2016夏の大会を展望する①~北部




 高松商、東邦を迎えた県高野連主催の招待試合が終わり、いよいよ夏の大会開幕(7月9日)まで、約1カ月となりました。各校とも練習試合で実戦感を養いながら、最後の仕上げに入っていきます。
 5月の招待試合は観戦できませんでしたが、この2週間ほどは某雑誌からの依頼を受けて福岡の有力校を回り、監督や選手に取材をする機会に恵まれました。雑誌では注目選手の紹介、各校の戦力分析などを行っています。詳細は改めてお知らせしたいと思いますので、ご期待ください。
 福岡大会の抽選は6月24日(金)です。組み合わせが決まった後、パートごとに詳しく見ていきたいと思いますが、現時点で大まかに今年の有力校、選手などを見ておきたいと思います。まずは北部の有力校から。

 北部地区のシード見込みは、小倉・東筑・自由ケ丘・希望が丘・東海大福岡・常磐・門司学園・九州国際大付の8校。有力校では飯塚、星琳などがノーシードとなりそうです。このうち、やや力が抜けているのは、秋春ともに県大会出場を果たした小倉、東筑、自由ケ丘の3校でしょう。
 小倉は、昨年から4番に座る主砲・土田、俊足巧打の1番・山崎などを中心に打線が活発です。昨秋は準決勝で九産大九州の好投手・岩田から8点DSC_2035を奪って攻略、九州大会出場を決めました。負傷で秋は出場を回避した主力の吉永が復帰して3番に入ったことで厚みが出た打線は、春の北部大会でも4試合で32点を奪い、北九州地区大会でも5試合で33点をあげて優勝。投手陣は2年生エース・中野に安定感があり、攻守にバランスの取れたチームです。中野投手に続く先発投手が手薄なのが気になりますが、北部では秋の大会、春の大会、北九州地区大会と12戦して無敗と実績は筆頭格です。
 東筑は左腕・梅田を中心に守りの堅いチーム。秋春とも北部大会ではいずれも3点以内に抑え、競り勝って県大会に出場しました。梅田投東筑-飯塚イメージ手は走者を許しながらも、点を許さない粘り強さがあります。右サイドハンド・金田、普段は外野を守り直球に勢いのある遠藤なども先発で実績があります。打線は長打力こそありませんが、山下、水上の中軸を中心に鋭い振りを見せます。九州国際大付、自由ケ丘、飯塚、東海大福岡など北部の私立強豪にも勝っており、福岡大大濠や九産大九州などとも接戦を演じました。派手さはありませんが、競り合いに強みを発揮します。
 底を見せていないという点で、伸びしろがありそうなのが自由ケ丘。秋春とも県大会に出場しましたが、秋は右の本格派・岩田投手が中心だったのに対して、春は岩田投手抜きで勝ち上がりました。代わってマウンドにあがったのが湯浅、岡本、柳原などで、いずれも右投手。長身の湯浅は重い直球に大きなカーブがあり、岡本は130キロ超の直球にチェンジアップなどで緩急をつけ、テンポよく投げ込んできます。柳原は140キロ超の直球とスライダーを武器に三振のとれる投手。これに岩田投手が加わる投手陣の厚さは、県内でも屈指といえそうです。打線も4番・天野が軸ですが、新戦力がここにきて台頭しており、春からメンバーの入れ替えも予想されます。失策がやや目立つ守備が課題と言えそうです。

 これに続くのは、希望が丘、東海大福岡、九州国際大付、常磐、門司学園、飯塚などでしょう。昨夏ベスト8の希望が丘は、昨秋も県大会に出場し準々決勝では九産大九産と延長戦にもつれる接戦を演じました。春もパート決勝まで進むなど安定した成績を残しています。昨夏活躍した右アンダーハンド・山村投手の安定感が強みです。昨夏準優勝の東海大福岡は大庭、大平の両投手をはじめ、奥田、柴田ら昨夏決勝を経験した野手九国-星琳イメージも多く残り、もともと力のあるチームと見られていましたが、昨秋は不祥事で大会途中で出場を辞退し、春も初戦で青豊に敗退。しかし4月の福岡中央地区大会では育徳館、飯塚など力のあるチームを破って優勝、今年も夏に向けて戦力を整えてきました。夏3連覇を狙う九州国際大付は、投打とも昨年よりひとまわりスケールダウンした印象は否めません。エース・藤本は140キロ超の伸びのある直球が武器の本格派ですが、春は制球に苦しみパート決勝で自由ケ丘打線に打ち込まれ不安を残します。制球にすぐれる石本投手と、どこまで踏ん張れるかがカギを握りそうです。打線は昨夏の甲子園を経験した右の好打者・中山、左の立石ら中距離ヒッターが軸になります。過去2年に比べると長打力で劣るだけに、機動力も絡めた攻撃も見せています。センスある選手が揃うだけに、この1カ月でチーム力の底上げは十分考えられるところです。
 常磐は昨夏も主戦として活躍した橘投手が健在で、秋はパート決勝まで進出、北九州地区大会でも準優勝を飾りました。門司学園も右腕・桃坂投手を中心に守りのよいチームで、春は希望が丘をパート決勝で破って県大会に出場しています。両校とも小倉や自由ケ丘など「Aクラス」のチームにはいま一歩及ばない印象ですが、シードされたことで県大会出場に近づきました。4年前の優勝校・飯塚は秋春とも県大会出場を逃し、福岡中央地区大会でも東海大福岡に敗れ、シード権を逃すことになりました。投手陣は直球に勢いのある角崎、大きなカーブが武器の大山、両左腕が中心となります。打線は前チームでの実績のある武上、揚村らが中軸を担いますが、投打とも昨夏ベスト8と比べると物足りなさが残ります。ただ、こちらも夏に照準を合わせてくるチームだけに、ノーシードとはいえ目が離せません。

 ノーシードから県大会を狙うのは飯塚のほか星琳、育徳館、北九州市立、鞍手、嘉穂、真颯館、八幡、豊国学園、光陵、八幡南などの名が挙がってき北九州市立・今山そうです。星琳は秋春とも強豪との対戦が多く不運な面はありましたが、昨夏ベスト16の京橋、鬼塚、菊地ら主力が残っており打線には力があります。右サイドハンド・原田、大きなカーブのある左腕・奈良、直球に力のありそうな右腕・富山などの投手陣の踏ん張りが上位進出のポイントとなりそです。育徳館は秋春とも2勝。特に秋は4回戦で対戦した小倉を相手に8回まで5-1とリードしながら逆転負け。福岡中央地区大会も初戦で東海大福岡に敗れたものの2-4と競り合いを演じているように、上位と力の差はありません。北九州市立は右腕・今山、打線では左の麻生らを中心に力があり、秋は飯塚を破るなどパート決勝に進出しました。鞍手、嘉穂の筑豊勢も力をつけており、鞍手は打線、嘉穂は投手力が強みです。真颯館は1年時から出場している岡、合屋、江頭ら主力選手たちが最後の夏。ここまで県大会への出場もありませんが、最後に意地を見せたいところ。八幡豊国学園光陵、八幡南なども秋あるいは春に上位進出の経験があり、一発逆転を狙います。

北部ポイント

 


 

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