【観戦記】光陵10-0古賀竟成館(選手権大会2回戦)




 初回の長打攻勢で主導権を握った光陵が古賀竟成館を投打に圧倒、5回コールドで下した。
光陵・武内本塁打
 光陵は1回一死後、四球で出塁した西を一塁に置いて、3番・屋久が右越え本塁打を放って2点を先制。吉村も左中間二塁打で続くと、5番・武内が右中間に本塁打を放ってさらに2点を追加した。続く藤も四球で出塁し有田右飛のあと、8番・目代が右中間へ二塁打を放ち、スライディングしてボールを止めようと試みたライトの体に当たった打球が転々とする間に、一塁から藤が生還した。
 2、3回は古賀竟成館の2番手・手柴の左サイドハンドからの変化球を攻めあぐねていたが、4回に先頭の1番・鈴木が左中間二塁打で出ると、西が送って一死三塁。屋久四球のあと、吉村が中前にはじき返して1点を追加した。さらに一死一、二塁から、武内三振、藤四球で二死満塁とし、有田が右中間に走者一掃の二塁打を放って3点を加え、ここで代わった3番手・鶴から目代も一、二塁間を破って有田が生還、この回5点を奪ってリードを広げた。

 古賀竟成館は初回一死から西田が左前打で出るが、後続が続かず、2回も二死から7番・野村の右前打と手柴の四球で一、二塁としたが、畠中が右飛に倒れた。3回以降は三者凡退に抑えられ、テンポよく直球と変化球を投げ分ける有田から反撃の糸口を掴めなかった。

▼2回戦(10日・筑豊緑地)※5回コールド
光陵    500 50=10
古賀竟成館 000 00=0  

————————————————–光陵・吉村適時打
 昨夏2本塁打を放った光陵の4番・吉村が注目を集めるが、3番・屋久も雰囲気を持った打者だ。初回の本塁打は打った瞬間、それとわかるライナー性の鋭い当たりだった。5番・武内は右打者ながら腰の据わった打撃で右中間に放った打球が、そのまま伸びてスタンドイン。こちらは、ヒットの延長が本塁打、という当たりだった。
 注目の吉村は初回、軽く合わせた打球が伸びて左中間を破る二塁打に。4回は、前の打席抑えられた手柴から痛烈な中前へのタイムリー。センターがかなり深く守っていたが、定位置であればセンター正面のラ光陵・有田イナー、という一打だった。5回の4打席目は、つまりながらも力で左前に持っていった。このほか、8番・目代も右方向へ逆らわない打撃で2打点。1番・鈴木も2安打1四球とチャンスメイクに貢献するなど、打線は上位から下位までよく当たっていた。
 投げては先発の背番号11の有田(=写真左)が好投した。投手としては小柄だが、スナップがよく利いており直球に伸びを感じた。変化球も含めて低めに制球されており、四球がひとつだけと安定感もあった。

 古賀竟成館の先発・谷口(=写真右)は力みがあったか、立ち上がりから球の走古賀竟成館・谷口りがいまひとつで、全体的に高かった。一死をとったあと、西にストレートの四球を与えると、屋久にもフルカウントから、ストライクを取りにいった球が甘く入り、古賀竟成館・手柴一発を許した。その後も、立ち直ることができず1イニングで4安打2四死球、2回からは手柴(=写真左)にマウンドを譲った。
 その手柴は2回、3回とよく粘った。小柄だが左サイドハンドからの変化球が有効で、2回は2~4番の左打者にまともなスイングをさせなかった。3回は四球と安打で一死二、三塁のピンチを背負ったが、目代の投前スクイズをすばやいグラブトスで本塁で三塁走者を刺し、追加点を許さなかった。だが、制球をやや乱した4回に四球を2つ与え、吉村に痛打を浴びて力尽きた。
 4番手の左腕・横尾は、5回無死一、二塁から救援のマウンドに立ち、中軸を迎えたが無失点に抑えた。まだ全体的に球が高いが直球にはまずまず力がある。2年生と光陵・武内本塁憤死いうことで今後に期待したい。
古賀竟成館としては手柴が好投している間に何とか反撃したかったが、3回以降は走者を出せなかった。たびたび芯で捕らえたライナーを放ったが、いずれも野手の正面を突く不運もあった。5回コールドという結果ほどの実力は感じられなかったが、それでも投打にわたって光陵が一枚上だった。

 

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