九州大会第5日~福大大濠が春の九州大会を制す




2016九州大会_春11 第138回九州地区高校野球大会の最終日の17日は決勝が行われ、福岡大大濠(福岡2位)が西日本短大付(福岡1位)を7-4で破り、平成3(1991)年春以来となる2度目の九州大会優勝を果たしました。

 西日本短大付・谷口投手、福岡大大濠・米村投手の両先発で始まった決勝は西日本短大付が初回に先制しますが、4回に福岡大大濠が集中打を見せて3点を奪って逆転。西日本短大付は6、7回に1点ずつを返して追いつきますが、福岡大大濠はその直後の7回に再び集中打で3点をあげて突き放しました。6回途中から登板した三浦投手が西日本短大付の反撃をしのぎ、福岡大会決勝の雪辱を果たしました。

 優勝した福岡大大濠は、春季福岡大会までとはまったく違うチームになった・・そんな印象を受けます。福岡大会までは、エース・濱地投手が絶対的な安定感で相手打線を1、2点に封じ、打線は3~6番(古賀、東、濱地、田中)の4人が得点源となり3~4点を挙げて競り勝つ、というのが勝ちパターンでした。逆に言えば、3~6番以外の打者はやや打力が落ちるという印象でした。福岡大会準々決勝から決勝までの3試合での総得点はわずか6点でしたが、九州大会では決勝までの3試合で22点。決勝でも7点を叩き出し、4試合すべてで2ケタ安打を記録するなど、予想以上の強打ぶりを発揮しています。中軸4人に加え、1番・斎藤が3試合で複数安打するなど出塁率が上がり、5番に1年生の稲本を固定できたことで、1~7番までが線でつながった感じを受けます。
 投手陣では、濱地投手の調子がいまひとつ上がってこないようですが、米村、三浦の控え投手が準々決勝、決勝のマウンドに立ちました。いずれの試合も2人で4失点していますが、複数投手が不可欠な夏の大会に向けて、貴重な経験を積めたと思います。投打とも濱地投手に頼る形だったチームがひとまわり大きくなった・・というのが九州大会の結果から感じた福岡大大濠の印象です。打線がこの好調さを夏まで維持・向上できるか、濱地投手の調子がこのあと戻ってくるかなどポイントはいくつかありそうですが、夏は西日本短大付と並ぶ優勝候補の双璧となりそうです。

 西日本短大付は準決勝以外は先発・完投したエース・谷口投手が、決勝ではやや疲れが出たでしょうか。何度も触れているように、打線は中軸の長打力に加えて、上位打線を中心に足を絡めて出塁・得点できるソツのなさがあります。打線の迫力もさることながら得点につなげる巧さが光り、どんな投手からもコンスタントに得点できる力は県内屈指だと感じます。谷口投手も安定感はありますが、夏に向けては少なくとも、もう一人計算できる投手が欲しいところです。

 ただ、春の九州大会の結果通りにはいかないのが夏の大会。昨年春の九州大会準優勝校・九産大九州は夏は3回戦敗退。一昨年春のベスト4・東福岡は5回戦敗退。2年前の優勝校・久留米商も5回戦敗退。いかに春の調子を維持することが難しいか、夏にかけて伸びるチームが多いかを物語っています。例年になく好チーム・逸材が多い今年の福岡。夏の大会の行方は、高いレベルで混とんとしてきそうです。

【第5日】(5月17日)
◇決勝(長崎県営野球場)
西短大付 100 001 101=4
福大大濠 000 300 31x=7

 

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