【観戦記】飯塚3-2福岡大大濠(選手権大会5回戦)

【試合経過】飯塚・榎田生還
 塁上を賑わしながら福岡大大濠・濱地から決定打が奪えなかった飯塚が、終盤に底力を見せてサヨナラ勝ちでベスト8入りを決めた。
 1点を追う飯塚は7回、この回先頭の7番・榎田が右中間を破る三塁打で出塁すると、続く日比生の遊ゴロで生還し同点。9回には一死から再び榎田が右中間三塁打でサヨナラのチャンスを演出し、日比生がライトに犠牲フライを放って勝負を決めた。
 飯塚にとっては苦しい試合だった。初回こそ、右翼線二塁打で出た1番・北野を前田が送り、3番・三村の中犠飛ですかさず同点に追いついたが、その後は5回まで7安打を放ちながら得点ができない時間が続いた。2回無死一、二塁では二塁走者が捕手の牽制球に刺され、その後二死一、三塁まで持ち込んだものの無得点。4回にも二死から連打を放ったが後続が続かず、5回には一死から北野が三塁打で絶好のチャンスをつかんだが内野ゴロで本塁突入しタッチアウト。盗塁死も二つあり嫌な流れだったが3投手の継投で追加点を与えず、1点差でついていったことで逆転劇を呼び込んだ。

大濠・田中適時打

▼5回戦(18日・小郡)
福岡大大濠 101 000 000=2
飯   塚 100 000 101=3

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 センバツ出場校・九産大九州を散発3安打に抑えるなど、2試合連続完封中の福岡大大濠・濱地が飯塚打線をいかに抑えられるか。試合の焦点はそこに集まった。大濠・濱地3
 この日も濱地の出来は抜群だった。1番から7番まで左打者をずらりと並べた飯塚打線に対し、切れのある直球を内角低めの際どいところに投げ込んでくる。先頭の北野を簡単に追い込んだあと、内角低め際どいところに2球。いずれもストライクと言われても仕方ないような球だったが、わずかに外れ、やや中に入った球を三塁打された。だが犠飛で1点を失ってからも、測ったようにコーナーぎりぎりを突いてくる投球は変わらず、内角直球で飯塚の各打者を詰まらせる場面が再三見られた。

 だが飯塚打線は、わずかに中に入ってくる直球を見逃さない。5回まで7安打を放ち、得点のチャンスを伺う。この日は6番・武上、7番・榎田の2人が勝利の立役者となった。7回、9回にそれぞれ三塁打を放ち得点のきっかけを作った榎田の活躍もさることながら、その前を打つ武上も2安打とタイミングが合っていた。武上はまた、榎田が三塁打を放つ前の打席では追い込まれてからファールで実によく粘った。最後はいずれも打ち取られたが、この粘りは濱地のスタミナと集中力を少なからず奪ったはずだ。榎田も県大会から出場登録された選手。改めて飯塚の選手層の厚さを実感させられる。

 飯塚の先発は背番号10の右腕・渡辺健太。立ち上がり全体的に球が高く、3回までに3四球と制球に苦しんだ。3回は二死から4番・田中力に与飯塚・渡辺健太えた四球の直後に三塁打を浴びて勝ち越し点を許すなど、らしくない投球だった。それでも徐々に調子を上げて5回まで2点に抑えて試合を作った。 2番手の中田もスライダーを武器に6~7回と無失点で流れを福岡大大濠に渡さず、8回からはエースナンバーをつけた渡辺健史が登板。カーブ主体の投球で大濠打線をかわし、いずれも無安打に抑えた。力のある投手が揃うことで、チャンスで投手に打順が回ってきたときにも代打・代走を惜しげもなくつぎこめることができる。飯塚の攻撃力に厚みが出る背景には、こうした面もある。

 福岡大大濠とすれば、この試合2-1で勝つしかなかったが、そうはさせなかった飯塚の力が上だった。とはいえ、濱地ー松本のバッテリー、4番・田中力は2年生。5番・古賀、6番・東は1年生で、楽しみな選手が多い。新チームは来春のセンバツも十分に狙えるだろう。

 この試合中、上空はバックネットからセンター方向へかなり強い風が吹いていたようで、センター後方のスコアボードに掲げられた日章旗が強くはためていた。そのため中堅から右中間の打球がよく伸びた。大濠・前田の中越え三塁打、古賀の右中間三塁打、さらに飯塚・榎田の7回の右中間三塁打は、いずれもこの風に乗っていった。この風がなかったら、また試合はまったく別の展開になったもしれない。気象条件にも左右される野球の面白さを感じた。







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