回に右中間にあわや本塁打という大きなライトフライを放ち、下川も強烈なセカンドゴロを2本放つなど、タイミングは合っていた。和知、桜田というセンスある左打者が出塁し、合屋・高木・橋本という長打力のある打者が中軸を固め、勝負強い岡が6番に座る、切れ目ない打線になっている。いい球は初球から振ってくる積極性もある。
 課題は投手陣であったが、3回戦で好救援をみせた左腕・岡が先発。昨夏は2回途中で早々に降板する屈辱のマウンドで、今夏はエースナンバーを高木に譲って7番をつけての出場だが、「元エース」の意地を見せた。ボールが先行し、高めに抜ける球も多く、4回には押し出しで1点を与えるなど、決して調子はよくなさそうだった。しかし、ここぞというところでは厳しいコースに直球を集め、スライダーを決め球に8奪三振。勝負処での集中力が光った。

小倉・中野 小倉は、エース・中野が本調子に程遠く、苦しい試合となった。持ち味である制球力に苦しみ、直球・変化球が高めに浮いたところを真颯館打線にとらえられた。毎回走者を許し、8回途中で降板するまで10安打を浴びて6つの四死球を与えた。2回に和知の打球を足に当てた影響のほか、6回まで2-2の緊迫した試合で完投した2日前の北九州市立戦の疲れが残っていたのかもしれない。まだ2年生だけに、今後の成長に期待したい。
 打線は1~3番が無安打に抑えられ、主砲・土田の前に走者をためることができなかった。特に左打者の1、2番は8打数無安打3三振と完璧に抑えられた。注目の土田は6回に追撃の糸口となる右中間二塁打を放って存在感を示し、4回と8回にもヒットにはならなかったが、右中間に大きな当たりを飛ばしてスタンドを沸かせ、長距離打者の片鱗を見せた。
 秋の九州大会にも出場した好チームだったが、中野と並ぶ投手の柱を欠いたことで猛暑の中での連戦を乗り切れなかった。

 

Pocket
LINEで送る

1 Trackback / Pingback

  1. アクセスランキングと共に振り返る2016年 | その他 | 福岡の高校野球

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*