第97回全国高校野球選手権大会の準々決勝が17日に甲子園で行われ、福岡代表の九州国際大付は第一試合で早稲田実(西東京)と対戦しましたが1-8で敗れました。第74回(1992年)の西日本短大付以来となる夏の甲子園ベスト4入りはなりませんでした。

 <試合経過>
 3本の本塁打など九州国際大付の3投手から12安打8得点をあげた早稲田実が、投げては先発・松本が九州国際大付を5安打1点に抑えて完勝した。
 早稲田実は2回一死から5番・金子が振り逃げで出塁すると、富田が左翼ポールを直撃する2点本塁打を放って先制。4回にはこの回先頭の3番・清宮が2試合連続となる右翼ポール際への本塁打で1点を追加した。さらに4番・加藤が四球で出ると金子が送って一死二塁。ここで九州国際大付のマウンドには2番手・中村が上がったが、富田が右中間に2打席連続となる2点本塁打を打ち込んで5-0。なおも早稲田実は攻撃の手を緩めず、7番・宮崎が右中間を破る三塁打で出ると、九州国際大付は3人目の富山を送り込んだが、松本三振のあと、9番・渡辺が左中間二塁打でさらに1点を挙げ、この回4点を奪ってリードを広げた。1点を返された7回には玉川、清宮の短長打で無死二、三塁とすると加藤三振のあと金子が右前打、さらに富田捕邪飛のあと宮崎も中前打でこの回2点を加えてダメを押した。
 5回まで4番・山本の1安打に抑えられていた九州国際大付は、6回先頭の7番・亀谷が四球で出ると、続く中山の時にヒット・エンドランを決めて無死一、三塁としたが後続が倒れ無得点。7回は右前に落ちるヒットで出た3番・岩崎が二つの内野ゴロで三進すると、6番・宇都の中前打でようやく1点を返したが、得点圏に走者を進められたのはこの2回のみ。変化球を低めに集める早稲田実・松本を最後まで攻略できなかった。

▼準々決勝(17日・甲子園)
九国大付 000 000 100=1
早稲田実 020 400 20x=8
【九】野木→中村→富山【早】松本九国・野木3

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 早稲田実の打線が九州国際大付の投手陣を上回っていた。強豪と正面からわたり合い、清々しいくらいの完敗で九州国際大付の長い夏が終わった
 先発は右腕の野木。エース・富山は2日前に作新学院を完封した疲れが残っていたのだろう。野木は1、2回戦と制球が甘く5回1/3イニングスを投げて8安打4四死球で自責点5。福岡大会の調子に戻すのは時間がかかるだろうと思っていたが、きっちりと立て直してきた。外角低めへの制球が復活し、上々の立ち上がり。清宮を内角直球で詰まらせるなど、2回一死まで一人の走者も出さない。5番・金子も鋭いスライダーで空振り三振に打ち取るが、これがワンバウンドとなって捕手が後逸(記録は暴投)、振り逃げで走者を許したのが結果的に痛かった。続く富田の初球、左打者への内角低めの直球だったが、これを叩かれると打球はスライス気味に左翼ポール際にあがり、切れるかと思われたがポールを直撃、不運な形で先制を許す。それでも3回も三人で抑え、これからという矢先、4回先頭の清宮に一発を浴びてしまった。

 打たれたの九国大付・中村は内角低めのストレートだったが、決して甘い球ではなかったと思う。うまく腕をたたんで鋭い体の回転で捕らえた清宮が一枚上手だった。ここで切っておけばまだ分からなかったが、惜しむらくは続く加藤への四球。犠打で得点圏に走者を送られ、前の打席で本塁打を打たれた富田を迎えたところで交代。調子は悪くなかっただけに野木にとっては無念の降板となった。
 2番手・中村投手も調子は特別悪くなかった
。きわどい球をボールと判定されスリーボールとなったところでストライクを取りにいった直球が高く入り、富田に右中間スタンドに運ばれた。続く宮崎にも外角低めのスライダーを逆らわずに右中間に運ばれて、中村もここで降板。
 早くも4回途中で富山がマウンドに上がることになったが、さすがに疲れが残っていたか、高めに抜ける球が目立った。代わった直後、渡辺に低めのスライダーを左中間に運ばれて、富山も早稲田実打線を九国・富山止めることができない。それでも8回まで8安打を浴びながら、気力を振り絞って2失点に抑えた力投は、この試合の数少ない見どころだった。

 頼みの打線は、右打者の外角低めへの変化球を中心に、両コーナーを広く使う松本投手に内野ゴロの山を築いた。大きなゼスチュアで徹底して低めを要求し、松本投手の長所を引き出した早稲田実・加藤捕手の好リードも光った。
 1、2回戦のような猛打は3回戦、そしてこの日と陰をひそめ、打線の調子の波が激しい印象を受けた。ただ、作新学院戦では倉井投手のスプリットに手を焼き、この日も松本投手のフォークにタイミングが合わなかったように、落ちる系統の変化球に対応できなかったともいえる。福岡では落ちる系統の球を投げる投手はほとんどいないが、全国ではこうした投手が普通に出てくる。今後、福岡勢が全国大会で上位を目指すうえでは一つの課題なのかもしれない。

 それでも九州国際大付は福岡勢として15年ぶりの夏の甲子園ベスト8進出を果たし、久々に福岡勢の存在感を見せてくれた。特に2回戦の0-4から3本塁打を浴びせての逆転勝利、強豪・作新学院との息詰まる投手戦を制した粘り強さなど見ごたえのある試合を演じ、福岡の高校野球ファンを沸かせた奮闘には大きな拍手を送りたい。甲子園に来てスケールの大きさを取り戻した打線、福岡大会では乱れた守りもショート・吉井が俊敏な守備と強肩で再三のピンチを救うなど、よく守った。富山投手をはじめとした各選手の気迫あふれるプレーは、福岡の高校球児たちにも奮い立たせてくれたに違いない。
 新たな歴史を刻んで97回目の夏は福岡でも終わりを迎え、本格的な秋シーズンを迎える。