【観戦記】九州国際大付4-0東海大五(選手権大会決勝)

【試合経過】
 九州国際大付の先発・野木が東海大五打線を6安打に抑え完封する好投で快勝、2年連続で福岡大会を制した。九国・宇都死球

 2回の二死満塁、3回の無死二塁、4回の無死一塁と再三の好機を逃してきた九州国際大付は5回、二死から3番・岩崎が四球で出塁。山本は深く守っていたライトの前に落ちる安打で続くと、脇坂も四球を選んで満塁。6番・宇都は押し出しとなる死球を受けて均衡を破った。さらに6回には一死後、9番・野木が四球で出塁。ここで雨が激しくなり試合は約20分間中断。再開後、吉井も四球を選んで一死一、二塁から2番・山口が右翼線に二塁打を放って2者が生還、リードを広げた。8回にはこの回からマウンドに上がった左腕・大庭から、この回先頭の山口が中前打で出ると、続く岩崎が左中間を破る二塁打を放ち、一塁から山口が一気に本塁を突いて、だめ押しとなる4点目を挙げた。

 東海大五は3回、8番・田中が一塁線を破る二塁打で出塁し、白石が送って一死三塁の先制機を作ったが、後続がいずれも内野ゴロに倒れて無得点。6回には一死から1番・千登勢が中前打で出たが、続く吉田の時にエンドランが空振りとなり、二塁で刺されてチャンスを逃した。9回も一死後、吉田の右前打と田村のレフト前に落ちるヒットで最後のチャンスを作ったが、後続が倒れて得点できなかった。

▼決勝(28日・小郡)
東海大五 000 000 000 =0
九国大付 000 012 01x =4

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 富山、中村の両左腕と野木の3人を投手を揃え、県大会に入ってからも各投手が登板を積んできた九州国際大付に対して、孤軍奮闘の田中に試合の命運を託す形となった東東海大五・田中2海大五。打線は互角としても、投手陣の差において九州国際大付のアドバンテージはあまりにも大きかった。
 立ち上がり、田中は上々の立ち上がりを見せた。スライダーが右打者の外角低めギリギリに決まる。直球もよく走っており、高めのボール球で空振りを取るシーンもしばしば見られた。2回の二死満塁はこの高めの直球で野木を三振に仕留めてピンチを脱した。3回には無死二塁から山口の送りバントを素早く三塁送球してこれを刺すなど、堅い守りも披露した。

 それでもわずかに甘く入ったところを逃さない九州国際大付の打線に、4回までに5安打を浴びる。何とか無得点に抑えてきたのは、四球が1つと走者を溜めなかったことが大きかった。だが5回、6回は悪い時のパターンに陥った。
 5回の九州国際大付は1番からの好打順だったが、簡単に二死。3番・岩崎の当たりは一塁側ファールグラウンドに上がるフライとなりチェンジかと思われた瞬間、風に流されてファーストが落球。県大会に入ってから小郡市野球場では連日ライトから三塁~本塁方向へ強く風が吹いていた。田園地帯にポツンと建つ球場に周りを遮るものはなく、上空はかなり風の影響を受ける。これまでの試合でも、この風に押し戻された右中間の打球は数えきれない。その風が、この日も試合に影響を及ぼした。
 命拾いした岩崎は四球で一塁へ歩くと、山本はライト前に落ちるヒットで続く。山本の打席では各校とも長打を警戒して外野がかなり深く守る九国・野木が、その逆を突くようなポテンヒット。こうしたヒットも県大会では目立った。脇坂もきわどいところを突くが外れて四球となり満塁。そして宇都には0-2と追い込みながらも最後は死球を与えてしまい、不運も絡んで先制点を与えてしまう。
 6回もこの日2三振の野木への四球に始まり、降雨中断を挟んで吉井にも四球。四球で出したこの2人の走者が山口の二塁打で相次いでホームを踏む。5回、6回に与えた3つずつの四死球が、試合の行方を決めることになった。

 九州国際大付の野木も申し分のない立ち上がり。外角への直球が低く決まり、カーブ、スライダーも面白いようにコーナーギリギリに決まった。どこかで中村、富山につなぐ予定だったのだろうが、そのタイミングさえ与えない、ほぼ完ぺきな投球を見せた。打線も序盤から甘い球を逃さずとらえ、得点にはならなかったものの田中にプレッシャーを与えていった。「少しでも甘く入ると打たれる」という不安が田中から際どいコースの制球力を奪い、5回・6回の6四死球につながったのかもしれない。
 九州国際大付の県大会に入ってからの得点は、いずれも4点。強力打線からすると物足りない感じがするが、どんな投手からも4点は取ってきたとも言える。そして3人の投手陣は4点あればチームを勝利に導くことができた。決勝の舞台でも打線と投手陣がそれぞれの力を改めて示し、今年の九州国際大付の強さを見せつけた。







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