【試合経過】
 実力伯仲の引き締まった試合となったが、最後は飯塚が選手層の厚みを見せてサヨナラ勝ちをおさめた。
 2-2の同点で迎えた9回、飯塚はこの回先頭の渋田が一二塁間を破って出塁。揚村死球のあと飯塚・原適時打、代打・小川が犠打を決めて一死二、三塁。続く代打・日比生は敬遠で歩き一死満塁とすると、さらに代打で起用された原が叩きつけた打球は前進守備のショートの頭上を超えるサヨナラ打となった。
 飯塚は3回一死から北野のライトポール際への本塁打で先制。1点を追う8回は好投を続けてきた渡辺の代打・久保が左中間二塁打で出塁すると、北野が三塁前へのセーフティバント(記録は内野安打)を見せ、一塁送球が逸れる間に二塁から久保の代走・角が同点のホームを踏んだ。
英明-飯塚 1、3回と得点圏に走者を送りながら先制できなかった英明は4回、森山が中前打で出ると続く上原は四球で無死一、二塁。図子はスリーバント失敗に終わったが、中野が左中間にタイムリー二塁打を放ってすかさず同点に追いついた。8回には一ゴロ失で出た森山がワイルドピッチと二ゴロで三塁に進み、図子がスクイズを決めて勝ち越した。
 しかし9回のうち6回にわたってスコアリングポジションに走者を進めながら2得点に終わるなど、飯塚・渡辺投手から好機に一本を奪えなかった。

【所感】————————————————————-
 昨秋・今春の四国大会を制した英明と、今春九州大会ベスト8でNHK旗を制した飯塚の一戦は、期待通りの好ゲームとなった。試合時間は1時間40分、スピーディで締まった試合に引き立てたのは両先発投手の好投だった。

 飯塚は今季初めて背番号1をつけた渡辺健太投手が先発。腕がよく振れており135キロ前後の直球が外角低めに突き刺さるような感じでビシビシと決まった。NHK旗決勝ではやや不安定だったスライダーも低めによく制球されていた。戦列を離れている左腕・渡辺健史が加われば、強力な二本柱を形成しそう。
 英明もエースナンバーをつけた左腕・田中が先発。直球は130キロを少し超える程度だが、こちらも低めへのスライダーが冴えた。打者には直球と同じ軌道から沈んでくるように見えるのか、空振りが目立った。ともに強打を誇る両校打線だが、走者は出すものの、ここぞというところでは抑えられた。英明・田中

 とはいえ四国を制した英明打線はさすがの迫力。記録上の安打数は6だが、飯塚の2失策はいずれも強烈な打球でヒットにしてもおかしくない当たり。また、アウトになった当たりも外野へのライナーが正面を突くなど芯の近くでとらえる打球が多かった。少しでも甘く入ると鋭い振りで外野に持っていく。8回には5番・図子にスクイズをさせて勝ち越すなど、チームとして勝利への執念も見せた。

 飯塚打線も安打数では英明を上回るなど負けてない。1番・北野の3回の本塁打はライトポール際に高々と上がる一発。5回にはフルカウントからファールで粘り続け、最後は左中間に流し打っての二塁打。8回には同点につながる飯塚・北野生還絶妙なセーフティバントを決めるなどセンスを感じさせる。
 圧巻だったのは負けがなくなった9回裏の代打攻勢。先頭の渋田が右前打で出ると代走にこの試合は控えに回っていた4番・熊本を起用。揚村死球のあとは3人連続の代打起用で、最後は原が決めた。九州大会では控えの立場だった二塁手・小澤、捕手・伊妻などがNHK旗、そしてこの招待試合で活躍。選手層の厚さを見せつけた。